第1話 物語のはじまり〜俊也とかんな〜
「職員室ってどこだろう?」
彼の名は海藤俊也。
この日、ここ神無月大附属高校に編入した少年。
そんな彼がここで何をしているかというと……
「くそ、こうなるんだったらかんなに頼めば良かった」
ハッキリというと迷っていた。
こうゆう場所に来るとき普通だったら誰かに案内を頼むだろう。しかし彼にはそんな人はいなかった。
正確に言えばいたのだが、
「アイツ、昨日に限って機嫌が悪かったしな…」
「誰が機嫌が悪いですって?」
まさかとは思ったが当たり前だよな…
「かんな…」
「どうして、あからさまにイヤな顔をするのよっ!」
そう言ってかんなは僕の首を絞めた。普通の人ではすぐに死んでしまいそうな強さだった。
「し、死ぬ!息、できな、い…」
ここで意識が消える前に彼女の紹介をしておこう。
彼女の名は西条かんな。
僕の幼なじみで中学からこの学校に通っている。いつもなら髪は結んでいないが今日は2つ結びをしている。機嫌が良いときはとても可愛らしいのだが機嫌が悪くなるとこうやって暴力を振るってくる。
おっと、ここでもうお迎えが来たようだ。
みんな、さようなら。
メインヒロインが出てくる前にさようなら。
短い間だったけどありがとう…
「どう、少しは反省した?」
「…」
「あれ?ちょっと、ねえ、俊也?こんなところで…」
こんにちは、天国……じゃない?ここは廊下。そしてかんなは、心配をして……いない!?
そして、その手、おもっきしグーだろ!
「ちょっと、かんな!ストップ、ストップ!」
「殺人者になりたくないわよ!」
二度目だけど、みんなさようなら。そしてこんにちは、天国……
「こんな所で死なないでよ!」
「僕だって死にたくない!」
よかった、僕はまだ生きていたんだ。
「あっ、そうだ。さっき、先生が俊也のこと探してたわよ」
そういえば、僕は職員室を捜していたんだ。
「どうせ、迷っていたんでしょ。連れて行ってあげる」
「ありがとう」
たしか、かんなみたいな人のことを……
「ツンデレって言ったかな?」
「ッッッ!!!」
ん?また僕、変なこと言ったかな?
「ほら、ついたわよ!」
「ここ、職員室じゃないよ?」
「いいの!さっさと入りなさい!」
「う、うん」
やっぱり後で謝っておこう。なんか怒ってるし…
「失礼します」
彼が教室に入ると他の人達は驚いたように彼を見つめた。
『彼女』も例外ではない。
そして彼も気づいてしまった。
『彼女』の存在を……
「まさか……アリス?」
読んでくれてありがとうございました。
今回から話が進みました。読みにくかったと思いますが、今後ともよろしくお願いします。