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7話 いざギルドへ

「さて……これからどうするんだ?」


僕達は銭湯を出て、大通りを歩いている。この世界に召喚されたのはいいけど、何をすれば良いか聞いていない。今後のためにも決めておいた方がいいだろう。


「ん〜……とりあえず、ギルドに行きましょう」

「ギルド?」


そういえば、ルミとスミラスが“ギルマス”という単語を言っていた気が……。この世界にはそんな物が存在しているのか……。ということは、モンスターとかも……?


「なぁ……、もしかしてこの世界モンスターとか魔物とかいる感じ……?」

「もちろんいますよ〜!私たちの大事な仕事なんですから!」

「仕事って……」


もしかしたら、いや……もしかしなくても、今後モンスターと戦う気がする……。僕はさっきまで普通の高校生だったんだ。モンスターと戦えるわけない。なのでーー


「じゃあ、僕はミルカが仕事で帰って来るのを、飯作って待ってるから」

「何言っているんですか……?」


あ、やばい。すごい冷たい目で見られている。


「とにかく、ギルドに行って、冒険者登録をしますよ!」

「ちょっ!?引っ張るなっ!!」


力強く引っ張られ、僕はなすがままに引きづられて行った……。


◇ ◇ ◇


「でかっ……」


場所は国の中心部。明らかに他の建物よりも大きく、存在感を発しているドーム状の建物の前にいる。入り口はいくつかに分けれておおり、混雑を無くすようにしているらしい。ここは特に人通りが多く、鎧や防具を着ている人達が出入りしていた。


「さっ、こっちがギルド受付ですよ!」

「やっぱ、登録しないとダメか?」

「ダメです」


有無を言わせない言いように、僕は静かに従う事しか出来なかった……。僕達はギルドの門をくぐり、受付のお姉さんのところに行くと、綺麗な受付嬢が座っていた。


「ギルドへようこそ!新規の方ですか?新規の方であれば、こちらの書類に記入をお願いします!」


凄く笑顔が眩しくて、クラクラしてしまった……。これが本場の受付嬢か……!なんて思っていたら、ミルカが少し頬を膨らませていた。何これ、凄く可愛いんだけど。


「……早く登録しますよ」

「あれ?何か怒ってる?」

「怒ってません」


依然に不機嫌なミルカをなだめながら、書類に必要事項を書いた。まぁ、名前とか基本情報だけだったけど。でも、僕はこの世界の字をかけないのに気づき、ミルカに書いてもらった。僕がミルカに頼った時、少しだけミルカは嬉しそうに見えたのは気のせいだろうか?


「では、次にこちらに手を置いて置いてください」


そう言って出してきたのが、何かのパネルのような物だった。スマホのようなと言った方が分かりやすいだろうか?


「これは……?」

「こちらは魔力の量を調べる道具です。皆様全員にやって貰っているんですよ」


魔力か……。この世界にはそんな物まであるんだな……。まぁ、ミルカが僕を召喚した時点で分かっていた事だけど……。僕にも魔力ってあるのか……?


「僕からやってもいい?」

「分かりました!」


僕は魔力を調べる道具に手を置く。すると、僕の手を中心に幾何学的な模様が浮き出て、強く光りだした。


「何なの!?この光の量は……!?」


何故か僕の魔力の量を見て、周りが騒然としている。何?これってそんなに凄い事なの?判定が分からないから、自分ではどうなのか分からないんだけど……。


「尚人さん……これって凄い事なんですよ……?普通なら豆電球ぐらいで、魔法使いの人でも、火の光くらいなんです……」


ミルカも若干戸惑いながらも解説してくれた。なるほど……、僕のは普通より強い光だったから驚いているのか……。って、僕、そんなに魔力持ってたの……?


「とりあえず、ミルカもしてみよ?」

「えっ?あっ、はい!」


そう言うと、ミルカも道具に手を置く。すると、僕同様に幾何学的な模様がミルカの手を中心に浮き出て、光りだす。しかし、光は僕のよりは小さく、火の光くらいだった。


「ミルカは魔法使いなのか?」

「いえ、強いて言うなら召喚師ですね。召喚師も魔力を凄く使うので、魔力量が多いんです」

「なるほどな〜……」


僕が感心していると、ミルカが、尚人さんには敵いませんけど……と少し拗ねていた。でも、謝りながら頭を撫でたら、気持ち良ささそうに目を細めていた。機嫌が直ったと思ったら、いきなり顔を真っ赤にして俯いてしまった。どうしたんだ?


「そういうのは、他でやってください……」


そんな様子を見ていた受付嬢が、苦笑いしながら言った。何を言っているんだ?しかし、ミルカは言葉の意味がわかったようで、さらに顔を赤らめていた。ときどき「うぅ〜……」と唸っているのが、可愛いと思ってしまった。


「では、お二人には、このギルドカードを渡しておきますね。これでギルドの依頼を受けることができます」


受付嬢はそう言いながら、金色のカードを渡した。カード自体には何も書かれていなかったが、カードを軽く押すと、メニュー画面が3Dのように飛び出してきた。


「これは凄いな……」

「そうですね……」


思わずポツリと呟くと、ミルカも便乗してきた。何気なく顔を見合わせて、お互いクスリと笑った。こうして僕達は、ギルドカードを手に入れ、ギルドの依頼を受けれることになった。





お読み頂いて、ありがとうございました!

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