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リトル・ティムは東へ旅をする  作者: あおいそらの
1/6

旅立ち

 鐘の音が、緑の村に鳴り響く。


 後ろを振り返ったリトル・ティムは、草原が光をうけて、その中に宝石を隠しもっているように輝くのを見た。それが、手を振ってくれているように見えたので、ティムは弱々しく返事をした。


 「さよなら、僕が大好きだった村。僕の父さんと母さんを抱いて眠る村。」


 鐘の音が響く。

 ティムの両親の死を弔って。

 ティムの出発を悲しむように。


 ティムの父が言った。

 「ずっと東の国に、叔父さんがいる。訪ねてお行き。お前に良くしてくれるはずだから。」


 ティムの母が言った。

 「叔父さんは、金色の髪をした気まぐれな人。でも、お前にはよくしてくれるわ。」


 鐘が響く。


 ティムはつぶやいた。

 「叔父さんて、僕を知ってるのかしら?」


 かくして、リトル・ティムはアーサー・クランドゥール叔父さんを訪ねて、旅に出て行った。

 この故郷の村には、一人の身寄りもなかったし、

 誰もが貧しくて、ティムを引き取ることはできなかったので。


 



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