【第7話】徒に考えている?
この物語はフィクションです。登場する地名、人物、団体などは実在のものと関わりはありません。
「まさかそんな恰好で大阪に来るの?」
宮瀬さんの様子に驚きを隠すことができなかった。奇抜な服装に見えたからだ。
「うん、そうだよ。俺はそんな人間だよ、見損なった?」
何となく冷ややかに感じられる表情でそう尋ねてきた。
夢はここで途絶えた。夢の中の宮瀬さんの服装がどんなものだったか思い出せなかったが、少し肝が冷えたのは覚えている。
いつものように朝のHRの1時間前に到着した。登校中も謎の悪夢だったなと思っていたが、自席に着いても変な夢だったなと考えてしまった。因みに、その日の宮瀬さんの登校は珍しく遅くて、寝癖が直らなかったのかすごかった。そういえば今日政経のとき内科検診だったな。
翌日もまた不思議な夢を見た。どんな夢だったかは全く思い出せなかったが、不思議だなって終始思ってたことは覚えている。そしてこの日も宮瀬さんの寝癖はすごかった。今日から期末考査一週間前だから放課後課外なくなるんだっけ。
土曜日になり、母親が楽しそうにパンフレットを見せてきた。話を聞くと大阪に行きたいみたいな内容だった。さっきのパンフレットは旅行雑誌だったみたいだ。そんなことより次の考査とか優先させてほしい。
6月19日木曜日、学年組出席番号名前だけ書かれた進路希望調査票を眺めていた。やりたいものは漠然としているけどあるにはある。ただ、志望校とか就職とかはまだしっくりこなかった。選択しても否定されてきたのに、バケツをひっくり返した水を見せられてるみたいにいきなり自分で考えなさいってされてもなぁ。何を書けばいいか分からない。今の自分の学力じゃ行ける学校も限られるだろうし。・・・とりあえず、兄の行ってる私大の受験が無償だから書けって言われてたな。他は適当に書いとこ。
この高校選んだきっかけはきょうちゃんだったな。中学校の時にきょうちゃんの話を母親がすごいとか色々言ってたのが理由だった気がする。教室に一人ずつ呼び出されて合格発表されたが、受かったことが分かったときは落胆に近い感情を抱いたことを覚えている。何故かは分からなかった。受験の時は大変だった。あの日の朝倦怠感と発熱で無気力だったところを母親から父親に伝えると脅迫され、実際に電話し始めたり、電子レンジからもちが煙を出したり、女性の体育の先生がわざわざ家まで来て受験会場のこの高校まで送ってもらったりとか色々あったな。母親はあの時も今も行きたくないから拒否してたと思っているらしい。受験会場にはめっちゃギリギリに着いた。そう考えると中学生の頃の体育の先生2人にはだいぶお世話になってるな。




