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ネットゲームをやったことがないので、間違いがたくさんあると思いますが、不自然な点があれば随時修正していきたいと思います。中だるみしないように気をつけたいと思います。

ゲームのダークソウル、小説のSAOなどを参考にしています。

序章


太陽のありがたみを感じたことはない。

ログインすれば、俺の前にはいつでも鮮やかな緑と澄み切った空が現れるからだ。

少なくとも俺にはグラフィックで描かれた木々の緑や、白い太陽の光のほうが綺麗に思える。


ゲームは進化するにつれて、どんどんリアルさを増していき、理想的な世界が完成されつつあった。

ネトゲ中毒が社会問題化するのも頷ける。ゲームは一つの完成された世界として、今や現実を超えつつあるのかもしれない。


俺は今日の12:00から開始される〈survival online〉のキャラメイキングを仕上げにかかっていた。

初日に乗り遅れないようSOではキャラクターの作成までは前日にできるようになっているのだ。

もっとも、俺はβテストで作ったキャラクターを使い続けるつもりでいるから、乗り遅れる心配はなかった。


今、俺の前に浮かんでいるのはガッチリした体格の大男だ。一見しただけで前衛とわかる、筋骨隆々で鋼の鎧がよく似合うキャラクターだ。

キャラクターネームは鉄血。鉄の血が流れているようなタフガイを目指しているからだ。

最初は映画から名前を取ろうと思っていたが、あまり格好つけすぎると仲間に茶化されると思って、こんな名前にしてしまった。


survival online、通称SOは体験型VRドライブを使用した、VRMMORPGだ。

この手のゲームは異世界ファンタジーの世界観が体験できるとあって、大人から子供まで、男女問わず人気がある。SOはそのなかでも特に正統派のファンタジーRPGだ。


今作は外見に関してのみB版からの引き継ぎが可能なため、メイキングは楽に終わった。配色の細かい部分をいくつか変更して「決定」を押す。


すると、予想していなかったことに、「続けてサブキャラクターを作成しますか?」という問いが画面中央に表れた。

サブキャラが作れるのか? 前回にはなかったシステムだ。


俺は疑問に思いつつ、YESを選択。作れるなら作っておいて損はない。

二つのキャラを同時に育てようと思ったら、その分時間も金もかかるが、ゲームをより長く楽しむためには複数のキャラがいたほうが良い。

キャラクターの作成は入力事項が多く、手間がかかるから敬遠する奴もいるだろうが、俺はこういうのもゲームの面白さの一つだと思っている。


まずネームだが、メインでは選ばなかった候補のなかから採ることにした。

職業はいろいろ考えた末、魔剣士に決める。

魔剣士は攻撃力に特化した戦士系ジョブだが、装甲が紙すぎるのが難点だ。


人気はやはり盾が装備できる騎士と、回復のできる治癒術士。

極めれば黒魔術師が最強という噂だが、あくまで噂に過ぎない。

俺はソロでやるつもりはないから、メインは騎士にこだわったが、サブなら色物のジョブを選んでもいいだろう。地雷と思われていた職業が急成長することもある。

地味に敵の攻撃に耐えるより、たまにはバッサバサ敵を切り払いたいという欲求もないわけではなかった。


外見もメインとはほぼ正反対の貧弱な体型にした。手足が細く、背も小さい頼りない姿で、長い前髪で覆われた顔は痩せて暗さを感じさせる。いわば現実の自分に近い姿だ。


我ながら、どうしてこんな身なりにしたのか疑問なくらいだが、すべて適当に決めていたら自然とこうなってしまった。メインキャラの鉄血があまりに自分とかけ離れた理想の姿だったせいだろうか。

まあ、いい。


開始までもうすぐだ。俺はサブキャラクターの作成を決定を押して終了した。

現在の時刻、11:55。まもなくsurvival onlineがスタートする。


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