自業自得
「カラスがないた、」
「え?」
「いやカラスが鳴いたから。」
「からすの鳴き声なんか聞こえなかったけどなぁ」
「あ、また鳴いた」
「もう、そんなことより久しぶりにこうして会えてんだから集中してくれよ、」
「あぁごめんなさい。」
彼とこうして愛しあうのは、二ヶ月ぶり
普通の恋人のように遠距離だとか
仕事が忙しいから会えないとかそんなんじゃない
彼には、家庭がある。
奥さんもいて今年小学生になる子供もいる。
でも私は、彼が結婚する前から
彼と付き合っていた。
お互いが余裕を持てたら結婚しよう
なんて約束もしていた。
そんな約束もむなしく、彼は、職場の後輩と関係を持ち子供ができたから
「もう結婚は、出来ない。」
そう彼は、私になんの悪びれもなく言った。
職場の後輩の子は、私よりも若かった。
私とするときは、意地でもゴムをつけたくせに何が違うのだろうか。
彼女と私の何が違うのだろうか、
私の何がいけなくて彼は、彼女を抱いたのだろうか。
彼からは、このまま関係を続けたいと
言われた
彼は、私の気持ちも知らずに
「お前他に宛てなんかないだろう。」
そう言った。
最低だと思った。殺してしまいたいと思った。でもそんな彼でもまだ好きだと思う自分がいた。
もしかしたら、もしかしたら気持ちが
変わって結婚なんてしないことになるかもしれない。
子供が出来たなんて後輩の子が彼の気を引きたくて嘘をついたのかも知れない、
そんな自分で都合のいい逃げ道を作り
彼を愛した。
そして今こうして彼に抱かれてる自分が
ベットで彼の名前を呼びながら喘ぐ。
奥さんにたいしての罪悪感なんて三日で消えた。
子供の頃の私が見たらどう思うんだろう。
欲にまみれた大人が嫌いだった。
男にだらしない母が嫌いだった。
そんな事を思っていたあの頃の私が
見たらやっぱり軽蔑するんだろうか。
「純?」
今の私には、似合わない名前を彼が呼んだ。
「何?」
それに私は、返事をする。
「泣いてるけど痛かった?」
どうしてだろう、どうして彼は、こんなにも鈍感なんだろう
痛いだけで泣くほど私は、弱くない。
「少しだけ。」
本当は、痛くないけど少しでも彼に
罪悪感が残るなら、そう思って私は、嘘
をついた。
「ごめんな、」
彼は、そう言っても私を抱くのをやめようとは、しなかった。
「純、これいつもの」
セックスを終えたあと
ベットに横たわってる私のそばに
彼は、お金をおいた。
「いいのにこんなの、別に」
彼が私にお金をわたすたび私は、お金で
自分自身を買われてるような気分になる
そんな事も知らずに彼は、
「これぐらいは、させてよ君だっていい歳だし他に宛だってないだろ?」
「宛て」彼は、どんな気持ちで私に、そんな言葉を言うのだろうか。
どうして彼は、こんな事しか言えないの
だろう、私がどんな思いで彼を愛しているのかも、どんな思いで彼を信じたのかも彼には、伝わらない
私の側で煙草を吸う彼を見上げる
彼をよくみると髪の毛には、数本の白髪があった。お腹だってだらしなくなっていた。ただの中年おやじにしか見えなくなった
私は、今まで彼の何を見て魅力を感じていたのだろう、
私は、彼の何を愛したのだろう。
そんな事を思うと私の隣で得意気に
煙草を吸う彼が汚物にしか見えなくなった、いつもなら受け取っていたお金さえも汚いと思ってしまう
「お金やっぱりいらない、もう帰って
それともう会わない。私もいい歳だし
そろそろ自分の事ちゃんと考えたいから。」
彼にそう告げた
すると彼は、
「あっそ。後悔したって知らないよ」
そう言って彼は、出ていった。
その自信は、何処から沸いてくるのだろう昔の私なら急いで追いかけて謝る所だけど今の私には、そんな彼への思いは、これぽっちも残っていなかった。
彼が出ていったあと、
私は、汚れた体を洗うためシャワーを浴びた。
彼がキスをした首筋も耳も彼が触った
あらゆる所を爪の後ができるまで洗った
吐き気もした、涙も出た。
私がしてきたことは、何だったんだろう
どうして彼のためにあんなにも必死に
なっていたんだろう。
悔しさとやるせなさで涙が止まらなかった。
こんなにも彼を愛していた自分が
汚くて気持ちが悪くて、
鏡にうつっている自分も彼と同じで
髪には、数本白髪が生えて若い頃あった
くびれも胸のはりも私には、もう存在しなかった。
彼は、私とどうなろうと家に帰れば彼の帰りを待っていてくれる家族がいる。
今までだって関係をやめる機会は、何度もあった。
それをやめようとしなかったのは、
彼がいつか私だけを見てくれるなんて彼をしんじたのは、私に
彼しか居なかったからだ。
友達と呼べる人もいない
彼の言う通り宛だってない。
彼を手放した私には、何も残っていなかった
久しぶり過ぎる投稿で危うくカラスを出すことを
忘れそうでした。
最近流行りの不倫の話を書きました。
実際不倫をしたこともしてる人が身近に
いることもないので、ちゃんとリアルに書けたか
不安ですがまた次が読みたいと思っていただけると幸いです。




