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第33話︰砂漠の国で、御用心!?




 アストリナム王国から南西の土地、その国の名前はドライドアッド王国。

 国の8割りを広野砂漠に包まれて、数少ない木々のあるオアシスに町や都を作って暮らしている国だ。

 住人は砂に囲まれた土地柄、水を大事にする民族性を持つ砂漠の民が住む。

 そんな広野砂漠の国、ドライドアッド王国の端、ドライドアッド王国の入り口の町テタリスでヒイロは何故かまた牢屋へと入れられていた。



「何故だ…」


「何故だじゃねぇよ坊主」



 何故に町に着いてそうそう牢屋に入れられる事となってしまったのかとヒイロは顔を伏せて、疑問の声を上げる。

 それに対して、返事を返すのは牢番の男で、立派な髭を蓄えた年老いた男であった。



「お前さんが、この町の噴水の水を勝手に飲んだからじゃろうが」



「そ、そんな事で?!」



「そんな事とはなんだ!! この国では水は命の母、それを無断で触れるなど言語道断じゃ!!」



 ヒイロの迂闊な発言に気分を悪くした牢番の男は眉をしかめて、大きな声でヒイロを非難する。



「まぁ、ここはドライドアッド王国入り口の町で着いたばかりの旅人によくあることだから、町の人々も、またかという印象だが」



「あ、そうんなんだ」



「だが、もっと、国の奥の厳しい町では死罪もあり得た話じゃぞ」



「ひ、そ、そぅなぁんだぁ~…」



 アストリナム王国から歩き歩いて広野砂漠に入ってしまったヒイロは、まだ、持ち水があるから大丈夫だろうと(たか)()くって、とりあえず、西に向かうべきだと足を踏み入れた。

 だが、それが間違いだった。

 地図上では、砂漠に入って直ぐにこのドライドアッド王国入り口の町テタリスへ着く手筈だった。

 しかし、ここで旅慣れしていないヒイロの地図読みの才能の不足が顕著に出てしまって、見れば見渡す限り同じ光景である荒野砂漠にてヒイロは迷いに迷ってしまったのである。

 まず、目印になるものなど何も無く。また、地図上から見ただけの印象で近くと考えていたが、実際は実寸大にすればかなりの距離になると分かる事なのだが、ヒイロはそれに気付く事無く、もう少しもう少しと砂漠の中を宛どもなくさ迷い歩いたのである。

 結論は荒野砂漠にて一巻の終わりである、脱水症状。ぐたりと自生する砂漠に強い小高い木々の影に隠れながら、倒れ込み、動けずになってしまったのだった。

 もし、その時にこのテタリスの町に向かう商隊の一団に見つかり、助け出されなければ、今頃、ヒイロは荒野砂漠に転がる何かの動物の骨の仲間となっていた事は間違いなかったであろう。

 だが、その幸運にも関わらず、テタリスの町に着いて、綺麗な噴水に、その清らかな水に、ちょうど喉が渇れていたヒイロは、どうせ、旅の醍醐味だと生水で有ることも気にせずにそれを手ですくい口に運んだのである。


 が、それが悪かった。

 直ぐにそれを町の住人に見咎められて、即行で町の兵士に通報されて、身柄を確保されたのであった。



「全く、まぁ、ラグラッタ商隊の隊長であるラルーフ氏からも穏便にと話が来ている。お前さんはとりあえず、二、三日ほどここの牢屋で過ごしておれば、後は無罪放免じゃ、安心せい」



「そ、そうなんですね。よ、良かったぁ~」



 二、三日の牢屋での謹慎で無罪放免となるのであればとヒイロその量刑の軽さに一安心する。



(しかし、ラグラッタ商隊のラルーフさんか…ありがとうごさいます)



 砂漠で行き倒れになっていたヒイロを助けたのがラグラッタ商隊であり、その隊長のラルーフはヒイロもその折に知り合いとなった人物である。日に焼けた好好爺といったお爺さんだが、その手腕はやはり、商人の長といった物だとヒイロは彼に感謝し、その素早い対応に感嘆したのだった。



「ほう、ここにその様な不届き者が」



「はい、そうなのです。しかし、この入り口の町テタリスではまだこの国の事に対して右も左も分からない旅人が多く訪れます。なので、一々それで命を取っていては切りがありませんし、禍根を残します」



「それはそうであろうな」



「はい。なので、この町では捕らえ次第に反省をするまで牢屋に入れているのでございます」



「なるほどな」



 すると、ヒイロが居る牢屋の向こう側から話し声が聞こえてくる。そして、話し声は段々と近付いてきて、遂にはヒイロの入るに牢屋にまで、やって来たではないか。



「しかし、貴女様がこのような所まで見なくとも」


「いや、牢屋に捕まる罪人を見るというのも、また、一興だ」


「さようですか」



 現れたのは中年の男と若い女性。

 男は女性に、終始、下手に出ており、その女性が貴人である事を伺わせる。



「ほう、少年。君がその犯罪者か」



 その貴人の女性は黒の軍服調の服に身を包み、腕を組ながら、その肩口に切り揃えた赤紫色の髪の毛を靡かせていた。



「あの、すみません。知らなかったんです。いまは、反省してます」



「ほう、殊勝だな」



 貴人に逆らうべからず。

 女性の付き添いの男を見習ってヒイロも彼女に下手に出て、へりくだる様にして頭を下げる。



「顔を上げて、よく見せてくれ」



「は? はい」



「ふむ、黒目黒髪か」



 切れ長な目の朱色の瞳がヒイロの姿を捕らえる。そして、その白い肌と整った目鼻立ちの女性に見られてヒイロは顔を赤くする。



「おや? 私の姿に魅了されてしまったかな?」


「は、いへ、あのっ…」



「ふふふ、初々しい反応だ」



 ヒイロのその反応に気分を良くした貴人の女性は、腕組みをしながらその手を己の頬に当てて満足そうに微笑む。



「町長、彼はもう出せないのか」



 すると、貴人の女性はまさに貴人らしく尊大に町長と呼ばれた付き添いの男にその様な事を言い放つ。



「そ、それは」



 それに困ったのは町長と呼ばれた付き添いの男だ。ヒイロは今朝方に捕まったばかりで、まだ、対外的にも町の治安部隊が反省を促したとして数日は牢屋で過ごさせなければならない。

 それを一日も経たず、牢屋から解放するとなると良くない前例が出来上がってしまう。かといって、目の前の貴人の女性の要望に答えないというのもテタリスの町的には良くない判断で、彼はその両方の板挟みに苦悩の表情を見せる。



「貴人様よ、それはならんのじゃ。いくら、貴女様が偉くても水は命の母。それを気安げに軽くあしらったこの坊主を一日も経たずして簡単には解放するなんて事はあってはならないんですじゃ」



 そこに先ほどから黙って三人の話を聞いていた牢番の男がそれは駄目な事だと町長の代わりに否の声を上げる。



「なるほど、それはそうか」



 それに赤紫色の髪の毛の貴人の女性は、特に気分を害した様子もなくすんなりと自分の言葉を取り下げた。

 それに冷や汗を掻きながら、よくやったと町長は牢屋の男に親指を立ち上げそうになる。



「それでは、町長」



「ひゃ、はい!」



「彼の身元引き受け人には私がなろう。彼が牢から出る日が来たならば、私に教えてくれ」



「え、ちょっ、なんで!?」



「はい!! わかりましたでございます!!」



「て、おぉーいっ!?」



 突然の女性の申し出に驚き、異を唱え様とするヒイロだが、それも町長の大きな声で遮られて、言うことが出来ない。



「ふふ、まぁ、悪い様にはしない。では、またな、少年」


「え、いえ、あの!」



「良いから、この話、素直に受けておきなさい!! いいね!?」



「う、うぇ~い?」



 言うことだけ行って去っていく貴人の女性。

 それを引き留めようと声を上げるヒイロだが、またもや、町長の大きな声でそれは遮られて、更には町長がヒイロに念押しで、身元引き受け人の話を聞いて置けと彼に圧をかけて、去り行く貴人の女性を追い掛けてゆく。



「え、えぇぇえっ…」



「災難だったな、坊主。だが、考えようによっちゃあ、悪い話じゃない。あの貴人の御方はかなりの上位の御方と見た。その方に見受けされるのだ、これは幸運のなにものでもないぞ!」



「いや、えぇぇえっ…」



 これまでの経験上、それが良い結果に繋がらないであろう事はヒイロも学習済みだった。

 やっと、あの桃色髪の少女改めて、白銀の髪の少女カレンから逃げ仰せたというのに、今度はここで赤紫色の女性に捕まってしまうなんて、御免である。



「うーん、なぁ、なんとかならねぇかなぁ」



 なので、牢番の老人にどうにかならないのかとヒイロは聞いた。



「なんでぇ、あんな美人に言い寄られて、嫌がるなんて、おめぇも変な奴じゃなぁ?」



 それを聞いて牢番の老人は、ヒイロの本当に嫌がっている様子に心底、不思議そうにしながらも、ならば、あの貴人の女性にはヒイロが牢屋から出る一日後に使いを出すと約束してくれた。

 それに安堵したヒイロは、ようやく胸を撫で下ろして、牢屋に敷かれる藁の敷物に横になり、牢屋から出れる日にちを待とうと眠るのであった。



(これ以上の厄介事は御免だぜ)



 そう思いながらも、微睡みに身を任せて寝入るヒイロではあったが、その翌日に思わぬ人物が牢屋で過ごす彼の元に現れる。

それは、



「やぁ! ヒイロ君、久しぶりだね!」



 黄色の髪の毛を短く刈り上げたイケメン貴公子こと、ロックウォード=ヴァン=ブリフナルト、その人であった。



「な、なんでお前がっ!?」



 彼の登場にヒイロは警戒心を強める。

 何故なら、彼はあのカレンの居る魔術学院の関係者だからだ。

 もし、彼から自分の事がカレンへと漏れでもしたら目も当てられない。

 故に、ヒイロはこの邂逅を快く思わなかった。

 というより、完成に嫌がっていた。



「なんだい、そんなに嫌がる事はないだろう? 僕と君との仲じゃないか」



 いや、本当に嫌なのだが。

 あと、どんな仲だよ。

 と、ヒイロはロックウォードの顔を見て、露骨に嫌な顔をする。



「しょうがないなぁ。僕と君との仲を証明しようじゃあないか」


「はぁ?!」



 しかし、そんなヒイロの様子などお構い無しとロックウォードは牢番の老人へとその歩みを進める。



「牢番の方、いまから彼を牢屋から出してくれないかい」


「は? いや、貴人のお坊ちゃん。申し訳ねぇけど、奴はもう一日ほどこの牢屋で反省して貰わねぇといけないんじゃ。だから、それは無理というものですじゃ」



 ロックウォードの申し出に昨日の貴人の女性と同じ様に牢番の老人は、その事を拒否する。



「うん。でも、彼はラグラッタ商隊の長ラルーフ氏からも穏便にと話が来ているのだろう」


「えぇ、ですから。彼は厚待遇での扱いで三日ほど牢屋で過ごす事となっておりますのじゃ」



「うーん、それじゃあ、これ。うちの家紋の書状なんだけど、これで、どうかな?」



「こ、これは!? ま、まさか、し、失礼しました。お、」



「おっと、お坊ちゃんはもうよしてくれ」



「は?」



「ロックと呼んでくれたまえ」



「は、はぁ、ロック様」



 牢番の老人は、ロックウォードとの話が終わると、直ぐ様に鍵を持ち、ヒイロの入る牢屋を開く。



「さぁ、行こうか」


「え、いや、でも?」



 それに戸惑って、ヒイロが牢番の老人を見ると大丈夫だから行って良いという風に頷いた。



「ほらね」



「あ、あぁ」



 そうして、装備や道具も返して貰ってヒイロはロックウォードと共に牢屋を後にする。



「この街には僕の贔屓にする宿屋が有ってね、招待するよ」



「え、いいよ」



「まぁまぁ、遠慮せずに」



 いや、遠慮しているのではなくて嫌がっているのだと、ヒイロは思った。

 しかし、やはり、押しの強いロックウォードに優柔不断なヒイロは押し切られて、ロックウォードの贔屓する宿屋とやらに連れ込まれてしまう。

 そこは、一階に食堂とカウンターがあり、二階に泊まるための部屋があるオーソドックスな宿屋であった。この世界の基準にしては小奇麗にしており、貴族か何かのお坊っちゃまなロックウォードが贔屓にする筈はある宿屋であった。



「ここの料理は中々、美味でね。どうだろう、牢屋ではろくな食事が出なかっただろうから、ここは僕がご馳走してあげるから、食べていこうよ」



 ロックウォードの言うとおり、ラグラッタ商隊の長であるラフール氏からの口添えで過ごす分には藁の敷物や枕を支給されて、楽ではあった。しかし、食事となるとそうはいかず、麦粥の様な食事と水という極めて質素で味気ない物だった。故に、ロックウォードのこの申し出はヒイロとしても嬉しい物だった。



「ご馳走か…」



 しかも、見るからに貴族のお坊っちゃんであるロックウォードが頼むであろう料理はきっとヒイロが想像もしない程に豪華な物になるかもしれないと、ヒイロの中で下心がひょこりと顔を覗かせる。



「いやぁ、でも、なんか悪いなぁ。直ぐに牢屋から出して貰ったりしたし、その上でご馳走までして貰ったりなんて」


「いいの、いいの。僕と君との仲じゃないか! さぁ、好きな物を好きなだけ頼みなよ!! お代は全部、僕が持つからさ」



「そうか? いやぁ、ホントに悪いなぁ」



 美味い話には、裏がる。

 誰が言った言葉か、教訓か。

 それを欠片も思い出さないヒイロにロックウォードは心の中でほくそ笑む。

 牢屋の開放も、豪華なご馳走も、施して差し上げましょう。

 だから、代わりにその力を私の為に利用させて頂こう。


 そんな事を腹の中で考えるロックウォードの事など気にも止めず、ヒイロは宿屋の一階の食堂の席に座ると、ウェイトレスに自分の食べたい物を次々に注文していく。

 そして、




「美味ぇ!! めちゃくちゃ美味ぇ!!」



「それは良かった」



 注文した料理がテーブルに届き、ヒイロは手当たり次第に口に運んでいく。ここ数日、荒野砂漠を遭難と牢屋の二箇所でろくな食事が取れていなかったヒイロは久しぶりの豪勢な食事に舌鼓を打っていた。

 それを見ながら微笑を浮かべてロックウォード自身もステーキをナイフとフォークで丁寧に切り分けて口に運ぶ。

 対象的にヒイロは食べたい物にとりあえずフォークをぶっ刺して口に運ぶという、両者の育ちの良さが出た場面であった。



「いや、本当に最近、ろくな飯も食えてなかったから、本当に本当にロックウォード君には感謝だよ」


「ははは、喜んで貰えてなによりだよ。ロックウォード君なんて、他人行儀な呼び方じゃなくて、ロックって呼んでくれたまえよ」

 

「そうか、ロック! 本当にありがとうな!!」



 本当にろくな物が食べれていなかったヒイロは、ロックウォードに感謝した。

 こんなに親切にして貰ったのは、武術を習う師匠以来でヒイロは変にテンションが上がっていた。だから、ロックウォードのロック呼びの要請に気安く答えて、直ぐ様そのように対応した。



(うーん、少し薬が効き過ぎたかな)



 しかし、実はそのヒイロのハイテンションな訳はロックウォードにあって、彼はこっそり、気分向上の薬をヒイロが見てない隙に彼の飲み物に仕込んでいたのであった。

 ただ、どうやら、その薬がヒイロには効果覿面こうかてきめんだったらしくロックウォードも予想外のハイテンションぶりだった。



(まぁ、身体に害のない程度だし、大丈夫だとは思うけど)



 その変貌ぶりに若干、早まったかとも思ったロックウォードだが、とにかく、ただテンションだけが上がって別段、苦しんでる様子もなく、楽しそうにしているヒイロを見て彼は、まぁ、いいかと思い直す。

 それよりも、まず、ロックウォードは目的を果たさなければならないとヒイロへと語り掛ける。



「いやぁ、上機嫌だね」

 

「あぁ、まぁな! なんか、いまスゲェ気分がいいんだ!」



 ロックウォードの言葉にヒイロはいつもは出さないであろう声量でもって返事をする。

 本当にロックウォードの薬が効果覿面であった様子だ。



「そうかい、それは良かった」


「おう」


「うーん、そんな君にこんな事を言うのもなんだけど」 


「あ? なんだ?」



「実は少し僕の方で困り事があってね」



 ロックウォードは極めて深刻だという表情を作り、口元を両手で覆う様にして指を絡めながら、テーブルに両肘を付く。



「なんだ? 困り事って? お、これも美味い」 



「うーん、詳しくは言えないんだけどね。それでも、人手が必要でね」



「ほーん、もぐもぐ」



「もし、良かったら君にも手伝って貰えないかなと、思ってたりするんだ」



 我ながら素直過ぎる交渉だとロックウォードは、己の交渉術の才能の無さを嘆きながらも、その上で交渉相手であるヒイロに薬という対策を施した自分に上出来な判断だったと自賛した。



「うーん、手助けかぁ」


(くっ、やはり、素直過ぎたか)


「うーん」



「いや、別に大した事じゃあないんだ。ほら、今回の様に僕が君を牢屋から出した様な、いまご馳走してる様な事でいいんだ」



 話題を切り出すのは、もう少し薬が回るのを待つべきだったか、いや、一層、量を増やすべきだったかとロックウォードは、ヒイロの芳しくない反応にやや焦り気味で巻くし立てる。



「まぁ、それくらいなら」  


「そうか! 良かった!!」



 しかし、それが功を奏した様でヒイロからその言質を取る事に成功する。 

 勝った、とその言葉をヒイロから手に入れたロックウォードは心の中でガッツポーズを取る。

 とりあえず、最初は小さな事から頼み込み、しかし、次第に事を大きくして、最終的には目的の事をヒイロに手伝わせれば、それでいい。

 と、ロックウォードはそう考えて、この食事会の成功に満足した。



「さぁ、ジャンジャン食べて、ジャンジャン飲んでくれたまえ!」



「いやぁ、本当に悪いねぇ〜」



「なぁに、僕と君との仲じゃないか!! 君への投資は惜しまないよ」


「とうし?」



「いや、何でもない。さぁ、僕も食べるぞー」



「おぉ、よし、俺ももっと食うぞー!!」




 かくして、ヒイロは知らぬ間にロックウォードと強固な契約を結ばされたのだが、本人には自覚はなく。

 騙した張本人であるロックウォードと楽しく食事会を再開し始めたのであった。 


 さて、この荒野砂漠の国ドライドアッド王国。

 そこで、ヒイロへと待ち受ける物は果たして一体、何なのか。

 それは、誰にも分からず、誰にも知り得ない事である。

 しかして、その嵐の前の静けさの中でヒイロはロックウォードと楽しげに食事をするばかりなのであった。







ちなみに作者も知りません。

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