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メンヘラ妖狐という名の爆弾!起動!

夜遅く人間は寝静まり、悪魔やモンスターが活発になる頃、わたしはトイレにいきたくなり僅かな灯りを頼りに廊下を歩いていた。


どうも、爆発寸前のヒロインです。


館に来てから一滴も水分をとっていないのに乙女の尿意に世界の修正力が作用してくるのが単純に面白かった。

修正力の無駄遣いが過ぎる。


大人の女性のものと思われる貸し与えられた質のいいネグリジェを引きずりながら、わたしは部屋の扉を一つずつ開けていく。



そろそろ、攻略対象と遭遇する頃だと思うんだけど……



「娘子が丑三時に何用じゃ?吾の供物になりにきたかえ」


扉を開けたと同時に部屋の主がこちらに問いかける。完全に扉を開くと、九尾の妖狐さんが胡散臭い笑みを貼り付けて煙管から煙を燻らせているのがわかる。

プレイヤー知識があっても急に話しかけられるとびっくりする。

人間としての矜持を保つために力が入り油汗が額ににじむ。



「青い顔しとる。可哀想にの」


喋り方すら胡散臭く支配者然としているけど、これは妖狐なりの芝居だ。

実際のところは千里眼を持つ妖狐は視えた未来が変わると好感度が上がるチョロいやつである。


攻略エピソード的には過去に妖狐の里が千里眼で未来視した通りに燃やされてしまったことがトラウマで、未来視した通りにならないヒロインに惹かれていく。

関係を深めていくなかでトラウマを打ち明け、少しずつ解消していく一本道なルートだ。


しかし、油断してはいけない。彼特有のシステムのせいで、通常攻略では屈指の厄介キャラに仕上がっているのだ。



その名も『メンヘラ妖狐』


彼は過去のトラウマから定期的にメンタルケアする必要がある。しかし構いすぎてもいけない。適切な会話頻度で飼いならす必要がある。


さながら気分は調教師である。



ちなみに会話が少ないと爆発してヤンデレ監禁してくるし、会話が多いとメンヘラって監禁してくる。

どちらにしろ監禁してくるっていうね、ライターの癖が透けて見える。


村が燃やされたトラウマからくる気に入った娘が死なないように手元に置いて監視しておきたいが故の行動だろうが、どう考えても妖狐の監禁エンドだけでも2種類差分でもないスチルを用意するあたり力の入りようがわかる。

それでも彼の攻略は会話の頻度と最後のトラウマ解消選択肢する必要がある。選択肢の正解にランダム性はないため、管理は面倒くさいが単体の攻略自体は楽な方だ。

他キャラ攻略中は何度も管理に失敗して台パン不可避だったが。


一応抜け道として、妖狐がみた未来を一度も変えなければヒロインに興味を持たない。

どこで未来を変えたかフラグ管理が難しく、メンヘラフラグを建てないのは実質不可能である。

誰かバグ技みつけてくれ。


――――――――――

ここで選択肢

→トイレどこですか?

→(しとやかに失禁)

―――――――――――


ヒロインを失禁させる乙女ゲームがあるらしい。

これギャルゲじゃねえんだぞ!さすがにおかしいだろ。


「と、といれどこですか」

 

「――――ククッ、そうか。お前さんは」


「といれ!」


「こっちだ、ついておいで」


はい!メンヘラスイッチオン!

頑張って処理していきましょう。

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あらゆるゲームをリスペクトとしております。

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