第3話 西条かんなの思惑
まったく……、俊也ってば本当に子供なんだから。
昔からそう、私が何か他の人に何でも相談して良いよって言うとこうやってあーだこーだ言ってくる。
相談とかって……いつも勉強とか、たまにしかいない親の代わりにいろいろやってあげてるのは誰だっつーの!
「もういいわ。アリスちゃん、話はまた今度ね」
「あっ、はい……」
「僕はよくない!」
……しつこい。
いつも、いつも自分勝手で、っていうかなんでこんなやつにあたしは惚れたんだろう?
「ほら、先生来たよ。あんた転校生でしょ。最初から怒られてどうするの?」
「ごめんなさい……」
「ん」
「……ありがとう」
照れた。こんな奴だけど、ここら辺が可愛いんだよね。
「うん、よろしい」
「ひどかったね」
「言うなよそれ」
今は昼休み。
どうせこいつ一緒にご飯食べる相手がいなかっただろうから誘ってやった。
そして今話しているのは今朝の自己紹介のこと。
「てかさ、あそこで噛む?そしてあんなことを言う?」
「だから、言うなって!」
このバカは自己紹介のときに自分は彼女が今まで出来なかったことを大真面目に言い、挙げ句の果てにそこで噛みやがった。
「でさ、話変わるけどアリスちゃんに何を聞こうとしてたの……?」
それは私が一番気になること。アリスちゃんはもしかしたら……
「かんなには関係ないよ。それよりさ僕、学校案内して欲しいんだけど」
また話をそらした。
こいつは肝心な所で大事なことを教えてはくれない。
それほどの関係ではないからなのだろうか。
もしこいつ……俊也に彼女とかできたらそんなことも話すんだろうな。
「っ、でも!かんなにはいつも感謝してるし、出来れば隠し事もしたくない。それでも!それでもこのことだけは絶対にダメなんだ。」
「……」
「だからゴメン!話せるようになったら、決意ができたら、絶対最初に話すから」
なんだ、そんなこと思ってたんだ。
そうだよね。
昔からそう、隠し事をしても最後にはきちんと自分から話してくれる。
私には関係のないことでも。
今日のところはま、諦めよう。
でも、
「よし、じゃあこれからどこ行く?」
「え?」
「このかんな様が案内してやるって言ってるの」
「う、うん」
でも、私のこの気持ちを伝えたら、絶対隠し事なんてものを無くしてやるんだから。
私は目の前にいるアホな幼なじみにむかって笑ってやった。
やっとネタが出たぁぁぁぁー。
今回はすごく点が多く見にくかったと思います。
こんなつまらないものに付き合って下さりありがとうございます。