水族館へおでかけ
「わー綺麗ですねー」
俺達は水族館に着き、魚たちが俺達の上を華麗に泳いでいる。
「おにぃー、水族館来るの久しぶりだよねー?」
「ん?そうだな。前に来たの俺達が小学生の時だったしな」
小学生の時は時間あったし親が休みの時連れて行ってくれたけど、中学の時部活で時間がなかったし、高校入ってからは両親は海外赴任で連れてってもらうということすらなくなってからなー
特に俺に、
ー私達、海外赴任になっちゃったから可憐のことよろしくね?頼れるのあんただけだしねー と言って行ってしまった。
「そうそう♪だからおにぃが連れてってくれて結構嬉しいんだよ?」
二ヒヒと笑っている妹はほんとに嬉しそうで水槽の中にいる魚たちをマジマジと見つめていた。
「むー、せんぱい!私にも構ってくださいよー!」
そう言うと、わーきゃーと喚く。
「なんだよ」
素っ気なく返してみた。
「私にも構ってくださいと言ってるんですぅー!」
それでもかまってかまってちゃんは言ってきたので
「別に放置してた訳じゃないだろ?それに可憐がいるじゃねぇか話し相手なら」
別に変なことではない。同性同士の方が話しやすいと思う。
「確かに可憐ちゃんと話しててたのしいですけど、私はせんぱいと話したいんですよ」
ドキッとしてしまった。絶対言わないが。性格はあれでも可愛いためしかも私服姿の後輩は水族館にいる男達の注目を浴びていた。あっ、彼女さんに蹴られてる人もいるわ。
「そ、そうかよ。別に今じゃなくても話せるだろ?」
「そうですけどーそうなんですけどー!」
うー!と唸っている後輩を連れて水族館内を歩いていく。ジンベイザメがいる水槽をみたり、イワシの群れを見たりと
「ねぇねぇおにぃ!美菜さん!ペンギンショーがあるらしいよ!触れ合いも!」
ペンギンショーの看板を見たのか可憐は興奮気味で俺達の手を引っ張っていく。
「お、おい。あんまり引っ張るなよ、転けるかもしれないだろ」
急に引っ張られて転けそうになった鈴木を支えて俺は可憐に言った。
「う、ごめんなさい。美菜さんも」
走り出すのやめて俺達に謝る可憐
「分かったならいいよ。次からは気おつけろよ?」
ポンポンと頭を撫でて可憐を宥めた。
「ん、ごめんおにぃ」
そう言って可憐は俺の手を掴んで
「もっと撫でて....おにぃにこうされるの久しぶりだから.......んっ.......」
素直に撫でてやるが、なぜ色っぽい声を出す!?一部の男性達が前かがみになってるじゃねぇか!
「ちょっとせんぱい!?助けてくれたのはありがたいですけど何やってるんですか!? 私撫でられたことないのに.......」
手で支えていた後輩が暴れ出す。てか最後なんて言った?小さすぎて聞こえんかったわ。
「何って頭撫でてるだけじゃねぇか」
可憐の頭を撫でてるだけなんだかなと思いつつも、可憐は未だに手を離さない。
「頭撫でてるだけ!?可憐ちゃん女の子がしちゃいけないような顔になってますけど!?」
なんでこんなに興奮してんだ?と思って可憐の方を見ると.......とろんとした目で少し顔が赤みを帯びていた。
「か、可憐!?」
俺は無理やり手を離して、可憐の方を見る。
「あっ、おにぃ.......」
寂しそうな声でこっちを見ていた。とろんした目のままで。
「わ、悪い可憐。忘れてた.......」
中学の時だったか.......俺は中一で可憐がまだ小五の時、雷が怖くて頭を撫でてやっていた時も可憐は少し顔を赤くさせていたことを思い出した。あの時はまだ照れているだけと思っていだが、今回の反応を見て少し考えてしまった。
「いい....けどもっと撫でて?」
そう言ってまた手を取ろうとする可憐を止めて人が見てるからと言って落ち着かせた。
「全くーびっくりしましたよーせんぱい。まさか可憐ちゃんがせんぱいの撫で撫でで感じるなんて」
ちょっ、なんて事言ってんだこの後輩は!?
「うぅ、だってぇおにぃのなでなで気持ちいいんだもん.......美菜さんだっておにぃに撫でられたから絶対になるから!おにぃの撫で撫では女を落とすから!」
うぉぉい!?なんて事を大声で言ってんだ!?
「可憐声でけぇよ!」
周りの人達が俺に哀れみの目を向けていた。
「可憐も鈴木も一旦ここ離れるぞ」
2人の手を引っ張ってその場を後にする。
「ったく、お前ら.......なんて事を大声で言ってんだ」
お説教程ではないがさすがにさっきのはないと思ったから言っておく。
「うぅごめんなさい」
「ごめんなさいせんぱい.......」
しょんぼりとしているな.......ったくほんとにこいつらは、仕方ねぇか
「はぁ....まぁ俺も忘れて撫でてたのもあるし、良いけどよ気おつけろよ?特に人が多い所での会話はな」
家だからいいってものではないが、人が多い所でのあの発言はやばい
「は、はいぃ....」
「全く....楽しみにここに来たんだから.......ってペンギンショーまで時間ねぇな。さっさと行くぞ今のは忘れて楽しむぞ」
慰めではないが、やはり楽しむしかない。そう思って2人に手を差し出してペンギンショーのある所まで行く。
場所につくと既にペンギンショーが始まっていて、飼育員さんがペンギンに餌を上げている所だった。
「間に合ったか.......ほら元気出せよ。そのお前らが静かだとさすがに俺も気まずいんだが?」
言い方が悪かったな.......
「ん、おにぃ.......手繋いで.......」
明らかに元気がない可憐が手を握ってと言うので仕方なく握ってあげる。
「ん?触れ合いができるんだったな。どうだ2人ともしに行くだろ?」
2人の手を握ったまま、列に並ぶ。
「その、怒ったのは悪かったが、さすがに静かすぎて俺が気まずいんだけど?」
鈴木が顔を上げて言った
「その、せんぱいとおでかけで浮かれてたんです。それではしゃぎすぎちゃって」
しょんぼりとしながらも鈴木は話してくれる。
「別にいいだろはしゃいだって。はしゃぎすぎはさすがにと思うが。それにしょんぼりしたままのお前を俺は見たくないな。」
「そうですか.......ありがとうございますせんぱい」
そう言って俺たちの番になり、ペンギンを触りに行く.......
「せんぱい!せんぱい!見てくださいよ!めっちゃ可愛いですよ」
心配した俺の気持ちを返してくれ! まぁ、元気になったしいいか。
「せんぱい!」
俺を呼んだ後輩はさっきまでしょんぼりしていた顔と違いいい笑顔をしていた。
「おにぃ!ほんとに可愛いよ!持って帰っていいかな!?」
こいつもこいつで元気になったな.......って
「ダメだろ」
持って帰るとか馬鹿な事を言い出している。
「ちぇーだめかー」
普通にダメだろ.......水族館のペンギン持って帰るやつとか見たことも聞いたこともねぇぞ。
「あははー可憐ちゃんおもしろい、持って帰れるわけないじゃん」
とにかく元気になって良かったわ。いつもうるさい2人があんなに静かになるとは俺も思ってなかったからな。
「あー可愛かったー。ねーせんぱい!私もペンギン飼いたいです」
「無理だろ、そもそもどこで飼うんだよ」
「んー?せんぱいのお家?」
「馬鹿か。飼いたいと言って責任は押し付けか!?」
ほんとにこの後輩は何言ってんだ
「そうですね!そしたら私可愛がりに行くだけで済みますね!」
「ふざけんな、そもそも飼えるわけないだろ」
ペンギンって飼えるのか?という疑問がでるがそんな疑問は可憐に寄って砕かれた。
「ねぇ、おにぃーショップに寄りたーい」
寄りたいのか、元々寄る予定だったし行くか。
「元々行く予定だし今から行くか?」
「うん!行く!」
俺達は水族館の入口近くにあるショップに来た。
「ねぇおにぃ!これ可愛くない?」
そう言って見せてきたのはイルカのストラップだった。ピンクとブルーの2種類あるっぽい。
「むー、せんぱい!これも可愛くないですかっ!」
次にみせてきたのはチンアナゴ柄のハンカチだ。ちなみにこちらも2種類の色があるらしい。
「どちらも可愛いけど何故俺にみせてくる」
なぜ俺にみせてくるのだろう。可愛いのは分かるがみせてくる必要は無いのでは?置いてあるし商品。
「むー、可憐ちゃんそんなにお兄ちゃんと一緒がいいんですかー?」
「そう言う、美菜さんもおにぃとお揃っちにしようとしてるじゃん」
2人が何か言いあっている。まぁ、可憐は女友達が少ない、からっと言って男友達が多い訳でもないらしい。むしろ1人もいないんじゃないかと言っていたな。まぁ、鈴木と歳が近いし可憐にとってもいい関係になってくれるだろう。
そんなことを考えているとある商品が目に付いた。
「2人とも買いたいものは買えたか?」
俺先に買い終わってしまったので外に出て2人を待っていた。
「はい、ってせんぱいも買ったんですね。意外です」
「別に買ったりするぞ?」
「えー?おにぃ買うの珍しいじゃん」
おい、余計なことを。
「別にいいだろ俺が買ったって。てかほら2人にやるよこれ」
そう言って俺は2つの袋を2人に渡した。
「これってペンギンのぬいぐるみ?ですか?」
「かわいいー」
「あぁ、ペンギンを飼うのは無理だけどこれなら買えるだろ?まぁ生きてはないが。お気に召さなかったか?」
「いいえ、すごく嬉しいです.......!」
鈴木は、ぬいぐるみを袋から出して抱きめしてる。喜んでくれてよかったよ。
「わーおにぃありがと!大事にするよ!」
こっちも喜んでくれてるみたいだな。
「ならよかったよ」
「はい、じゃあ次は私の番です。せんぱいこれどうぞ」
「あー!美菜さんずるい!はい!おにぃ!」
2人から渡されたのは、チンアナゴのハンカチと、イルカのストラップか。さっき見てたのを買って来たのか。
「ありがとな。大事にするよ」
「へーせんぱいってお礼言えたんですね」
失礼だな!
「失礼すぎない?君。俺だって礼ぐらいは言えるわ」
ほんとに失礼だわ。
「ん?ってお前らも同じの買ったのか」
2人の袋には俺が貰ったものと同じものが入っていた.......色違いの。女の子らしい色をしている。
「美菜さんはねーおにぃとお揃いにしたかったんだよー」
「それ、可憐ちゃんもでしょ!」
んーなんとも言えんが仲良くはなっているのか。分からんが。
「え?なにお揃いなのか」
別に嫌ではない。むしろ嬉しいだろう。鈴木は言わずとも可愛い部類だ。可憐も妹だか可愛い部類に入っていると思う。そんな2人とお揃いなのが嫌だと思うほど俺は男としての感性を捨ててはいない。
「もしかして嫌でしたか?」
「いや、嫌じゃねぇよ。むしろ嬉しい方だわ」
「そうですか!嬉しいんですね!」
なんかまた悪いこと考えてんなこれは。
「せんぱい!私とおそろっちが嬉しいなんて可愛いですね!」
でたウザモード
「でたよウザイやつ」
「なんですかーウザイってー!返してもらいますよー!?」
٩(๑`^´๑)۶ムキー!!!となっている後輩をほんとに置いていかない程度で置いてく。 後ろで待ってくださいよー!という声が聞こえている。
「おにぃ」
「ん?なんだ」
急に可憐が話しかけてきた。
「今日はありがと。途中迷惑かけたけど楽しかった!」
「そうか、ならいいぞ。」
「その.......また撫でてくれる?」
「まぁ.......撫でてはやるよ」
「ん、ありがと」
「あーずるい!私だってせんぱいに撫でられたいのにー!」
こうして色々あったが、行き同様帰りも騒がしくされど楽しく家に帰る。
「あ、そうだー。美菜さん」
可憐が鈴木に何か話していた。
「なに?可憐ちゃん」
「今日泊まっていきませんか?」
はい、前の投稿から時間が結構空いています、その間に別の小説書いちゃったり、続きを書かなかったのは主人公をとある人物に似てると言われて似せてもないのに言われて少し悔しくて書く気が起きませんでした。そんな状況を知らず、待っていてくださった皆様申し訳ございません!悔しい気持ちを胸に逆にやる気に変えております。彼女達はプリセンスもそうですがこちらのウザ可愛もよろしくお願いします!