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誰にも懐かない飛び級天才幼女が、俺にだけ甘えてくる理由  作者: 八神鏡@幼女書籍化&『霜月さんはモブが好き』5巻


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第二十話 見た目は大人。中身は子供。そして美女

『ぱくっ。もぐもぐ……うへへ♪』


 俺の指からタケノコのお菓子を食べたひめは、幸せそうにふにゃっと笑う。先ほどから何度かこれを繰り返していた。


 タケノコのお菓子を選択したひめが、食後のデザートを堪能していたのである。


 そんな彼女のテンションがあまりにも高かったせいだろうか。


「わ、私も食べてみていいかな~?」


 ずっとこちらを静観していた聖さんが、もう我慢できないと言わんばかりに身を乗り出してきた。

 先ほどまでは対面のソファに座っていたのに、こちら側のソファに移動して座っている。俺、ひめ、聖さんの順番でソファは埋まっていた……ひめが小さいので三人なんとか収まっているものの、二人用のソファなのでちょっと距離感が近い。


 狭い……というか、近くで見るとやっぱりなんかすごいな!

 美女で、スタイルが良くて、色気があるというか……ひめも大きくなったらこんな感じになるのだろうか。だとしたら将来が楽しみでもあり、今の愛くるしいままでいてくれると接しやすいなとか、そんなことを考えるくらいちょっと動揺しているのはさておき。


「お姉ちゃん、満腹ではないんですか?」


「ひめちゃんがあまりにも美味しそうな顔をするせいだよ~。あんな顔されたら気になっちゃうもーん」


「……また太りますよ? 昨日、ダイエットするって宣言してたじゃないですか」


「あ、明日から! ダイエットは明日からがんばりま~す」


「そう言って、昨日もお家に帰ってから残したお弁当を食べてたじゃないですか。しかも、私が残した分も食べていたので、まったくダイエットになってませんからね?」


「ひ、ひめちゃん? お姉ちゃんにそんなに酷いこと言わないで! 正論だからって言っていいことと悪いことがあるんだからねっ」


「正論ならちゃんと受け止めてください」


「知らなーい。聞こえなーい。何も考えたくなーい」


 と、微笑ましい姉妹喧嘩が繰り広げられている中、俺は別のことを考えていた。


 聖さん……高校生の女子にしても食べていないというか、食が細いのかなと思っていたけど。

 なるほど、ダイエットしてたから食事の量を制限していただけか。

 良かった、実はちょっと心配だったのだ。これだけしか食べないのは、成長期の体にとって良くないだろう。


 余計なお世話だと思うので、別に指摘しようとかは考えてなかったのだが。

 とにかく、家ではちゃんと食べているようなので安心したというわけだ。


「よーへー、一個ちょーだい?」


「あ、うん。分かった」


 一旦、ひめが食べていたタケノコのお菓子を置いて、キノコの包装紙を手に取る。

 先ほど、ひめが食べ比べするために開封していたので、そのまま中から一個取り出して差し出した。


「ありがと~。もらうね?」


「どうぞ……って、なんでそんなに見てるの?」


「ん~? ひめみたいに食べた方がいいかなって、迷ってて……そのままよーへーの指も食べよっか?」


「いやいや! さ、さすがにそれはっ」


「うふふ♪ 冗談だよ~。からかっただけ~」


 慌てた俺を見て、聖さんは楽しそうに笑った。

 意外とイタズラっぽい一面もあるようだ。子供なのに大人びたひめとは反対で、聖さんは大人びた見た目なのに中身が結構子供っぽいのかもしれない。


 かわいいけど……ドキドキするので、ちょっとだけ遠慮してもらうと嬉しいなぁ。

 学校で一番の美女のイタズラは、モブにとって刺激が強すぎるのだから――



お読みくださりありがとうございます!


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これからもどうぞ、よろしくお願いいたしますm(__)m

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