黄昏時にアホ二人
C:なぁ、告白されるならどんなんがいい?
D:え、なに?遠回しに告ってる?
C:違うわ
D:じゃあ、なに。
C:超絶流行してる恋愛ドラマ観てる?
D:ああ、あれね。えっと、“乙女心はなんかいだ”だっけ?
C:そう、それ。高層マンションに住む男女の恋愛ドラマ。
C:クラス・・・といかネットでもだけど話題になってんの
D:話題?
C:この前告白シーンがあってさ、その影響でどんな告白されたいのかって感じの
D:だから、今日はクラスからピンクの波動を感じたのね。
C:何を感じ取ってんねん。
D:そーね。やっぱりあれじゃない?高級レストランとかで、夜景を見ながらパカってすんの
C:パカっね・・・・・結構ロマンチストな。
C:というか告白すっ飛ばしてプロポーズとはレベルが高けぇ
D:ばっ!そんなことないし!子供のころの夢がお嫁さんとか絶対違うから!!
C:勝手に自白した。
D:そ、そっちはどーなのよ。
C:ふっ、俺のは告白を想定しいるが、胸キュン間違いなしだぞ。
D:すでに残念臭がしているけど一応聞いてあげる。
C:スイーツ食べたい気分なんだけど、
D:え、なに、急に?
C:今日食べたいんだけど
D:はぁ、ご自由に
C:ダメかな
D:いや、勝手にどうぞ。
C:どうだ!?
D:え!なに!怖い!何が始まって何が終わったの!?
C:告白に決まってんじゃん!
D:どこら辺が!?スイーツ食べたいことしかわからないんだけど!?
C:よく思い出せよ!頭文字に注目!!
D:頭文字・・・まさか!?
C:そう!
C:スイーツ食べたいの、す!
C:今日食べたいの、き!
C:ダメかなの、だ!
C:つまり!好きだ!!
C:どうだ!いじらしいだろう!
D:だっさ!!というかわかりづらっ!!
C:おまっ、そんな、もうちょいオブラートにつつめよ!傷つくだろ!
D:ここはむしろ傷つけてでも現実を教えるべきでしょ!
C:え、まじ?そんなだめ?
D:だめです。
C:そっかー、だめかー・・・
D:そ、そんな落ち込まないでよ。
C:じゃあ、次!
D:まだあるの!?
C:友達と昼休みに考えたやつが山ほどあるぜ!
D:男子高校生が昼休みに考えた告白とか地雷臭しかしないんだけど・・
C:数うちゃ当たるの理論で手当たり次第だからな。
C:思い返すと周りの女子はドン引きしていたし、告白会議メンバー全員恋人いないけど
C:うん、期待してくれていいぞ!
D:どこら辺に!?
C:さぁ、いくぞー!!
D:聞いて!?
C:王道のラブレター!
D:あれ?意外とまとも・・・
C:だと、つまらないから伝書鳩!
D:じゃなかった!
C:石板、矢文という意見もあったけど、やっぱり好感度を上げるための動物の存在が決め手となって伝書鳩になりました!
D:紙でいいよ!下駄箱にそっとおいておいてよ!
C:え、下駄箱覗かれるとか嫌じゃない?
D:変なところで遠慮しないで!伝書鳩の方が対応に困るって!
C:うーん、だめか、次!
C:自作の歌で告白!
D:シンプルにダサい!
C:ちなみに、楽器を使える友達が誰もいなくて、使えたとしてもカスタネットぐらいだったので、最終的に木魚代わりにカスタネットでリズムを刻むお経方式です。
D:別に楽器はギターでよくない!?
C:リアル志向なんで
D:伝書鳩にリアルさあった?
C:友達の親戚がそういう仕事やってるんだって
D:まさかの展開来た
C:しかし、これもダメか、次こそは!
D:もうお腹いっぱいなんだけど
C:今までは、告白する方法を考えてたけど、次は、告白するシチュエーションに拘ってみました。
D:つまり?
C:卒業式とか花火大会とかそういう感じのイベント
D:おお、やればできるじゃん!そう!普通でいいんだよ!
C:は却下されて
D:なんで!?
C:そんなものは幻想だ。くだらない妄想なんかしてる場合じゃないとの意見でした。
D:今話してる話題が全てくだらない妄想な件について
C:結論、死ぬ直前がいいとなりました
D:あ、スルーされ・・・・死ぬ直前!?
D:え、なにがあった!?どうしてそうなった!?
C:さっきもいったけど、恋愛くそ雑魚野郎しか集まらなかったからだれ一人、そういうシチュエーションが出なくて
C:結局、死ぬ直前に告白したら一生忘れられないし、なんなら返事を聴く前に天に召されてしまえば振られることもなく、愛だけが残るということで
C:完璧じゃんということになりました。
D:トラウマしか残りませんけど!?え?馬鹿なの?
C:いや、これは激論に激論を重ね、時には河原で殴り合って友情を確かめ、屋上で思いを叫び、空港に恋人を迎えにいくというイベントを重ねた上での結論であって・・・
D:休み時間に考えたっていってたのにイベント起こりすぎでしょ、いつのまにか恋人出来てるし
D:話がガバガバすぎる。
C:だめかー。
D:だめです。
C:やっぱり、もうちょいロマンティックなのがお好みで?
D:さっきのやつ以外をロマンティックというならそうね。
C:じゃあさ、こういうのはどうよ?
D:ん?
C:シンプルにバラを一本を持って行って、好きですっていう
D:・・・・・・・・いい
C:あ、まじ?こういう感じでいいの?
D:そう!そういうのでいいよ!そういうシンプルさが大事!
C:ふーん、あ、そういえば渡したいものがあるんだけど
D:え、ちょ、まさか!いや、でも、この流れなら・・・
D:でも、まって、嬉しくないこともないけど、友達の関係が楽しいからこのままでいたいっていうか、あ、別に嫌いとかじゃ全然なくてね!
C:ほい、この前借りてた漫画。いやー、面白かった。
D:でも、そこまでいうなら・・・・漫画?
C:おすすめだって貸してくれたじゃん。少女漫画とか普段読まないけど意外と面白いな。
D:え、あ、うん。
C:特に、己を磨くためにヒロインが部活動に片っ端から挑む、部活破り編が好きだわ。あれは実質少年漫画でいいと思う。
D:あ、私もそこ好き・・・・じゃなくて、漫画!?
C:え、うん、漫画。あれ?借りたよな?
D:いや、貸したけど!違うじゃん!バラを出す流れだったじゃん!
C:え、バラ欲しかったん?
D:違うけどそう!
C:いや、流石にバラを買うのは男子高校生にはハードル高いって
D:それくらい乗り越えんかい!
C:あー、わかった。わかった。そのうち買ってくるから。
D:いや、別にほしいわけではないんだけど
C:どっちだよ!
D:乙女心は難解なんですぅ!