【第13話】陰り
この物語はフィクションです。登場する人物、地名、団体などは実在のものとは関係ありません。
12月20日金曜日、2学期の終業式があった。休みの間も学校に行かなければいけないのでそんなにテンションは上がらない。街の中で幸せそうにしてるカップルが見れると思う方が一番テンション上がる。
冬季集中講座は、12月23日から12月26日まであり、休みを挟んで1月6日に一日だけある。変わってると思ったが、1月7日に始業式がありそのまま授業を受けることになってるから何もおかしくないのかもしれない。
冬季集中講座の間、特にこれといったできごとはない。今年も父親の実家に帰省することはなかった。あそこの雰囲気は正直いいものではないからよかったと思う。
1月10日金曜日、通っている高校が受験会場になるため準備を生徒がすることになっている。そのため、午後から高校の敷地への立ち入りが禁止されている。さらに、受験の影響で1月14日まで休みになった。これで共テ対策ができる。ようやくチャンスを掴めた気がする。残りの日数は少ないけどできるとこまでやりたい。12・13は法事だから時間なくなるはずだしそれも見越して計画立てないと…。
1月12日日曜日夜、曾祖母の葬式が執り行われた。葬式場の受付を頼まれた。することは、来た人に挨拶すること、香典を貰った時に名前を貰い香典返しを渡すことの2つだった。
葬儀に参列したが、周りには知らない人ばかりだった。曾祖母のことはあまり記憶にない。小学生の頃、家族総出で介護施設に連れて行ったことを覚えているぐらいだ。それ以外は大体母親や祖母が話ていることぐらいしか知らない。たまに、家族で施設に顔を出しに行くこともあったが記憶が入り乱れているようだった。その所為か、あまり会いに行きたいとは思っていなかった。
1月13日朝、昨夜と同じことをした。葬儀の後、周りにあった花を分けてそれぞれが持って行った。棺を霊柩車が火葬場に乗せていった。その後を、親戚の車数台が追う。
火葬場に着いた。昼になっていた。火葬はすぐに始まった。火葬が終わるまで別室で待機することになった。祖父は苛ついているようだった。普段お昼ご飯を食べる時間から2時間ほど過ぎているからだろう。普段からご飯を食べる時間が遅くなると苛立ちが激しくなるのを知っているため気を付けなければいけないことは分かっていた。待機室に母や何人かの親戚の人達が飲み物を準備をし、家から持って来た軽食替わりのお菓子を出した。待機室の空気はあまり良くなかった。これから火葬するから明るくても困るが、喪主の機嫌があからさまに悪いのが大きな理由である。
軽くお菓子などをお腹に入れたことで空気は和らいだようだ。男性による自分語りや大人による世間話が展開された。
しばらくして、火葬場の人に呼ばれた。ガラスでできた入り口から入らされ、金属の壁とステンドグラスみたいな窓が取り付けられたタイルの壁でできた部屋に案内され待機するように言われた。それからまたしばらく待たされた。その間もいつも通り祖父はウロウロ外に出入りしていた。部屋に入るための2つの扉の間に遺骨アクセサリーのモデルが飾られていた。少し話題になっていた。
骨上げが行われた。最初は喪主がするらしいが本人はよく分かっていないようだった。その後、親戚の人が並んだ。年齢順かと思っていたが、順番を譲られたので並んだ。違い箸を使用する時、正しい持ち方ができないからか持ちにくかった。一通り骨上げが終わると、残りの遺骨はスタッフの人が手早く収骨した。大きい骨は骨壺に入らないからと折られた。骨が脆くなっていたからか簡単に割られた。
火葬も終わりそれぞれの帰路に就いた。大小の遺影と骨壺は自宅の座敷に数日置かれ、お寺に持っていくことになっている。つまり、しばらく一緒の部屋で寝ることになる。ちょっとした気まずさがある。
共テ直前まで学校に行くことになっているが金曜日は2限で終わる。その代わり、共テに備えて勉強や睡眠を十全にすることやテスト会場で迷わないための下見をするように言われた。特に言われたのはトイレの場所の確認だった。場所が分かっていても混んでいて行けないこともあるらしい。




