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勇者になれなかった俺、配属先の「雑務課」で世界最強の組織を作ってしまう  作者: 限界まで足掻いた人生
雑務課 業務日誌総括

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第75話:戦わない対処

反乱軍の決起が目前に迫っているという報告が入る中、俺は防衛省への出動要請書をシュレッダーにかけた。


「係長、軍を動かさないのですか」

ミラの問いに、俺は手元の端末を操作しながら答えた。

「武力衝突は損失しか生まない。もっと安上がりで確実な方法がある」


俺たちが最初に行ったのは、反乱軍の資金源となっている休眠口座の全面凍結だった。トウマが数時間で資金洗浄のルートを突き止め、事務的な不備を理由に決済システムから彼らを一斉に排除した。


次に、補給路の遮断だ。

「物資を運んでいるのは民間業者だ。道路の使用許可を取り消し、無認可の輸送を法令違反で差し止める。これだけで彼らの元にパン一つ届かなくなる」

サニアが周辺の自治体へ迅速に指示を飛ばし、補給ネットワークは一晩で麻痺した。


最後に武器供給の停止だ。

以前に構築した武器買い取り制度を最大限に活用し、闇市場に流れるはずの予備部品を、国が市場価格の上乗せで先に全て回収した。銃を撃つための魔石さえ、彼らの手にはもう入らない。


数日後、廃村に集結していた旧軍人たちは、一発の弾丸も放つことなく、空腹と装備不足によって散り散りになった。リーダー格の男たちは、活動資金が底をついたことで内部から突き上げを食らい、自ら投降してきた。


「戦うためのリソースを事務的に消去すれば、反乱というシステムは維持できない。ただの自然崩壊だ」


俺の言葉通り、大規模な流血事態は回避された。

平和を壊そうとした者たちは、剣を交えることさえ許されず、数字と規約の壁に阻まれて自滅したのだ。


「英雄の出番がないのは寂しいが、これが一番効率的だな」

横で見ていた勇者が、呆れたように、しかしどこか安心したように笑った。


俺は次の書類に目を向けた。

「戦わないための管理コストは、戦うための軍事費よりずっと安い。それがこの仕事の醍醐味だよ」

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