五話 図書室
「誰かいますか?」
灯はゾンビがいる図書室に言い放つ。
そのことに反応したのかゾンビが襲いかかってくる。どうやらゾンビは一人しかいないようだ。
「えい」
灯は当然のごとくナイフでゾンビを倒す。
「倒したから出てこい」
俺はそう聞こえるように言う。
「え?」
灯はなんのこと分からなく?となる。
そうしていると女子生徒が出てくる。
眼鏡をかけて長髪で雰囲気も暗そうにしている。
「あ、ありがとうございます」
お礼をしてくる。
俺の予想通り隠れていたのだ。運よくテリトリーから逃れていたのだろうな。
「誰ですか?」
灯は名前を聞こうとする。
「わ、私は……」
気を失って倒れる。
「は?」
俺は思わず声を出す。
しかしこの反応が当たり前なのだ。ゾンビとはいえ人型だ。今頃だが結構グロイのだ。俺らは慣れてしまっているので驚きなどはなかったが普通はショックなどがあるはずだ。
それなら灯はすごいな。
「ここ安全だから状況を整理しよう」
俺は提案する。
倒れているから次に行こうでは見捨てているので心に訴えるものがあるのでできない。
「わかった私も賛成だわ」
灯も合意してくれたので近くの椅子に座ることにした。
まさか生存者が居たとはな。
てっきり下に逃げていると思っていたので上に居るのは珍しいな。
そうして起きるまで待つことにするのだった。