表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

旅立ち

「若!!婚約者がいる身で何をおっしゃっているのですか!!??

だから、バカと呼ばれているのですぞ!!」

「呼んでいるのはお前だけだ!!」

「・・・それは置いてですな、エレナ様をないがしろにしては国家間での大問題になりますぞ!!」


こいつ、ごまかしやがった!!


「だからな、内密に事を起こしてだな、俺が失踪したことにするのだ!!」

「な、何をバカなことを!!」

「家督は弟のガイウスに譲る。それで解決!!」


俺はどうだ!この名案は!!とばかり胸を張る。

爺は頭を抱えた。


「若は言い出したら聞きませぬからな。爺はどうなっても知りませぬぞ!」

「心配するな!うまく行くって!!」

「はあ、、、では執事達を集めて、調査を開始いたします。」

「頼んだぞ!!」


俺は意気揚々と部屋を出た。


●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●

1ヵ月後

惑星国家アースナンバー330722、通称ギリシア


「姫様!お隣のローマで、とてつもない発見があったそうですわ!」


ギリシア第3王女エレナは、侍女のその声を浴室で聞いていた。


「らしいわね、情報を完全にシャットアウトしているものね。

だけど馬鹿よねえ、そこまで秘密にする事って一つしかないのにねぇ。」

「は?その一つとは何でございましょうか?」

「それはね・・・」

「それは?」

「座標よ!!」

湯船から立ち上がったエレンの裸体は白く美しかった。

しかし残念なことに、その胸は僅かな膨らみしかなかった。

侍女がすぐにタオルでエレナの肢体を包み、水滴を拭いてゆく。


「座標でございますか?」

「他に何があると言うの?財宝や普通の失われた科学技術ならば、ここまで極秘にしないわ。」

「はあ・・・?」

「大戦で失われてしまった、銀河連邦の星々の座標・・それが分れば、どれだけの利益を生み出すことか、、、

この恒星系で惑星間戦争が起こっても不思議じゃないわ!!」

「!!」

「ローマに行きます!レオがバカをやる前に!!」

肢体を包むタオルを脱ぎ捨て、全裸のエレナは、ない胸を張り、侍女に命じた。


●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  


ローマ、執事室。


「じい、準備は良いな!!」

「バ、若、、考え直していただけませぬか?」

「お前、こんな時にも、バカと、、、まあ良いわ、その台詞が野も聞けるの今だけか、、

暫くは聞けなくなるものな」

「ですから、出立をおやめくださいと、、」

「心配するな!爺、なあに5年~10年以内には帰国するさ。

理想の乳を持つ妻を連れてな、エレナは俺よりもガイウスの方が似合うさ。」

「どうなっても知りませぬぞ?」

「深く考えるな、この1ヶ月で新しく見つかった惑星100個、全て人類がいるのも確認したじゃないか。

装備も万全、緊急でここへの座標へは、いついかなる時もボタンひとつで戻ってこられる。完璧だ!!」


爺はヤレヤレと頭を横に振っている。

しかし、俺の決意は固いのだ!!


「理想の乳のためなら、何だってするぞ!!」

「声になっておりますぞ!!」


ありゃ!?思わず声にしてしまったか!!

まあ、いいか。


「じゃあ、爺!行って来るぞ!!後は頼んだ!!」

「若、危険なことはなさらぬように!!何かあれば、必ず緊急脱出を使うのですぞ!!」


名残惜しそうな(みれんがましい)爺の顔を見ながら、空間にコンソールを出し、俺は最初の星へ転移するボタンを押した。


●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  


ローマの執事室に転送されると、丁度誰かが転送された所だった。

それで、ピンっと来た。

遅かったか!!


「こ、これは、エレナ王女様!!ご機嫌麗しゅう御座います。」

「前置きは要らないわ!今のレオよね!?」

「は、あ、いえ、、そのようなことは、、」

「はい、言い訳はしない!!レオは何処へ行ったのかしら?」


私はこの国のラズロ執事、通称爺と呼ばれている、老人アンドロイドに尋ねた。


「そ、それは、、、ちょっと旅へ、、、ですな」

「そう、座標は?」

「いえ、その、あの、その、、」

「何ボケたふりしているのよ!!

この前の遺跡調査!失われた座標が見つかったのでしょう?」

「うっ!!」


私はラズロに詰め寄った。


「!?な、何故それを!?」

「やっぱりね!!」

「!!しもうた、姫のカマかけにひっかかるとは!!」

「さあ、白状しなさい!レオは何処へ行ったのかしら!?」

「いえ、それは国家機密で、ですのでしゃべる訳にはまいりませぬ。」

「この期に及んで、往生際が悪いわねえ!この場だけの秘密にしてあげるから白状しなさい!!」

「し、しかし、、、」

「言わないと、失われた座標が見つかったって、バラすわよ!!」

「姫!脅迫なぞ、良家の子女の取る所作とは思えませぬぞ!それこそバレれば姫のイメージダウンですぞ!」

「私は気にしないわよ!眉目秀麗、品行方正、容姿端麗、才色兼備、貧乳!そんなのマスコミが勝手に作り上げただけじゃない!

どーぞ、公表なさって!!」

「いや、貧乳は事実・・・」

「何ですって!?」


ジロリと睨むと、ラズロは目をそらした。


「失われた座標発見がバレたら、惑星間戦争が起きるわよ!!」

「うっ!!」

「さあ、今すぐ言うのです!!」


にじりよる私、後ずさるラズロ。

どう見ても私が悪役よね?まあ、良いんだけどさ。


「分かりました、姫には負け申した。、、若はアースナンバー101へ・・・」

「101!ずいぶん古い星へ行ったのね・・・まあ良いわ座標を教えて?」

「ま、まさか姫!!なりませぬぞ!!」

「追いかけるに決まってるでしょ!!、私はレオの婚約者よ!!」

「き、危険です!!お父様やお母様も絶対に許しませんぞ!!」

「私はこちらのバ、、、若と違って、跡取でもないし、ちょっと旅行に行って来る

と言うわ。」

「この姫にしてあの若あり・・・ですか・・」


ぽつりと呟くラズロ。


「さあ、教えて頂戴!!」

「分かりました!ですが、万全の安全対策を講じていただけたと確信いたさねば

お教えいたしません。ここは譲れませぬ。」

「分かったわよ、準備万端整えて。また来るわ!!一旦帰りますね!!」


エレナはそう言うや否や、コンソールを出し転移していった。


「やれやれ、若・・・エレナ様からは、簡単には逃げられませぬぞ。」


そう言ったラズロは少し嬉しそうだった。


次回から本編です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ