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勇者になれなかった俺、配属先の「雑務課」で世界最強の組織を作ってしまう  作者: 限界まで足掻いた人生
雑務課 業務日誌総括

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第59話:雑務課の評判

戦後調整局の執務室には、毎日数え切れないほどの手紙が届く。


公文書だけでなく、各地の村長や職人、さらには元兵士たちからの切実な嘆願書も含まれている。


サニアが大量の手紙を抱え、困惑した顔で俺のデスクに置いた。


「係長、また手紙です。今度は南方の開拓地からです。用水路の権利争いで、どちらの帳簿が正しいか判定してほしいという依頼です」


俺は目を通していた報告書を脇に寄せ、手紙を手に取った。


「事務処理の範囲を越えている気もするが、受理しろ。放置すれば村同士の小競り合いが起きる。戦後賠償の計算をやり直すよりは効率的だ」


「了解しました。でも、最近は他部署の仕事までこちらに回ってきています。皆、口を揃えて、困ったら雑務課へ、と言うものですから」


サニアは苦笑しながら、さらに別の一束を仕分け始めた。


そこへ、廊下から力強い足音が響き、王国軍の将軍が姿を現した。


「ほう、相変わらず忙しそうだな、係長」


「将軍。わざわざこの場所に何の御用ですか」


俺が尋ねると、将軍は部屋中に溢れる手紙の山を見渡し、感心したように息を吐いた。


「嫌味を言うな。私の部下たちが、現場で問題が起きるたびに真っ先にここを頼りにしているのだ。法務部よりも、内務省よりも、お前たちの出す解決案の方が迅速で合理的だとな」


「ただの事務処理ですよ。英雄のような華やかな解決策は提示できません」


将軍は、山積みの手紙を眺めながら静かに笑った。


「その、ただの事務処理、がこの平和な世界では何よりも尊いのだ。お前たちが不備を埋めるたびに、この国から戦う理由が消えていく」


将軍は窓の外を見やり、独り言のように付け加えた。


「いつの間にか一番頼られる部署になっているな」

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