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1話 性別不明

こんにちは!とうです!新しい作品です!少しでも面白いと思ってくださったら、ブクマや評価、感想、レビューをお願いします!

「ようこそ!あなたが初めての召喚者です!」

「…………は?」


目の前にいる女の子が笑顔で明るく話す。金髪のロングで、出るとことは出ている美少女だ。一瞬、外国人かと思ったけど、この女の子の目が、どこまでも燃え続ける太陽のような澄んだ赤色の瞳だったのだ。服装は、少し露出が高く、緑を基調とするドレスだ。


「……?どうかされたのですか?」


女の子が不思議そうにこちらを覗き込む。いや、これが普通の反応だと思う。ゲームを買いに店に行こうとしたら、突然魔法陣らしきものが現れて、気がつけばここにいた。本当に一瞬の事だったから、まだ僕の脳が処理し切れていない。


「おーい、おーい」


フリーズしている僕の顔の前で手をヒラヒラさせている。そんな事も気にも止めず辺りを見渡すと、ここが薄暗い部屋だという事が分かった。どうやら僕達はその中心にいるらしい。

なるほどなるほど……。僕は、この状況である可能性を理解した。


「夢か。おやすみ」

「いやいやいや!!」


そっと眠りにつこうとする僕をみて、女の子が慌ててそれを阻止する。なんだよ、僕はもう一度寝て現実に戻るんだ、邪魔しないでくれ。


「何さらっと寝ようとしているんですか!?あなたを召喚するの結構大変だったんですよ!?」

「知らない」


女の子の主張を無残にも切り捨てた。僕の一刀両断に女の子はショックを受けたのか、少しだけ涙目になっていた。


「ぐぬぬっ……!分かりました……そこまで言うなら、ここが夢でないと言う事を証明してあげます……!」


女の子は手をワキワキさせ、こちらににじり寄ってきた。わぉっ、痴女がいる。貞操の危機だ。どうするのかと眺めていたら、数分経っても手をワキワキさせているだけ。


「……どうして良いか分からないなら、やらなきゃいいじゃん」

「うぅ〜……」


顔を真っ赤にして、またもや泣き目になっている。これじゃ僕が虐めているみたいじゃないか。僕は何もしていない。無罪だ。


「コホンッ……、気をとり直して……私の名前はルース・シャリディア=ミルカと申します。ミルカとお呼びください」


僕を召喚した少女ーーミルカは自己紹介をし、今の現状を説明した。


「今、我が国での犯罪が多くなってきているのです。理由は、王家消失……我が国の王女が病に倒れ亡くなってしまい、今王女がいない状況にあるのです……」


なるほどね、王女がいなくて、この国を治めてくれる人がいなくて、犯罪を抑制できていないって事か。


「それって、王女の姉妹や、娘に譲れば良いんじゃねぇの?」


その代の王女が亡くなってしまったなら次の代の人が王女になれば良い、簡単な話だ。しかし、ミルカの表情は暗いままだった。


「それが……出来ないのです……」

「出来ない?」


夫がいなくて、子供を産めなかったとか?でも、こういう時のために政略結婚とかするもんじゃないの?あまり政治には詳しくないから何とも言えないけど。


「この国は、男禁制の国なのです」

「は……?」


そもそも男がいなかった。夫が出来なかったとか、そんな生温い話じゃない。そもそも男がこの国に存在していないのだ。それだったら、子供ができないというのも納得できる。


「でもよかったです!」

「ん?何が?」


ミルカは手をポンっと合わせ、嬉しそうに微笑む。何か良いことでもあったのだろうか?


「あなたが女の子で本当に良かったです!」

「………え?」


何言っているんだこの子は。確かにたまに女子に間違えられるけど……。たまに男子から告白されるけど……!僕はれっきとした男だ。とりあえず、誤解を解いとかないと。


「ねぇ、僕はおとーー」

「もしあなたが男だったら、この国の法律で私達打ち首でしたよ〜」

「…………」


ちょっと待って。え?男だったら殺されちゃうの?誤解を解きにくくなったんだけど……。てか、誤解解いたら僕達殺されちゃうんだよな……。


「どうかなさいましたか?」

「い、いや……なんでもないよ……」


とりあえず、性別のことは隠しておかないと……。幸いにも、服装はパーカーだから体のラインは隠せているはずだ。


「まぁ、こんなところで話しているのも何ですから、まず私の家に来てください!」

「いや、僕は……」


この子の家に行ったら、万が一にも僕が男だという事がバレてしまうかもしれない。それに、いくらパーカーで体のラインを隠せても、この子の服装を見る限り、この世界にパーカーは存在しないだろう。こんな目立つ格好だったら、余計目立ってしまう……。


「僕はいいよ……。こんな目立つ服装で街歩きたくないし」

「ふむ……そういう事なら……」


僕の意見を聞いたミルカは後ろに置いてあったバックをゴソゴソと漁っている。そして、お目当てのものが見つかったのか何かを取り出す。でもそれは、僕を呆けさせるには十分な物だった。


「……一応どういうつもりか聞いていいかな?」

「へ?どういうつもりって……」


「このドレスをあなたに着てもらおうと思って……」


ミルカが手に持っているものは、ミルカが今着ているドレスの青バージョンといった物だった……。






お読みくださり、ありがとうございました!

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