目覚めの時
秋山哲人……21歳男 髪は後ろで縛っており顔立ちが整っている。コードネームは【クトゥグア】または【ヴェノム】
「こいつのタイプは?」
声が、聞こえた。
「不明でして……エイラス博士直々に作られた超兵士ですので。」
「……俺に教えてくれとも良いんだがな。あの人は変わらんな、それとココじゃあ”作られた”は厳禁だぞ。前は良かったのかもしれんがな。」
「も、申し訳ございません。」
「問題ない。次からは気をつけろ。……一度カプセルから出せ。」
「許可はとらなくてい良いのですか?」
「気になった個体を試験しても構わんと、雄星博士からのお達者だ。」
「了解です。では……」
カプセルが開いていく……出してもらえるのか?
「オーケーだ。……顔立ちから察するにASEAN出身か。昔で言うならアジア人か?」
「あ……う……」
「名前を聞こう。いや、先に俺から名乗るか。」
この男性はそう言って自分の名を名乗り始めた。
「俺の名は菅野慎之助、エイラス博士達と同じ”最後の希望”と称されているものだ。このラボでは主に超兵士の監査、実験などを行っている。」
「は、博士と……お、お、お、同じ?」
「まだ言語が安定してないようだな。……しゃべり方から察するに俺と同じくJA、日本出身か。」
「は、は、は、はい。」
「その状態では会話もままならん。こいつを飲め、精神安定剤だ。気は楽になるだろう。」
俺はその薬をもらいすぐに飲んだ。……自分でも心が落ち着いてきているのを感じる。
「あ、ありがとう……ございます。」
「礼には及ばん。さて、名前を聞かせてもらおうか。」
「……秋山……哲人……です。」
「いい名だ。ひとまずこれから試験にはいる。心配は無用だ、あくまで現段階での能力を計るだけだ。」
菅野という研究員の人はそう言って付いてくるよう指示をする。俺はこの人に付いて行った……
着いた場所は極秘特別試験場と書かれた場所だった。道中にいくつものロックが掛けられたドアがあったしよほど重要な場所なのであろう……
「ここに入れ。秋山、お前の能力を見せてもらうぞ。」
「……サーイエッサー。」
そう言って俺は試験場に入る。……妙に薄暗い空間だ。明かりはないが、それなりには全体を見渡せるぐらいで極端に暗いというわけでもない。だが、それが余計に不安感を煽ってもいた。
「博士、俺はどうすればいいんですか。」
「実践を想定したシュミレーション戦闘を行ってもらう。……(ウィーン
今、お前から見て左にハンドガンを置いた。それを取れ。」
言われたとおりにハンドガンを取り、種類を確認する。……BerettaBlast18(ベレッタブラストエイティーン)。BBシリーズの中期型のようだ。威力連射重視故に反動がそこそこ高く重量もあるタイプ。使い手を選ぶ銃でもあるが、シュミレーションの中で慣れるしか無い。
「準備はいいな?」
「……OKです。」
「よし……シュミレーションスタート!」
ビーーーーーー!
サイレンとともに敵が出現していく。薄暗かった空間が明るくなった為分かったがどうやら”遮蔽物”がないようだ。妙な不安はこれだったか。しかし、動揺はしない。自分の出来る限りのことをするまでだ。
「ミッションスタート。これより敵を殲滅する。」