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勇者になれなかった俺、配属先の「雑務課」で世界最強の組織を作ってしまう  作者: 限界まで足掻いた人生


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第1話:不合格勇者

眩い光が収まると、そこは大理石の床が広がる王城の広間だった。

俺の隣には、同じく日本から召喚されたらしい若者たちが数人立っている。


神官が水晶玉をかざし、一人ひとりの適性を読み上げていく。

「聖騎士!」「大魔導師!」「賢者!」

次々と華々しい二つ名が告げられ、広場は歓喜の声に包まれた。


そして、俺の番が来た。

水晶に手をかざすと、表示されたのは冷酷な一言だった。


「戦闘適性:なし」


周囲の空気が一瞬で凍りついた。神官はあからさまに溜息をつき、書き留める筆を止める。

「無能か。コストの無駄だな。おい、こいつは後方支援へ回せ。雑務課だ」


周囲の転移者たちから、同情と、それを隠しきれない優越感混じりの失笑が漏れる。

俺は言い返す言葉もなく、兵士に促されて広間を後にした。


その時だった。

城の大きな扉が重々しく開き、遠征から帰還したばかりの騎士団がなだれ込んできた。


だが、それは凱旋と呼べる代物ではなかった。

荷車の上には、魔物に無残に引き裂かれた仲間の遺体が折り重なっている。

血まみれの鎧をまとい、傷口を汚れた布で縛っただけの重傷者たちが、苦悶の声を上げながら引きずられるように歩いている。


その先頭を歩くのは、金色の髭を蓄えた巨漢、騎士団長ガルドスだった。

彼は凄惨な光景を背に、豪快に笑い飛ばした。

「はっはっは! 運の悪い奴らだ! だが戦とはこういうものだ! 命を懸けてこそ騎士よな!」


周囲の文官たちが、さすが団長、勇ましい、と追従の笑みを浮かべる。

だが、俺はその光景を見て、吐き気よりも先に別の感情が湧き上がっていた。


(……いや、違うだろ)


俺の目には、それが勇敢な戦いの結果には見えなかった。


(あれは戦闘の結果じゃない。ただの管理ミスだ)


高価な回復薬が支給されず、代わりに出所不明の安酒が荷車に積まれている。

前衛と後衛の装備がちぐはぐで、連携の形跡すら残っていない。

何より、帰還ルートの選定ミスによる無駄な消耗が、兵士たちの疲弊具合から透けて見えた。


(この組織……終わってるな)


俺は、自分の配属先が記された羊皮紙を強く握りしめた。

勇者にはなれなかった。だが、やるべきことは見つかった。

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