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イカ追いクエスト2「なぜに答えを求めるならば」 - 2

【前回までのあらすじ】

伝説を胃に収めたAZだが返り墨を全身に浴びる。

その時、謎の老婆が現れAZに問う。

「呪いのイカ墨を落としたイカ」

 呼び止められ戸惑っている僕におじさんの方が話しかけてきた。

「やあ、急にごめんよ。ちょっと聞きたいことがあってね。さっき展示品を知っている様子だったからぜひ話を聞きたくてね。ほら、あの薄い四角の板を見た時のことだよ」

「そ、そんな、何か言ってましたっけ、僕」

「たしかスマホって言ってたわ」

「そうだっけ?いやぁ、その、召喚で自分のモノがいきなりなくなったら持ち主困るだろうなぁ、なんて思っただけですよ、スマホってなんですかね、ははは」

「なるほど、あれは個人所有するようなモノなのか。他には?何を知っているんだい?ぜひ聞かせてくれたまえ」


 げっ、しまったよ。墓穴を掘った。

学者ってやっぱり頭いいんだな。

「えーと、その、えーっと」

「そうか、言いにくいことなのかな。実はね、今日の展示会を見て気づいたと思うけど用途が判明するモノは極めて少ないのだ。そのせいで確実かつ多くのモノを召喚できるように研究はもっぱら召喚技術にばかり目が行くようになってしまってね、召喚されたモノへの関心が低い傾向にあるんだよ。確かに技術が高まれば対象の世界をより観察できるようになる。そうすれば用途が判明する可能性は高まるからね。技術の向上は当然ではあるのだけれど」

「そう、なんですか」

「そう。だから何か知っているなら教えてほしいんだ。君の知識がもしかすると学会をにぎわすことになるかもしれない。そうなれば私としてはとても嬉しい。みんなもっと召喚されたモノに興味を持つべきだ。だってロマンがあるだろう。これは何に使われるのかとか考えるとね、胸が躍るじゃないか。だからね、協力してもらえないかな。ああ、そうだ召喚術について説明しておこう、きっと興味が沸くよ。召喚する時はね、実はわかるモノがないかランダムに座標を設定してその周辺を見てから対象となるモノを決めてこちらに送るんだよ。つまり知らない世界をこの目で見ることができるんだ。見てみたいだろ?未知の世界。ほとんど一瞬だけど。興味沸いてきただろう。しかしね、言った通りこちらに持ってきてもそれが何なのかを知るすべがないんだよ。だからお願いだ、知っているなら協力しておくれ。私たちで学会の発展に貢献しよう、一緒に学会を盛り上げようじゃないか」

「す、すみません、僕ほんと何も知らないんです。それじゃ」

僕は力説する学者のスキをみてその場から慌てて逃げ出した。


 しばらく走ってから振り返ると追ってくる様子もなく安心する。

やれやれ、気を付けないと。

前世の記憶があることにリスクはないって思ってたけど、さっきみたいなことになったら面倒臭い。

まったく、びっくりしたよ。

だけど、召喚術か。


 家に帰ってお土産を渡し、なんだこりゃ?という声を無視して自分の部屋に行く。

荷物を適当に置いてベッドの上に横になった。

あの学者の言葉が頭から離れない。

召喚術、その場を見て対象を決める。

異界を見ることが出来るだなんて。

帰り道に昔のことを思い出してからずっとモヤモヤしてたところにそんなこと言われたら。

そんな偶然のせいで僕は召喚術に強い興味を持ってしまった。


 召喚術を使えば僕の死の真相を確かめることが出来るかもしれない。

この世界から真相を追えるんじゃないか。

それなら行動あるのみだ。


次回、イカ追いクエスト3

「かわいい子には気を付けよう」 - 1

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