⭕ 尻牛蒡事件 DE 交渉
──*──*──*── 1階・食堂
マオ
「 ん~~~~♪
白身魚のホワイトシチュー、美ん味い~~~~♥️ 」
マオキノ
「 気に入ってもらえて嬉しいですエリ♪ 」
セノコン
「 おかわりなら一杯ありますエリ♪ 」
マオ
「 うん、有り難な~~♪ 」
セロフィート
「 ふふふ。
マオは食いしん坊さんです 」
マオ
「 うっさい!(////)
それより──、【 尻牛蒡事件 】の事だけど! 」
セロフィート
「 はい?
ケツゴボウ…とは何です? 」
マオ
「 …………そっか。
セロはニュースとかネットとか見ないんだったな?
全裸に剥いて被り物で顔を隠して、尻に牛蒡を刺し込んでる事件の事だよ。
犯人が不明だし、犯行動機も不明の珍事件だから、オカルトマニアの間では【 尻牛蒡事件 】って呼ばれてるんだよ 」
セロフィート
「 ははぁ。
そうでしたか 」
セロは今一ピンと来てないのか、首を傾げている。
マオ
「 で──、その【 尻牛蒡事件 】なんだけど、1週間に30件 ~ 40件も起こすの止めないか?
幾らなんでも回数が多過ぎると思うんだ。
せめて10件に減らすとかさ? 」
セロフィート
「 はい?
何故です?
減らす必要はないです。
今まで通りの回数で事件は起こします 」
マオ
「 セロ!
幾ら此処が犯罪都市だからって、何も対抗する事ないだろ?
確かに米●町の犯罪多発率は異常を極めてるけどさ、張り合う必要ないじゃん? 」
セロフィート
「 別に張り合ってません 」
マオ
「 それに……幾ら悪い事をしていたからって、女性まで全裸に剥いて穴に長野菜を刺し込むのは……。
ニュースやネットで話題になるだけじゃなくて、物議を醸し出してるみたいだし、イカれた賛同者達が【 尻牛蒡事件 】を崇拝し始めてるみたいなんだ。
【 尻牛蒡事件 】が切っ掛けで、また新しい事件が起こりでもしたら── 」
セロフィート
「 知った事ですか。
騒ぎになるなら、なれば良いです。
事件が増えたとしてもワタシは知りません。
好きにさせれば良いでしょう 」
マオ
「 セロ! 」
セロフィート
「 話はそれだけです? 」
マオ
「 未だある!
未成年だよ、未成年の被害者!!
未成年の被害者達には動物の被り物を被せてるだろ? 」
セロフィート
「 それが何です? 」
マオ
「 まぁ、未成年だから被り物で予め顔を隠してあげるのは良心的で良いとは思うんだけどさ──、何で学校の校庭のド真ん中に全裸で放置してるんだ?
アレに対しては、大人の【 尻牛蒡事件 】よりもニュースやネットで荒れに荒れてるんだ。
一寸容赦が無さ過ぎるんじゃないかな? 」
セロフィート
「 親が悪どい事をしている真っ黒ですよ。
序でに子供も調べてみたら、真っ黒だった──というだけです。
親が真っ黒でも子供が真っ白な場合は何もしてません 」
マオ
「 子供も真っ黒だったのかよ……。
だ、だけど……校庭のド真ん中で晒し者にするのは、やり過ぎなんじゃないのか? 」
セロフィート
「 はぁ?
子供を諌め、罰する大人が居ない環境が良くないです。
ワタシは善意で “ 相応な制裁 ” を加えただけです。
感謝はされても文句を言われる筋合いはないです 」
マオ
「 セロ…… 」
セロフィート
「 そうそう、彼等の悪行の数々を映像化した動画なるものを、彼等の部屋にあるパソコン…とやらから配信させてあります。
揉み消せないよう削除が出来ないようにして拡散もしてます。
加害者達の顔,声は隠してません。
彼等がどのような人生を歩む事になるのか──、今後が楽しみですね? 」
マオ
「 セぇロぉ~~~~。
ネット、使えてたのかよ… 」
セロフィート
「 ワタシは使えませんよ。
〈 器人形 〉に全てさせてます 」
マオ
「 そうかよ……。
セロが人間に容赦がないのは今に始まった事じゃないけどさ──、犯罪者だから難しいかも知れないけど──、もう少し女性に対して配慮してあげても良いんじゃないかな? 」
セロフィート
「 マオ、女性に配慮してしまえば、最早男女平等にはなりません。
それは男性に配慮をしても同じ事です。
男女平等にするには、等しく平等にしなければいけません 」
マオ
「 “ 等しく平等 ” なんて無理だろ~~?
寝言じゃんか 」
セロフィート
「 その通りです、マオ。
長野菜を捻り込む穴の数が違う事が、等しく平等には出来ない事実を物語っています。
平等には出来なくても近付ける事は出来ます。
今後、男性は去勢を兼ねて陰部を切り取ります。
女性は乳房を削ぎ落とします 」
マオ
「 は??
なん……何だって?!
切り取る?
削ぎ落とす??
な、何で?? 」
セロフィート
「 ワタシは優しいですから。
善意の親切心です。
これで犯罪を起こす人間が減れば良いですね 」
マオ
「 いやいやいやいやいや!!
優しさ?
切り取ったり、削ぎ落としたりするのが “ 優しさ ” ってなんだよ!?
全然、優しくないだろ!!
そんな事したら、余計に炎上しちゃうんじゃないか?? 」
セロフィート
「 炎上…です?
すれば良いです。
話題になっても、被害者は生きてます。
真犯人も見付かりませんし、事件は迷宮入りします。
誤認逮捕で知らない人間が逮捕されたら、それはそれで面白いでしょうね 」
マオ
「 ご、誤認逮捕を面白がったら駄目だろ??
──っていうか、【 尻牛蒡事件 】で誤認逮捕は誰もされたくないだろ?
それは兎も角──、本当に次からは男は陰部を切り取って、女は乳房を削ぎ落とす気かよ? 」
セロフィート
「 ワタシは本気です。
マオの提案を聞き入れても良いですよ 」
マオ
「 えっ? 」
セロフィート
「 1週間に20件です。
それ以上は減らしましせん。
良いですね、マオ 」
マオ
「 10件── 」
セロフィート
「 20件です 」
マオ
「 ………………分かったよ… 」
駄目だぁ~~~~!!
やっぱり、オレはセロの笑顔には敵わないんだぁ~~~~!!
涎…出てないかな??
1週間に20件か……。
セロを相手にした交渉したけど、オレ──ちゃんと頑張れたよな?
更に犯罪度が増しちゃったような気がするけど……、オレにはどうする事も出来ないな。