理から外れた魔法使いの嫌がらせを利用するヒロインさん(公式
あースッキリした。
いつのまにかメンヘラ妖狐はいなくなっていたので、ここがどこかわからなくなってしまい部屋の場所に戻れなくなってしまった。
困った困った。
実際はシナリオ通りなので言うほど困ってない。
どっこいせっと
座りながら攻略対象が来るのを待ちますか。
西洋風の厳かな館で、特有の薄気味悪さはあるがなぜか室温は保たれているおかげで、廊下でうずくまって座っていても寒くも熱くもない。
うーん……眠くなってきた。
「おい」
おっと、いらっしゃった。
気怠そうな声でこちらを伺うローブを着込んだ炎のような色の赤髪の男は、男の持っている杖でこちらの体をつついてくる。無遠慮にぶすぶす突き刺してくるから結構痛い。
「てめえ、人間か?なんでここにいる」
「森で迷ってしまって。金髪で背の高い方が泊めてくださいました」
「ブライトがか……珍しいな」
「あの、この館のかたですか?」
「そうだが。それがどうした」
――――――――――
ここで選択肢
→夜に出歩くなと言われたのですが、理由を教えてください
→部屋がどこかわからなくなってしまって
―――――――――――
夜に出歩いてはいけない理由を聞くか聞かないかの選択肢だ。
勿論探る流れだろうが、こちらから深くかかわりを持とうとしてはいけない。
何せ彼は魔法使い狩りにあったために、大の人間嫌いだ。
「トイレ行ってたら元いた部屋わからなくなってしまいました。知っていたら部屋の場所教えてください」
「あ?俺が知るかよ……そうだ、ブライトに直接聞いてこい。この廊下を真っ直ぐいった突き当りの部屋だ」
魔法使いの男はニヤリと笑いながら吸血鬼の部屋を教えてくれる。
これで長期滞在フラグ完了である。
「ありがとうございます!」
わたしは魔法使いへ丁寧に感謝を示して、吸血鬼の部屋へと急ぐ。
評価感想ブクマよろしくお願いします