こもれびの一日
彼女:「あふ・・・・あれ、いない」
彼氏:「あ、起きた?ちょっとそのまま待ってて」
彼女:「え?なになに寝起きドッキリ?」
彼氏:「いや、この前映画見てたらさ、ベッドで朝食を食べるシーンがあって」
彼女:「やってみようって?」
彼氏:「そ、正解」
彼女:「ふーん、で、何を作ったの?」
彼氏:「ふっふっふ、パンケーキ」
彼女:「最高かよ」
彼氏:「何かける?マーガリン?ハチミツ?」
彼女:「ブルーベリージャム」
彼氏:「選択肢に用意してなかったんですが」
彼女:「冷蔵庫にあるよ」
彼氏:「え、いや、買った覚えがないんですけど
彼氏:・・・・あったわ、え、こわ」
彼女:「昨日、実家から送られてきた」
彼氏:「実家、ブルーベリー農家だっけ?」
彼女:「違うけど。多分、どっかのお土産」
彼氏:「ふーん。さ、食べよ」
彼女:「うーい、ありがと」
彼氏:「どういたしまして~」
彼女:「それじゃ」
彼氏・彼女:「「いただきます」」
0:食事が終る
彼女:「ごちそうさまでした」
彼氏:「あい、お粗末様でした」
彼女::「今日、どうする?」
彼氏:「溜まった家事を片付けます」
彼女:「ええ~」
彼氏:「文句言うじゃありません」
彼女:「でも、オカン」
彼氏:「誰がオカンじゃ」
彼女:「はぁ、えーと、風呂掃除と洗濯と買い出しかな、やること」
彼氏:「そだね」
彼女:「とりあえず、皿洗ってくる」
彼氏:「あ、お願い、じゃあ、俺は洗濯機回してくる」
彼女:「あいさー」
0:台所にて
彼女:「ねぇー!洗い物多くない?」
彼氏:「あー、昨日出来てなかったから、まぁ、ガンバ」
彼女:「せめて拭いてー」
彼氏:「はいはい」
0:洗いながら隣あって会話を始める
彼女:「そういえばさー」
彼氏:「んー?」
彼女:「この前、出かけようと思って玄関までいったけど、財布忘れたのに気が付いたの」
彼氏:「うん」
彼女:「財布を持ったと思ったら、スマホを忘れてるのに気が付いて」
彼氏:「うんうん」
彼女:「スマホも持って完璧だって、家を出たんだけど、そこでマスク忘れてることに気が付いて」
彼氏:「忘れすぎだろ」
彼女:「そーなんよ、自分でもヤバいって思った」
彼氏:「歳じゃね」
彼女:「二十代ですぅ」
彼氏:「かわいそうに、自分の歳も正確に言えないなんて」
彼女:「憐れみの目を向けないでもらえます?」
0:洗濯機が回り終わった音が聞こえる
彼氏:「お、洗濯が終ったな」
彼女:「おい、話を逸らすな」
0:洗濯物を一緒に干す
彼氏:「はいはい、それよりさー、俺、変な夢を見たんだよね」
彼女:「夢?」
彼氏:「異世界転生、いや、転移っていうのか?まぁ、そんな感じの夢」
彼女:「やば、主人公じゃん」
彼氏:「なんか、工事現場の猫を助けようとして鉄骨に頭潰されて死んでさ」
彼女:「え、死に方がエグくない?」
彼氏:「俺もそう思うけども、一旦置いといて、それで、神様っぽいのにあったんだよ」
彼女:「おー、王道だ。どんな神様だった。お爺さん系?美少女系?獣系?」
彼氏:「玉」
彼女:「ホワイ?」
彼氏:「球体、ボール、マリモ」
彼女:「いや、丸いのは分かったってば、え、なに、球体が喋るの?」
彼氏:「そ、めっちゃ不思議だった」
彼女:「いや、夢だから何言ってもあれだけどさ、そういう趣味だったの」
彼氏:「どんな趣味だよ」
彼女:「球体に欲情するタイプ?」
彼氏:「ハイレベルが過ぎるわ」
0:洗濯物を干し終わる
彼女:「はい、洗濯終わり」
彼氏:「お疲れさん」
彼女:「えーと、あとは風呂掃除と買い物か」
彼氏:「買い物は俺が行ってくるわ、風呂掃除お願い」
彼女:「イエッサー」
彼氏:「なんかほしいもんある?」
彼女:「あー、アイス食べたい」
彼氏:「了解、チョコ系でいい?」
彼女:「うん、ありがと」
彼氏:「んじゃ、前みたいにコケて濡れないようにな」
彼女:「もうそんなことないって、アイス賭けてもいいよ」
彼氏:「そのアイスを今から俺が買ってくるんだけどな。
彼氏:まぁいいや、行ってきます」
彼女:「いってらっしゃーい」
0:彼氏買い物へ、彼女は風呂掃除を始める
彼女:「さて、アイスもあるし頑張りますか
彼女:・・・というか、そんな何度も転ばな・・・ああ!なぜか都合よく石鹸の欠片が!?
彼女:うぅ、いたた・・・フラグ回収が早すぎる」
0:彼氏帰宅
彼氏:「ただいまー」
彼女:「お、おかえりー」
彼氏:「え、なに、何故にドアから半身なの?」
彼女:「ご、ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・も」
彼氏:「・・・・・・はぁーーーーーー」
彼女:「ちょ、なに、そのくそでか溜息!」
彼氏:「風呂場で速攻転んだけど、アイスは食べたいから、色仕掛けで胡麻化そうとしたな」
彼女:「状況把握が完璧すぎるんだが、私の彼氏」
彼氏:「全部把握したうえであえて言おう。賭けは絶対である!」
彼女:「そ、そんなぁ!」
彼氏:「ほい、荷物運んで冷蔵庫に詰めて」
彼女:「・・・・うぅ」
彼氏:「あー、そういえば、なんか安かったらチョコのロールケーキも買ったんだよな」
彼女:「え!」
彼氏:「ほら、さっさと片付けて食べようぜ」
彼女:「いえーい、愛してるー」
彼氏:「はいはい、愛してる愛してる」
彼女:「って、あれ?ビールなくない?」
彼氏:「あ、やべ、買い忘れた」
彼女:「もー、しょうがないなぁ、ちょっとコンビニで買ってくる」
彼氏:「いや、別に買いに行かなくても」
彼女:「私の彼氏なら覚えておきな、ビールは水だ」
彼氏:「そんなキリっとした顔で言われましても」
彼女:「水を飲まなければ人は死んでしまう」
彼氏:「麦茶ならあるぞ」
彼女:「人は死んでしまうのだ」
彼氏:「スルーすんな」
彼女:「というわけで、いってきます」
彼氏:「ちょっ、はぁ、いってらっしゃい」
0:彼女が家をでる
彼氏:「行っちゃったよ
彼氏:・・・まぁ、いっか、流石に疲れたしちょっと休もう」
0:彼女が帰ってくる
彼女:「ただいまー・・・あれ?お帰りがほしんですけどー」
彼氏:「すーすー」
彼女:「っと、ありゃ、寝てる」
0:彼氏の頭を起こさないように優しく撫でながら
彼女:「最近いろいろ頑張ってたもんねぇ。今日も朝からパンケーキ作ってくれたし
彼女:というか、子供みたいな寝顔しちゃって、
彼女:かわいいなぁ、こんちくしょうめ
彼女:ふぁー、なんか私も眠くなってきたし、寝ちゃお
彼女:・・・・・・・・・・・・・・・・・・にひひ、あー、幸せだなぁ」