桜並木の道で
今年で創立50年となる空美高校
そんな節目の年に入学してきた二人。
この物語では、そんな二人に焦点をあてて二人の行く末を見届けようと思う。
俺、黒雲烏は今日から憧れの高校生に!
しかも、憧れのあの先輩と同じ高校に入学することができた!先輩と同じ高校に入るために俺がどれだけ死ぬほどつらい思いをしたか…
回想
「クロー?おめぇ、どこの高校行くんだ?」
そう突然肩に手をおいて聞いてきたのは俺の唯一の親友と言える仲の三溝 薪[みこう たきぎ]だ。
「あぁ?前にも言っただろ?俺は、先輩のいる高校に行くんだって!お前は何回言えばわかるんだよ!?」
俺は、コイツに何度も説明してるのになんなんだ?コイツは!?
「いや、でもクロ無理じゃん!まぁまぁ偏差値の高いあの高校に只の一般人の脳ミソを有しているならまだしも、お前の脳ミソの要領はミミズ以下だし。名前についてる烏の方がお前と学力勝負して余裕で勝つんじゃねぇかな?って、悲しいことに最近本気で、思ってきているよ。」
「へっ?ひどすぎへん?」
「でも、ほんとだろ?この前のテスト五教科何点だったか言ってみろよ?」
「えーと…国語が15点 算数が18点 英語が19で、社会と理科がそれぞれ18と21!」
「無理じゃん!そもそも数学のこと中3にもなってまだ、算数とか言ってるし。てかどうやってとるんだよ!?そんな点!逆にスゲーよ!」
「いや!誉めんなよ!照れるじゃんか!(///ω///)♪」
と、
「誉めてるわけないじゃん!?」
といいリアクションをしながら、教科書の角で俺をどついて話にはいってきたのは、幼馴染みのロングの黒髪がよく似合っている小鳥遊 雲雀[たかなし ひばり]だ。
コイツは運動も勉強もでき、なお容姿も整っている。欠点をあげるとすれば小さいおっp…いや、やめておこう
「あんた、今めちゃくちゃ失礼なこと考えてなかった?」
「え?い、いや?気のせいだと思うけど?」
何でわかるんだ?これが俗に言う幼馴染み力ってやつか…
「いや、でも!俺の点数はワシがみてきたなかで過去最低だ!って、担任の山田ですら誉めてくれてるんだぞ!」
「「だから、それ!誉めてないから!?」」
二人してまたも同じつっこみをしてくる。
いいツッコミをしてくれると気分がいい
「まぁ、あんたが馬鹿なことは仕方がないし、どーする?諦める?」
「えっ?なに?選択肢諦めるしかないの?」
「えーと、じゃあ①諦める ②諦める ③諦める ④賄賂 ⑤やっぱり諦める どれがいい?」
「賄賂で合格できたら苦労せんわ!」
「突っ込むとこ、そこなのね?」
そんな金どこにもねぇよ!
「そうだよ!さすがに雲雀ちゃんひどいよ!クロがかわいそう!」
おお!?
「やっぱりな!わかってくれてるんだよな?おまっ」
「①諦める ②全力で勉強したあげく諦める ③何も考えずに受験して落ちる どれがいい?」
「結局全部諦めてるんじゃねぇか!お前もかよ!?」
ろくなやつがいない!誰かー、誰かこの純情な私目に救済をー!
「おっほん!うーん、そうねぇ」
わざとらしく咳払いをして、雲雀は俺に向けて言ってきた
「ど、どうしても入学したいなら、仕方なく!嫌々私があんたに勉強教えてあげよるわよ?」
と、雲雀が言ってくる。
「えーと、そんなに嫌なら別にいいんだが?」
「は、はぁ?嫌なんていってないじゃない!」
「無茶苦茶言うなよ?言ったじゃん!」
コイツは何が言いたいんだ?
「で?どうするのよ?もし、教えて欲しいなら頭を垂れて土下座しなさい!い、嫌なら別にいいんだけどねっ!」
「はぁ?調子にのるのもいい加減にしないでいいのでどうかよろしくお願いいたします。」
といって、精一杯の気持ちをこめて素直に土下座して頼んだ。こうゆうときは素直になるに限る。
「なら、タキもお願いしろよ。雲雀の方が頭いいだろ?」
「あー、俺は無しで!チミたちの夫婦喧嘩みてるとこっちが火傷くらいそうだもん。勉強ぐらい集中させてちょ!」
「「夫婦じゃない!」」
「ほーら、息ぴったりー」
コイツ、ウザすぎる( -。-) =3
幼馴染みだからってこんなこと言われる雲雀の身にもなってみろよ。
「タキは、後で占めとくとして、じゃあ、改めて頼むわー雲雀!」
「そうね、薪君は後で占めとくとして、今日の放課後から図書室で二人っきりでみっちり教えてあげるわ!」
二人っきりのとこを強調して、仕方ないわねーとでも言いたそうに楽しそうに言う雲雀を見て何に喜んでいるかは知らんが
よくわからないまま、勉強を教えてもらった。
(そのあとタキは、校庭に埋めておいた)
そんなこんなでそれから毎日死ぬほど勉強させられ、家にまで教えにきてもらったりもしてなんとかかんとか無事憧れの先輩のいる空美高校に入学することができた。
回想終わり
「あいつ、なかなかスパルタだったよなー。
てか、タキも雲雀もどこの高校に行ったんだろ?」
ホントについでだが、埋めておいたタキが普通に次の日に学校に来たときは驚いた
桜並木の道の真ん中でそう思っていると
絵に書いたような金髪美少女が俺の目の前を通った
「ファっ?」
変な声がでた
手汗が止まらなくなってきた
急に胸が熱くなってきた
なんなんだ?これは?
あの子を見てから胸がドキドキする
くっ、苦しい…病気?そんな訳がない
さっきまで元気だったし!
「あの?大丈夫ですか?」
「あ!え、えーと、だ、だ、大丈夫です。」
太陽に照らされて光る金髪と瞳に目を奪われながらも、なんとかそう俺は、答えた。
「あら、そうですか?そんなとこにずっとおられたら入学式に遅れてしまいますよ?」
といい、他にも何か喋っていたが、緊張で口が固まり何を言っていたのかあまり覚えていない
俺は、彼女が立ち去ったあともその場で数分立ち尽くし、発作のような今の体の状況の原因を考えていた。
すると…
「なにしてんだ?クロ?入学式遅れちまうよ?」
「へ?いや、急に胸が…って、え?」
聞き覚えのある声の主の方に顔を向けるとそこにはタキがいた
「えっ?なんで?」
なんで?タキが?
「いやな?クロ一人だと死ぬじゃん?」
「死なんわ!」
お前は俺をウサギかなんかと間違えているのか?
「そう、思って俺もここに入学してきた訳。いわゆるサプラーイズって感じかな?」
「なんで、教えてくれなかったんだよ!ビビるだろうが!」
と、言葉にはしていてもめちゃくちゃ嬉しい!どんだけいいやつなんだよ!コイツは!
「いや、秘密にしようって言ってきたからさ」
「へ?誰が?」
「あー、そうか、こんなこと言う人一人しかおらんと思うがクロにゃわからんか。じゃあ、目瞑って?」
困惑しながらも俺は、目を瞑った。すると…
誰かの手が俺の目を覆ったのがわかった
「だーれだ?」
「えっ?その声って?雲雀?」
「せいかーい!」
そこには、この高校の制服に身を包んだ雲雀がいた。
「ワッツハップン?」
俺は、覚えたてのぎこちない英語で今までの胸のドキドキと驚きを表した。
頭は、あの子にあった時点で、とっくにショートしていた。