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星と夢と  作者: 作者不詳
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【第5話】足取り

この物語はフィクションです。物語に登場する団体・人物・地名は現実とは関係ありません。

 いよいよ文化祭当日!クラスのシフトが12時からで1時間接客その後13時10分から30分間美術部展示室の呼び込みと見守りだから結構見て回る時間ある!クラスの方は()()ぎもあるし11時45分くらいに来るように言われてたはずだから注意しとこ。

 展示室の準備も終わって解散になったし、とりあえずどこか回ろ。その前に変装しておこ、一人で楽しんでても何も言われないように。始まってすぐだからこの近くのトイレなら誰も来ないよね。・・・やっぱりウィッグの触角(しょっかく)切りすぎとる。違和感すご、定まらんし、ヘアピンうまく刺さらんし、ウィッグの(かみ)が絡まるし。こんな無駄な争いしてた所為(せい)で11時20分になってる。せや!あきらめよ。とりまウィッグと髪まとめてるやつ外して屋台のとこ行かな。

 あっここで、Tシャツ売りよったん?!それよりエプロン・三角巾(さんかっきん)の装着して入らないと。 入ったのはいいけど引き継ぎ5分も掛からんかったな。受付担当になって焼きそばの個数と玉子焼きの個数聞くのはいいけど、先生一人だけで玉子焼き作り続けてオーダー間に合うのか?お昼時だからかお客さんがいっぱい来た。受付業務の合間に焼きそばもしくは卵焼きを入れるプラスチック容器の準備も担当し、輪ゴム止めと割りばしのセットそして金銭と物の受け渡しが仕事となっている。プラスチック容器に関しては、

「こう並べたら速く提供できるんじゃない?」

先生がふたを開けた状態で、片方の容器の入れる部分ともう片方の容器のふたを重ねて置いた。

なるほど確かに楽かもと感じた。

「はい!」

返事したのはよかったが、机に並べられた容器たちは風で飛ばされかけた。自分の横の体積の大きさと反射神経に少し感謝することになるとは思わなかった。

 しばらくして、少し人が減ってきた頃に母親達が来た。

「おっやりようね。」

「は?」

「いつもお世話になってます。」

「ちょっt。声大きい。」

「いやぁ、働きようとこ見れて良かった。」

「用無いならはよ行って。」

「じゃあ、頑張って。」

あまり周りに迷惑かけないでほしい…。

 途中容器がなくなり、代わりの容器を使うことになったが完売した。容器が足りなくなった理由は先生の玉子焼きが人気だったかららしい。とりあえず、早めに終わったから、部活展示の方に行こう。

 美術部の出し物は2つの教室であり、物品販売と作品展示を行っている。物品販売では、部員が作った缶バッジやポストカード、ゆめむカバーなどの販売を行っている。作品展示では、部員の描いた作品の展示やアニメーションの上映などがあった。両方の教室には黒板アートが描かれており、物販のある教室では絵しりとりもしていた。

 展示室の見守りの仕事は特にすることないけど、聞き取りやすい声で呼び込んだり、どこで何をしてるのかや相手の行きたい教室の場所を教えたりするのが個人的に大変。呼び込みしてるとマスクしてても口が乾燥(かんそう)してくる。

 中庭から聞こえるむな校生で構成されたバンドの演奏を聞きながらシフトが終わった。そういえば、ゆめむカバーって「夢に向かって」を使うむな校生が買うだろうってことで作り続けられてたけど、外部の人も脚本のカバーに使うって感じで買ってってるのを一昨年見たな…。お腹空いたな何か買いに行こ。折角(せっかく)だし学校のロータリーに来てる出店の方に行こ。この出店も総探(そうたん)の成果だよな。うちのクラスの先生が立案して興味を持った生徒が頑張ってたな。総探と言えばムナTの販売なんも話聞かされてないんだけど!もしかして俺だけ(はぶ)かれてた?!先生も先生じゃない?あんな喜々として

「そこでムナT販売もしとるんよ。」

って言ってたけどムナT製作(わたし)も関わってたのにほとんど情報共有されてない。やばい、ちょっとムカついてきた。いや、逆恨(さかうら)みでしかないけどさ。よし!こういう時は甘い物だ!今回の出店スイーツ系多いからテンション上がる。気になってた焼き芋のお店とかプリンのお店とかシュークリームのお店とか最高!近いしシュークリームの出店から行こ。意外と並んでるけどすぐ順番くる。よし、次の次だ。

「すみません、今ある分は完売しました。」

えっ!つら。他のところも完売しそうなのに。いやまだぎり残ってるし行けるっしょ。

 クレープとプリン買えた。お昼ご飯にしては少ないかも。どっちも(てのひら)の半分以下のサイズだし、プリンの容器分厚いし。その分おいしいって信じよ。だって、合計550円したし。生クリームが()けそうだしクレープから食べよ。正方形のクレープ食べるの多分初めてよね。

「…何これ、ほとんど生地じゃん。めっちゃクリーム期待してたのに。」

つい声に出てしまった。確かにおいしいけど。悲しくなるからおいしいって連呼しとこ。クレープを食べてる時に電話が掛かってきた。念のため電源を付けておいたスマホに電話が掛かるとは思わなかった。普段は校則があるから学校にいる間は電源を切っているけど、行事の時だけスマホの使用を許可するように生徒が決まりを変えたから問題はない。ただ、思い出を残しておくことが目的だから表立っての使用はできないため、電話に出られなかった。後で折り返させてもらおう。

 このプリン濃厚(のうこう)じゃん!買って良かった。カスタードクリームみたい。最後までこの感覚が味わえるなんて。食堂を背後に食べる気まずさも忘れちゃう!今日食堂閉まってるんだけどね。

 プリン食べたら満足しちゃった。容器返したら他のところに行ってみよ。体育館下にあるアリーナで色んな人がショップ開いてるから気になってたんだよね。美術部に依頼出してたお店にも顔出ししたいし。

 食堂閉まってんのにアリーナ開いてんの違和感あるようなないような。体育館では午前中はライブかなんかしてるらしいけどその導線上みたいな感じなんかな。アリーナって少し半地下感あって行きづらいような気ぃする。

 アリーナに入ってすぐ左に例のお店の人達がレザークラフト体験やショップを開いてた。レザーで作られたストラップや指輪(ゆびわ)などが売られていた。しかし、値段を見てさすがにためらってしまった。いいお値段する。しかし、レザークラフト体験の方はかなり良心的なお値段で安心した。500円ならいいかな。ストラップ作り楽しそうだし!

「レザークラフトって可能ですか?」

「まだできますよ。」

「おねがいします!」

お店でも予約必須だけどレザークラフト体験やってるらしいから気になってたんだよなぁ。あと!ピザとかスイーツとか!

「この丸いレザーの中から好きなの選んで色んな色があるから。」

「これにします。」

水色のやつを選んだパッと見た中で綺麗(きれい)と感じた色だった。

「そしたら、それに文字とか絵をそれに打ち込んでいこっか。名前とかイニシャルを打ち込んで好きな模様を入れるのが一般的かな。打つ時は強めにね。」

「はい。」

自分の名前を入れるのは違和感あるな…。けど、イニシャルは嫌だし。(あおい)の苗字のイニシャルにしとこ。俺のイニシャルにもなるしいいかも。あと絵はどうしよ。自分の星座にしとこうかな。なさそうだし、似てるし(あおい)のイメージに近い羊にしとこ。かわいいし。

「できました。」

「それだけで大丈夫?」

「あっ、大丈夫です。」

小文字のmとそれを左側から見ている羊が刻印(こくいん)されているレザーを相手が持っていき、ストラップにして渡してくれた。

「これで完成です。使っていったら味が出てくるからね。」

「ありがとうございます。」

「あとこれ。よかったらお店に来てください。」

正方形に折りたたまれたパンフレットを渡された。

「そういえば美術部に依頼されてましたよね。」

「そうそう!なんで知ってるの?」

「私美術部なんです。」

「そうだったんですか。楽しみにしてますね。」

お店にスチームパンク系の小物とかを増やしたいらしくて、美術部の先輩経由で依頼したということで少し問題になっていたが丸く収まったと聞いてる。ただ気になっているのが、製作費は相手負担なのは良いが期日を設けていないということである。大丈夫なのか?と思ってた。依頼されていたこともしくは依頼していたことを忘れられるのではないかと感じてた。

 アリーナをそのまま回り始めてすぐに気になるお店を見つけた。組子細工(くみこざいく)というものらしい。こういう(けい)好きなんよね私。組子細工のストラップが販売されてた。1,300円とお高めだけど欲しいと思ってしまう。買うにしても形と(ひも)の色との組み合わせがいくつかあり少し迷ってしまう。ずっと眺めていると形が同じで紐の色が白色と赤色のものを見つけた。これ私とみやでお揃いにできるじゃん!でも二個買うと約3,000円…。大出費になる。けど、ここで買わなかったら絶対後悔する! おい待て!どうやってお揃いにするつもりなんだよ。一人で二つ付けるのか? それはほらそれぞれの鞄に付ければいいじゃん。紐が色チでお揃いになるじゃん私が赤でみやが白。 逆でもいいけど。 それなら可能か。

「こちら下さい。」

「はい。ふふ、熱心に見てたね。プレゼント?これおまけであげる。売り物だけど熱心に見てたのが嬉しかったからね。作り方は書いてあるから。」

「ありがとうございます。」

普通に恥ずかしい。そんなに見られてないと思ってたのに。

 次にお菓子を売っているところに来た。世間で障害のある方と呼ばれる人たちが作ったという風に説明された。売り子は作った本人たちらしい。説明に関して違和感はあったが、並べられたお菓子はおいしそうだった。クッキーのデザインがかわいかったし、隣に置いてあった米粉のパウンドケーキはおいしそうだった。クッキーとパウンドケーキを指さし、

「クッキー2つとこれください。」

といったら、

「ごめんなさい。別々に売ってるの。」

「あっ、そうなんですね。」

ちょっと恥ずかしかった。ただ机をくっつけて売ってるから紛らわしいなと思ってしまった。

 他のところも回ってみたが特に気になるところはなかった。途中で警察さん?のパンフレットを渡された。被害に気を付けましょう的なの。マンガ仕立てで読みやすかった。ありえんやろって突っ込む人が多そうなところもあったが内容はよかった。一周した頃、スイーツのお店が入り口にあったことに気付く前に母親に捕まった。

「ねぇ見て!シュークリームが売られとるんやけど、普段より安くない?クッキーシューあんたも気にならん?まさかこの店が来とるとは思わんかった。」

「そうやね。」

「家に帰ったら楽しみにしとき。」

「うん。」

「じゃぁね。」

気分がいい時は嵐の様だな。てか14:40のチャイムなったし、校内アナウンスで外部のお客さんの退却を要請(ようせい)し始めた。確か体育館に集合だっけ?

 文化祭の閉会式のため全校生徒が体育館に一合に会した。文化祭の間の様子を撮影した写真をつぎはぎのムービーにして流された。正直2,3時間でここまでのクオリティーのものを作れるのってすごいなって思う。出店の人気投票の結果も出された。

 閉会式が終わり、それぞれが使った教室や場所、道具などといった文化祭の片づけが始まった。うちらのクラスの片づけは使用した机やカセットコンロ、テントなどの片付けだ。ほとんどがすぐに終わったみたいだ。伝聞系の話し方なのは部活の展示があった人達はそちらを優先し、終わったら順次それぞれのクラスのところに集まることになっていたからだ。最後の方の片づけに参加してクラスの人達を集めての簡易的なSHR(ショートホームルーム)を行い解散になった。美術部の片づけは、廊下に貼っていたレンガブロックやガラスシールの回収、展示の際に使用した道具の片づけ、黒板アートの削除などだった。黒板アートは思い出として撮影され片づけが一通り終わった後共有された。売れ残りの品は片づけの後美術部員達により競売に落とされた。もちろん全てゼロ円で、(ゆず)り合い・じゃんけんなどにより引き取り手が決まっていった。毎年の恒例で少し楽しい。そういえば、去年までいた先輩方のイラストやグッズは倍率高かったな。

 部活の引退が実質文化祭だから、あのお店の依頼の引き継ぎのためにも先輩方が情報共有ように作ったグループチャット共有した方がいいんじゃない?と思って、美術部のグループチャットに情報を入れたがスルーされた。反応したのは同小(どうしょう)だった男子とその友達の男子だった。

「――っちゃん、なんでいきなりあの話出したん?」

「なんか忘れられそうだったから。」

「ふぅん。ねぇ、そのパンフレット見せてくれる。」

「いいよ。」

人懐(ひとなつ)っこい感じが変わってなくていいな。

「きょうちゃん何見とるん?」

「お店のパンフレット。」

「へぇ、ぼくにもみして。」

「うん。」

スルーされた時の心の痛みが2人の雰囲気によって(いや)された。この2人の様子を今後も見守っていきたい。ふわふわしてて好きだわ。


 クラスの解散が16:00くらいだったのに、部室に長居しすぎて帰るのが遅くなってしまった。井口(いぐち)さんと3人で話してたら長引いちゃった。

 次のバスまで結構時間あるな。・・・あっ!そういえば、電話掛かってたな。どこからやろ。電話の履歴を見てみるとオンラインオープンキャンパスの申し込みをしたところのだ。声優やアニメ業界に関する専門学校で今気になっているものだ。因みに、その学校の大本は大手企業で、投稿している小説の投稿サイトもそこが運営している。

「お電話いただきありがとうございます。〇〇〇〇です。」

「あっ、もしもし。 えっと、先程お電話いただいてたみたいなんですけど…。掛かってきた時、文化祭で出られなくて…。」

「お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」

「あっ、――――――です。」

「少々お待ちください。」♪♪♪~~♪♪♪

「只今戻りました。オープンキャンパスの日程調整に関する連絡だったようです。次の日曜日は可能でしょうか。」

「すみません。その日は英検でして。」

「そうですか。でしたら、可能な日時を提示していただくことはできますか。」

「次の月曜日が今日の代休になっているのでその日なら可能ですが。」

「6月3日月曜日ですね、分かりました。朝と昼とありますが、どちらにされますか。」

「えっと、朝でお願いします。」

「朝ですね。10:30からとなりますがよろしいでしょうか。」

「はい、大丈夫です。」

「分かりました。では、最後にお好きな声優さんを教えていただけますか。」

声しか覚えてないどうしよ。

「@@@@@@@さんとかですかね。」

「@@@@@@@さんですか。いいですよね。」

「あっ、はい。」

「本日はありがとうございました。」

「あっ、ありがとうございました。」

「…。」

「…。」

「…。」ピッ!

電話は切れてしまった。いつも思うが電話ってマナー的にどうやって切るのかが疑問だ。

 しばらくして、バスが来た。…家に帰んのめんどくさ。


 翌日、英検のために外に出る。凄く陰鬱(いんうつ)な気分だ。身体の調子は良いし、何も考えてないのがさらに気分を重くさせる。


 英語読んで同時に翻訳されるって言ってる人ってどういう気持ちで言ってんのかな。脳内で英語とその翻訳が同時に聞こえるってこと?・・・集中しよ。英語見ても英語しか話しかけてこんし。多分これやろそんな感じのこと書いてあるし。

 ヘッドホン耳に上手くはまんないことってよくあるよね。簡単に取れなさそうならいっか。ナンシーのミルクがワンサイズ小さいから大きいのないか店員に聞いたら青いのとか黒いのとかしかなくて、結局ナンシーはいくら払ったの?って聞かれても…。表にある数字から適当に推測しとこ。


 よし終わった。何言ってるかほとんど分からんかった。てか、(なん)なんあのカンニング横行しそうな席配置。いや、リスニングするにあたっての配線の影響かもしれんし、仕切りもあったけど集中できんわ。・・・リスニング練習せなやな。(なに)()こ。

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