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遺跡

ローマ王国首都、ローマ、、、まんまじゃねえか!!と突っ込みはなしよ。


ローマの朝は早い。

日の出と共に動き始める、使役アンドロイドが活動を始めるからだ。

彼らは太陽エネルギーで動いているのだ。

俺は寝室でメイドアンドロイドが淹れてくれたバイオコーヒーを飲んでいた。

ああ、このメイドの乳は良い形しているなあ、、せめてエレナの乳もこれくらいあれば・・・

とか考えていたら、、、


「バ、、若~若~!!!」


いきなり爺やのラズロが駆け込んで来た。

爺やと言っても、俺が生まれた時から教育係をしている教育アンドロイドだ。


「こら、じい!お前また、バカと言おうとしただろう?」

「滅相もございませぬ!!

若様こそ、またぞろ乳房のことでもお考えになっておられたのでしょう?」

「うっ!悪いか!?、、それより朝っぱらから何事だ、爺?」


いつものやり取りの後、俺は爺に聞いた。


「そ、そうでした、若様、先月発掘されました遺跡の調査報告が上がってまいりました!」

「ん?ああ、ヴァレンティノで見つかった小型カプセルだったか?

何か良いものでも見つかったのか?」

「そ、それが大変なものが!!大発見ですぞ!!」

「何を慌てている?一体何は見つかったのだ?」

「座標です!!座標!!」

「座標?どこのだ?」

「だから、座標ですよ!!失われた座標の一部がカプセルに記録されていたのです!!」

「な、なんだと!!」


これには俺も驚いた。

もはや伝説にすぎなかった失われたデータの一部が見つかったと、爺は言っているのだ。


「た、確かに大発見だな!で、今どこにあるんだ?そのデータは?」

「爺の部屋にカプセルが届けられてございます。」

「よし、行くぞ、爺!!」


確かに乳どころではなかった。

俺は爺と共に駆け出した。


●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●


「これです!!今起動させます!!」

「おう!」


それはリンゴくらいの小さな銀色の金属球だった。

爺はパズルのように、球体が稼動する部分を何回か動かした。


「動かせるのか?」

「はい、この溝に沿って回転させることが出来ます。」

「キューブパズルのようなものか?」

「まさしく、パズルですな。調査官が何通りかの動きを試していたところ

いきなり・・・」


金属球の一部から、映像が投影された。

多数の光点が立体的に空間に投影されている。

よくみると、その光点の一つ一つに4種類の数字が縦に並んでいた。

101.2456.3479.6534

最初がアースナンバー、他3つは三次元座標だ。


「凄い!101~200までか!!」


50万を超える殖民星のうち100個だけではあるが、、

たかが100個、されど100個、、

200年以上全く不明になっていた殖民星の座標が100個とは言え判明したのだ。


「これを空間転移装置に入れて、今日の銀河暦を打ち込めば、この星々への移動は可能なのだな?」

「さようでございますが、他星系への転移が途絶えてしまい、情報も皆無でございます。

どのような世界になっているのか?それどころか人類が住まう環境が残されているのかも分かりませぬ。

危険でございます。」

「爺、さすがの俺もそこまで向こう見ずではないぞ!!まずは監視用ドローンを送り込め。

ハイパー通信を使って即時その惑星の映像を送らせて観察するのだ。」


空間に投影されている光点を見ながら俺は言った。


「おお、賢明な意見が始めて聞けて爺は嬉しゅう御座いますぞ!!」

「お前、やっぱり、俺をバカにしてるだろ!?」


簡易転送装置で、物置から監視用ドローンを部屋に転送させる爺。


「何をおっしゃいますか?、今、監視用ドローンにハイパー通信装置を装着しますゆえ、しばしお待ちを・・・」


爺が監視用ドローンにハイパー通信装置を装着すると同時に、空間転移装置を作動させる。

立体パネルに、座標を打ち込むためのコンソールが浮かび上がった。


「では、送りますぞ101の座標でよろしいですな?」

「うむ、やれ!!」


爺が座標を打ち込んで行き、最後にリターンキーを押した。

一瞬でドローンは消え、正面のスクリーンパネルにやや上空からの映像が浮かび上がった。

スクリーンに水滴が付いてゆく。


「雨か?」

「そのようでございますな。」

「まあ良い、地上の様子が分かるようによってゆけ」

「ハッ!」


画像がズームアップされ、徐々に地上の映像がくっきりとしてゆく。

建物が映り、道に人々が行き来していた。


「人だ!!ここは人類が生存可能な星だぞ!!」

「空気中の成分分析でも、わが国とほぼ同じですな。

二酸化炭素量が、やや多めですが問題ないでしょう。しかし、、、」

「しかし、どうした?」

「車の代わりに、馬車が走っておりますぞ!!」

「なぬ???」


よく見れば道は舗装ではなく、砂利が敷き詰められ、建物も3階建てが最高だった。

これは、歴史映像で見た地球時代中世の頃の文明レベルでは?

爺も同じ事を思っているのだろう。


「これは先の大戦で完全に文明が滅んでおりますな、、、」

「いや、しかしここまで文明が退行するものなのか?レトロ趣味でわざとアンドロイドの馬を走らせているとか?」

「よくご覧下さい、下男っぽい男が、道に落ちた馬糞らしきものを片付けておりますぞ。」

「むうううぅぅ????」


映像をまじまじと見て、俺は唸った。


「例えば、支配階級が極端な宗教国家になったと仮定します。」

「うむ、仮定したぞ」

「大戦の大破壊を猛省し、科学文明を否定し、全ての化学技術を封印したと仮定します。」

「ふむふむ、仮定したぞ。」

「封印されて300百年、、文明が退行するには充分な年月でございます。」

「なるほどなあ、、、まあ良いか、、よし、この調子で転移可能な惑星を調べて行ってくれ。

もちろん、極秘裏にだ!!」

「極秘に関して異論は御座いませぬが、この100、いや残り99の惑星全部をですか?」

「そうだ、全部だ、執事全員を使っても良いぞ。とにかく急いで調査しろ。」

「承知いたしましたが、若、、、まさかと思いますが、、」

「そのまさかだよ!俺は乳を求めて旅に出るのだ!!」


俺は映像が映し出されたスクリーンを指差して叫んだ!!




軽い小説なので、なるべく早めの投稿を目指します。

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