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勇者になれなかった俺、配属先の「雑務課」で世界最強の組織を作ってしまう  作者: 限界まで足掻いた人生
雑務課 業務日誌総括

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第65話:暴動

戦後の急速な社会の変化に取り残された帰還兵たちの不満が、ついに限界を超えた。王都の中央広場を埋め尽くした数千人の元兵士たちが、失業と困窮を訴えて暴徒化し、都市機能は麻痺状態に陥る。


リクは単身で、怒号が飛び交う最前線へと歩み出た。


「そこまでにしろ。これ以上暴れれば、お前たちの損害賠償額が再就職後の給与を一生分上回ることになるぞ」


最前線で松明を掲げていた大男が、リクを睨みつけた。


「役人が何を抜かしやがる! 俺たちは命を懸けて戦ったんだ。なのに、平和になった途端にゴミのように捨てられ、今日のパンも買えないのはどういう理屈だ!」


リクは冷めた目で男を見つめ返し、静かに口を開いた。


「理屈は簡単だ。平和な世界には、戦うしか能のない不良在庫の居場所はない。お前たちがいまやっていることは、自分たちの市場価値をさらに下げているだけだ」


「なんだと! 俺たちの苦しみが分かってたまるか!」


「分かるさ。俺もかつてはお前たちと同じ、戦場という名の不備の中にいた人間だ。泥を啜り、いつ終わるとも知れない殺し合いに従事していた頃の方が、まだ楽だったとさえ思っているだろう」


リクは懐から一束の書類を取り出し、それを高く掲げた。


「これは、戦後復興警備および公共工事の特別採用枠の契約書だ。今ここで解散し、この書類にサインするなら、今夜の食事と寝床を事務的に保証する。だが、このまま暴動を続けるなら、俺はお前たちを排除すべき障害物として処理する。選べ、兵士に戻るか、市民として生きるかだ」


男たちの間に動揺が走る。リクの言葉には、同情ではなく、同じ地獄を見てきた者だけが持つ冷徹な真実味があった。


リクの放つ静かな威圧感と、提示された極めて現実的な生存条件を前に、兵士たちは一人、また一人と武器を下ろした。

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