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台本置場  作者: スミシー
9/16

真面目が取り柄な私の自慢

私:~♪~~♪(鼻歌)

0:ドアを開けて部屋に入る

私:「おはよーございまーす!!

私:おっと、今日もお寝坊ですねぇ!そんなあなたにはこれをプレゼント!愛情たっぷり、最高級素材をふんだんに使った特別な朝ごはん!どーよ!この香り!!思わず目が覚めるでしょう!

私:・・・むむ!手ごわいな、このグルメ野郎!それじゃあ、次!あなたの中学時代のラブレターを音読しましょう!

私:え~と、なになに、拝啓、牧野さんへ。突然ですが、俺は君のことが~、あ、無理、ギブ、これは私にもダメージが入ります!

私:・・・・・・・はぁ、こんだけ騒がしくしてるのに起きないなんて」

0:ベットに腰掛けて、寝ている君の目にかかった髪をよけながら声をかける

私:「まったく、寝坊助にもほどがありますよ・・・・」

私:数十年前、突如としてソレは発生した。原因不明の不治の病、通称「眠り病」

私:その症状は単純だ。ただ眠る。それだけ。発症時から徐々に一日、一週間、一年と睡眠時間が伸びていく。

私:現代医療で、肉体の衰弱を防ぐことは出来る。だけど、心はそうはいかない。

私:精神と肉体のずれ、瞬く間に老いていく家族、恋人、友人。その差異に、人間の心は耐えられない。

私:そのため、この病を宣告された人間のほとんどは安楽死を望む。

私:「だけど、君は抗う道を選んだ」

0:ふと、お見舞い品の中にあるアルバムが目についた。

私:「ふふ、懐かしいですねぇ。君と出会ったころの、高校時代のアルバムです。君、写真好きでしたもんね。」

0:アルバムを眺めながら私の思考は過去へと飛んだ。

私:君と私が出会ったのは高二の五月、君は私のクラスに転入してきました。

君:「え~、こんな微妙な時期に転校したのでめちゃくちゃ緊張して、ガラスのハートが砕け散りそうです。なんで、優しくしてください!あ、彼女募集中です。写真撮るの好きなんでバズる写真撮っちゃいますよ!」

私:当時の私は、君のことが苦手でした。

私:いや、だって、私、根暗な真面目ちゃんでしたし、あんなパリピ丸だしな挨拶できる人種と仲良くなれるなんて思わないじゃないですが。

私:まぁ、真面目ちゃんな私は当たり前のように学級委員に選ばれていたので、学校案内という形で君と話していましたが・・・

私:それっきりと、思っていたけれど、君はよく私に話しかけてくれました。

君:「ねぇ、委員長」

私:「はい?なんですか?」

君:「なんの本読んでるの?」

私:「海外の小説です。今度映画化されるみたいなんで読み直しているんですよ」

君:「へぇ~、どんなのちょっとみせ・・・・・・・英語!?」

私:「ええ、勉強もかねて・・・」

君:「委員長、半端ねぇっすわ・・・」

私:そんな些細な会話が密かな楽しみだったことは秘密です。

私:・・・・・・君と仲良くなったのは、きっとあの時、あの梅雨の雨の日です。

0:雨が降る中、草むらにしゃがんで何かを探している私に、君は声をかける。

君:「・・・・・・・・・委員長?なにやってんの?」

私:「あ、えと、その、四葉のクローバーを探してて・・・」

君:「・・・・占いでもやってんの?」

私:「いや、別に、むしろ占いとかあまり信じてないです」

君:「じゃあ、こんな雨の日になんでまた?」

私:「約束、したんです。」

君:「約束?」

私:「近所の子供が引っ越してしまうんですけど、その子に四葉のクローバーで作った栞をあげるって約束したんです」

君:「律儀だねぇ。事情を話して別のものにしたら?」

私:「嫌です」

君:「嫌って・・・このままだと風邪ひいちゃうよ」

私:「私って真面目じゃないですか」

君:「へ、ああ、うん。そだね。委員長の凄いところじゃん」

私:「え、あ、ありがとうございます?・・・んん、えーと、それでですね、そんな真面目が取り柄な私にも唯一自慢できることがあるんです

私:私、約束を破ったことがないんです」

君:「一度も?」

私:「一度も、です」

君:「そりゃ、凄い。でも、今回はさすがにさぁ」

私:「・・・確かに、その子は、優しい子供なのできっと許してくれると思います」

君:「じゃあ・・・」

私:「だからこそ、この約束は守らないとだめです。

私:優しいあの子が伝えてくれた精一杯の我儘を、私は叶えてあげたいんです。

私;・・・・それに、これでも近所の憧れのお姉さんで通ってますから、最後はかっこいいところ見せたいんです。」

君:「委員長、そんなキャラだっけ?」

私:「ちょっと今は、ハイになってますので見逃してくれえると助かります」

君:「いや、別に言いふらさないけどさ・・・・んじゃ、ちょっと失礼」

0:君は当たり前のように私の横でしゃがんだ。

私:「・・・・何やってるんですか?」

君:「ん~?四葉のクローバー探し?」

私:「何故疑問形?じゃなくて、なんで手伝ってくれるんですか?」

君:「いや~、さすがにこれだけ聞いといて、はいさよならは出来んって」

私:「で、でも・・・」

0:君は人差し指を立てて、渾身のドヤ顔で語った。

君:「委員長、良いこと教えちゃる。男子高校生ってのは、バカでかっこつけな生き物なんだよ。同級生の女の子が、頑張っている姿を見たら応援とかしたくなるもんなの」

私:「ええー」

君:「委員長、引かないで。俺のガラスのハートがひび割れそう」

私:「・・・・・ふふ、そうですね。それじゃあ、かっこつけな男の子に助けてもらいましょう」

君:「ひひ、そうこなきゃ・・・・・・お、一個発見」

私:「私の数時間の苦労が、一瞬で抜かれただと・・・・・・!?」

私:・・・遺憾ながら君のおかげで約束は守れました。まぁ、後日しっかりと二人とも風邪をひきましたけど。

私:この件をきっかけに一緒に行動することが増えました。

私:だけど、君は人気者だからいつも周りに誰かいて、だから、気が付いたら私の周りにも人がいて

私:君は知らないだろうけど、私は君に感謝しているんです。照れくさいけど、私の青春ってやつは君と出会って始まったのだと思います。

0:アルバムのページをめくる

私:夏は海に行ったり

君:「海だーー!!」

私:「テンション高いですね」

君:「それは上がるよ!だって、海だもの!というか、委員長、なんでパーカー?」

私:「いや、だって、その・・・・・恥ずかしいですし」

君:「はぁーーー」

私:「ちょ、なんですか!その、こいつマジかみたいな反応!」

君:「いいか、委員長。ここは海だぜ!周りを見てみろよ!みんな水着だ!むしろ、水着じゃない方が恥ずかしいぜ!ほら、クラスの連中も水着じゃん!」

私:「でも・・・・」

君:「ほら!いいかいいから!ぬーげ!ぬーげ!」

私:「最低です!最低ですよこの人!?」

君:「何言ってんだ委員長!これは優しさだよ、優しさ。これ以上長引かせるとめっちゃハードル上がっちゃうぜ?」

君:「うぅ・・・わかりましたよ」

0:パーカーをぬぐ

私:「・・・・・・その、無言はやめてほしいのですけど」

君:「ありがとうございます!!」

私:「なんて綺麗なおじぎ!!そしてやっぱり最低ですよ。この人!!」

0:アルバムのページをめくる

私:祭りに行ったり

君:「おー!!スゲー!めっちゃ屋台ある!どれから回る?」

私:「そーですね。あ、射的やってますよ」

君:「お!やろうやろう!・・・・ふっふっふ、屋台荒らしといわれたこの腕、とくと見ろ!」

私:「なにそれダサい」

君:「なにおう!!って、ああもう!喋ってたから外したじゃん!」

私:「絶対関係ないですって。まぁ見ててください・・・・縁日の女王と呼ばれた私の力を!」

君:「同類じゃねぇか!ていうか。俺の屋台荒らしより凄そう!?」

0:アルバムのページをめくる

私:秋は、修学旅行に行きました

君:「委員長!委員長!鹿だよ!鹿!うぉぉ!スゲー!」

私:「はい!鹿です!かわいいです!あ、あっちで餌売ってるみたいですよ!」

君:「なに!?よし行くぞ!委員長!」

私:「はい!なんで私たちこんなテンション高いんですか!?」

君:「知らん!多分、鹿のせいだ!鹿が俺たちを狂わせてるんだ!?」

私:「そんな!?ああ、でもかわいい!!」

君:「食べてる!めっちゃ食べてる!かわいい!」

君:「・・・・あ、君も?はいはいどうぞどうぞ。大丈夫たくさんあ・・・・・・うぼぁ」

私:「鹿に、鹿に埋もれてます!?」

君:「我が生涯に一片の悔いなし・・・・がくっ」

私:「そ、そんな!誰か!誰か助けて下さーい!!」

0:アルバムのページをめくる

私:そして、冬にはクリスマスパーティーをしました

君:「委員長、その恰好は・・・・!!」

私:「ちょ!?あんまり見ないでください!」

君:「それは無理だよ・・・」

君:「だって、だって・・・・・なんでトナカイなんだ!?」

私:「クジで決まったからです」

君:「だからって、これはないよ委員長!なんで、野郎のミニスカサンタなんて地獄絵図をクリスマスに眺めないといけないんだ!」

私:「クラスの女子による最高傑作です」

君:「委員長たちがあんな化け物を創ったのか!?いいや!俺はあれをサンタだとは認めねぇ!ていうか、なんでお前もミニスカサンタの衣装をノリノリで着てんだよ!!もう少し嫌がれよ!」

私:「無駄ですよ・・・・・彼は目覚めてしまいましたから」

君:「何に!?いや答えなくていい、聞きたくない!」

私:「聞かなくてもいいですよ。体験してもらいますから・・・・・次は、君の番ですね」

君:「へ?・・・・・・・・いや、あの、そーだ、用事を思い出したんで帰ります!!」

私:「逃がしませんよ!!」

君:「ふっ、委員長の足で追いつけると・・・・・・ミニスカサンタで追ってくるなよ陸上部エース!!」

私:「A班は先回り、B班は人除けを!C班、D班はミニスカサンタのサポートを!」

君:「くそ、ガチだ!!・・・・・・・あ、ちょ、ぎゃぁぁぁぁぁ!」

私:君と出会ってからの日々は慌ただしくて、忙しなくて、あっという間で、とても幸せで、私は、この日常が続くものだと思っていました。

0:アルバムのページをめくる。しかし、白紙のページが続く

私:だけど、三年の春、君は学校に来ませんでした。

私:次に君と出会えたのは、梅雨の雨の日でした。

君:「俺、学校辞めるから、それじゃ」

私:「は、え、ちょ、ちょっと待ってください」

君:「なに?急いでいるんだけど」

私:「なに、じゃないですよ!だって、そんな急に・・・」

君:「そんなもんだろ。突然じゃない別れなんてないんだから

君:もういいだろ。・・・・・・・・・じゃあな」

私:久しぶりに学校にきた君は、私にも、ほかの友達にも冷たく接して、学校を退学すること、ただそれだけを伝えて学校を去りました。

私:とても、傷ついて、悲しくて、イラっとしたので

私:なので、家に凸りました

君:「お前らまじか!!あんなシリアスに別れたのに、もうちょい気まずそうにしろよ!!あ、ちょ、母さん!!お菓子出さなくていいから!!お前らもお構いなく~、じゃねぇ!!」

私:「まったく、もぐもぐ、君は私たちをなんだと、もぐ、思っているんですか?もぐもぐ」

君:「食ってんじゃねぇよ!って、委員長!?」

私:「あれぐらいで、私たちが君を嫌いになるとでも?とういか、不自然すぎますよ」

0:私は、人差し指を立ててドヤ顔で教えた

私:「君に良いこと教えてあげます。高校生っていうのは、バカでかっこつけな生き物なんです。泣きそうな友達がいたら、どうにかしたいと思う生き物なんです」

君:「それ・・・俺のパクリじゃん」

私:「泣きそうなの否定しないんですね」

君:「うるせー。わかってるなら泣かそうとするんじゃねぇよ。ガラスのハートだってい、いつも言ってんじゃん。もうそろそろ割れちゃうぞ」

私:「ふふふ、そうやって冗談めかして喋ってる方があってますよ。冷たくするとか向いてないんですって」

君:「え、クールな感じでかっこよくなかった?」

私:「全然」

君:「うっそ、満場一致?」

0:その場にいる全員が頷く

君:「ショックなんだけど」

私:「まぁ、そんなことは置いといて、事情話す気になりました?」

君:「・・・・・・いや、それは」

私:「・・・・別に話したくないなら話さなくてもいいですよ」

君:「え・・」

私:「事情が知りたくて来たんじゃなくて、仲直りしたくて今日は来たんですから」

私:「さて、一応仲直りも出来ましたし、皆さん、今日は帰りましょうか」

君:「え、帰るの?マジで?」

私:「マジです。あ、そうだ。今度映画行きましょうよ。私見たい映画があるんです」

君:「あ、うん、わかった。じゃなくて!」

私:「約束ですよ。それじゃあ、また明日!」

0:君はやけくそのように叫んだ。けれど、その顔は確かに笑っていた

君:「ああ、もう、また明日!!」

私:それから、なんやかんやあって、結局、君は学校に戻って、たまに学校を休みながらそれでも、学生生活を楽しんでいました。

私:そしてある日、私たちは君に呼ばれて、君が「眠り病」に罹っていると知りました。

私:だからといって、私たちに出来ることはありません。私たちに出来たのはいつも通りふざけて楽しく日常を過ごすだけです。

私:そんな風に伝えると君はありがとう、と似合わない真面目な声でお礼を言いました。

私:その後、君は入院することが決まりました。

私:君は、変わらず明るかったけれど徐々に起きている時間が少なくなってきました。

私:そして、私たちは卒業式を迎えました。

君:「よっ、委員長。久しぶり」

私:「はい、久しぶりですね。私が最後ですかね?」

君:「多分そう。さっき、ミニスカサンタから卒業証書プレゼントされたし」

私:「ああ、じゃあ、私が最後ですね。気を使われたかもしれないです」

君:「あー、やってそう。そんでどうしよう?なに話す?」

私:「なに話しましょうか?あ、そういえば例の映画新作出るみたいですよ」

君:「マジかー。めっちゃ気になる」

私:「じゃあ、見に行きましょう」

君:「委員長。それは・・・・」

私:「別にDVDとかでもいいじゃないですか」

君:「そうじゃなくて・・・」

私:「・・・その続き喋ったら、ギャン泣きしますからね。高3女子が恥も外聞も捨てて全力で泣きますから」

君:「なにそれ、むしろ男らしい

君:じゃなくて、聞いて。これが今の俺の本心だから

君:・・・俺さ、本当はとっくに死んでるはずだったんだ。

君:この病気を宣告されたとき、想像してみたんだ。知らぬ間に老いていく体、記憶と違う年をとった友達や家族、その孤独に俺は耐えられるのかって、

君:無理だって思った。耐えられないって思った。だから、死のうと思った。

君:だけど、あの日、委員長が、クラスのみんなが来てれた日にさ、俺気づいたんだよ。ああ、死にたくねぇなって。いつか死にたくなるほどの孤独を感じる日がくるかもしれない。でも、少なくとも今は、こいつらと笑っていられる今は、生きていたいってそう、思ったんだ。

君:だから、委員長。俺、頑張るよ。この病気が治る、いつかくるその日を楽しみにしながら、俺は生きるよ。

君:・・・・・それに、ほら、俺の体をさ、検体?治験?まぁ、よくわかってないけどそんな感じで役に立てるかもしれないしさ。

君:・・・・・・だからさ、委員長。泣かないで」

0:気が付くと私は泣いていた。

私:「べ、別に、な、ない、泣いて、な、なんか、いませんし」

君:「嘘が下手すぎる」

私:「グス・・・女の嘘を見逃してこそ男だそうですよ」

君:「まじか・・・・だれ情報?」

私:「ミニスカサンタです」

君:「信用が一切できない情報源!」

0:二人きりの病室に、笑い声が響く。その光景は放課後の教室で笑いあうどこにでもいる学生のようだ。

私:「ふ、ふふ、ふふふふふふふ」

君:「は、はは、ははははははは」

私:「はぁ、笑いましたねぇ」

君:「笑ったなぁ」

私:「・・・・・約束、しませんか?」

君:「約束?」

私:「そう、約束。さっきの映画を見に行くってやつです」

君:「・・・・そう、だな。約束だ。あ、でも、先に見に行ってもいいぞ」

私:「そんなことしませんよ。あ、でも、あれ原作まだまだ続きそうだから、映画も続くと思うので、早めに起きて見に行かないと、シリーズ一気見という名の地獄が待ってますよ」

君:「ああ、そりゃあ、さっさと起きて見に行かないとだな」

私:「そうですよ」

私:そんな些細な約束をして、私は君と別れました。

私:その日を境に、君は長い眠りにつきました。

0:アルバムの最後のページには、私と彼の写真が一枚だけ挟まっていた。

私:私は、その後、大学に進学し卒業後、眠り病の最先端の研究を行っている医療組織に所属しました。

私:そして、ようやく薬の完成にこぎづけました。そして、その被験者第一号に君が選ばれて、現在はその経過観察を行っているわけです。

0:挟まっていた一枚の写真を眺めながら私は呟く

私:「まったく、ここまで凄い大変でしたんですよ。予算少ないし、頭が固い上司がいるし、パワハラ、セクハラ、その他諸々オンパレード。

私:私、本当に頑張ったんですから。

私:・・・・・・・だから、目、覚ましてくださいよ。いい加減、寂しくて泣きそうです」

0:写真に涙が、ぽつり、と零れる。

私:私は知っている。この世界に奇跡はない。泣いていたって神様は助けてくれない。手放したくないものがあるのなら、精一杯足掻くしかない。

私:でも、もし、もしも、神様がいるのなら、どうか、助けてください。私の好きな人の時間をこれ以上奪わないでください。

私:・・・・・ふと、声が聞こえた。

私:懐かしい声だった。優しい声だった。切望した声だった。

0:久しぶりに発声したであろうその声は、かすれていた

君:「い、いいん、ちょ、う、って、な、き、むし、だよな」

私:「だ、だれの、せい、せいだと、おもってる、ですか」

君:「はは、お、れ、のせい、かな」

私:かすれた声が、それでもはっきりと私の耳に届く。

私:この日を、望まなかった日はない。求めなかった日はない。願わなかった日はない。

私:だから、私は君にずっと伝えたかった言葉を伝えた

0:潤む瞳で、震える声で、それでも、はっきりと伝えた

私:「おはようございます。寝坊しすぎですよ」

0:そして、時は流れ

君:「あーーーー、疲れたぁ。まさか病み上がりに映画の一気見させられるとは」

私:「何言っているんですか。まだ、終わってませんよ。次はスピンオフ作品です」

君:「嘘でしょ!?ちょ、もう休ませて」

私:「まったく、しょうがないですね」

君:「へいへいありがとうございます。ってか、委員長、相変わらず変なところで真面目だよね。別に一気見じゃなくてもいいじゃん」

私:「ふふ、忘れたんですか?

私:約束を破らない、それが真面目が取り柄な私の唯一の取り柄なんですよ」


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