⭕ 怪異と霊体の違い
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 102号室
──*──*──*── 2階・寝室
オレはソファーに座りながら、コンビニで買ったスイーツを食べている。
う~~~ん、コンビニスイーツ、美ん味い~~~~♥️
マオ
「 セロ、それで怪異と霊体の違いって? 」
セロフィート
「 はいはい。
怪異とは──、〈 久遠実成 〉以外の不可思議な存在を指します。
島国では主に “ 妖怪 ” と呼ばれている存在です。
霊体とは──、悪霊,怨霊,死霊の類いを言います 」
マオ
「 妖怪って──、暗黒武術大会の島に居たような妖怪の事か? 」
セロフィート
「 違います。
アレは “ 妖怪 ” と名付けられているだけで、この島国に存在している妖怪とは異なります。
この島国に存在している大抵の妖怪は、人間の肉眼では見られない存在です。
中には自在に実体化する事の出来る妖怪も居ます。
悪戯や悪巧みをし、人間を困らせる事が好きな者が多いです 」
マオ
「 実体化が出来たり、姿を消したり出来るんだ?
何か妖精や精霊みたいだな~~ 」
セロフィート
「 ふふふ。
妖精,精霊が聞いたら怒ります。
霊体の元々は残留思念体です 」
マオ
「 残留思念体?
えぇと──肉体から離れた魂は輪廻の流れの中へ還るんだよな?
残留思念体と魂とは違うのか? 」
セロフィート
「 簡単に言えば魂が捨てた未練……のようなものです 」
マオ
「 未練?? 」
セロフィート
「 輪廻の流れの中へ還る魂が極稀に捨てる未練──残留思念体は、ただ其処にあるだけで何も出来ない存在です。
残留思念体には人間を守護る力も無ければ、悪さをする力も無いです。
そんな害の無い残留思念体が悪用され、残留思霊体に変わる場合があります。
残留思霊体は澱みに触れると悪霊,怨霊,死霊の類いと変わり果て、人間に危害を加えるようになります。
怪奇現象の類いは妖怪が起こし、心霊現象の類いは悪霊,怨霊,死霊の類いが起こします 」
マオ
「 へ、へぇ……。
そんな違いがあったんだな… 」
セロフィート
「 “ 犯罪都市 ” と呼ばれる程、異様に犯罪率の高い米●町で起こる事件や事故は人災事故が殆どでしょうけど、中には妖怪が起こした怪奇現象や霊体が起こした心霊現象も混ざっている可能性はあります 」
マオ
「 それは……何と言うか…………怖いな? 」
セロフィート
「 マオとワタシには関係無い事です。
何度も言いますけれど、無視すれば良いだけです 」
マオ
「 ………………なるべく関わらないように気を付けるけど…………自信ないな…。
──で、事件やら事故やら物騒な犯罪が日常茶飯事に起こる米●町で何をしたいんだ?
まさか──、あらゆる事件や事故を隠れ蓑にして完全犯罪を起こして遊ぼうなんて考えてないよな?? 」
セロフィート
「 悪どく稼いでいる人間が多いみたいですし、事件に見せ掛けてガッポリしましょう♪ 」
マオ
「 遊ぶ為のターゲットは既に決めてる訳だな?
ニュースになるような事件は起こさないでくれよ?
殺しとか駄目だからな? 」
セロフィート
「 はいはい。
そうですね──、全裸に剥いて大仏の被り物でも被せます? 」
マオ
「 …………とんだ珍事件だな。
じゃあさ、警察に逮捕してもらえるように悪どい事してた証拠も一緒に置いといてやろうよ。
全裸ついでに尻の穴に何か突っ込んどいてやろう? 」
セロフィート
「 マオ、“ いけない子 ” になりましたね。
一体誰に影響されました? 」
マオ
「 …………誰だろうな?
オレの身近に居るんじゃないかな? 」
セロフィート
「 はぁ?
マオ──、ワタシが居るのに浮気してます? 」
マオ
「 してないよ!!
何で “ 浮気 ” が出て来るんだよ! 」
セロフィート
「 マオ、君はワタシだけのマオでしょう 」
マオ
「 そうだよ!
セロだけのマオだよ!
浮気なんかしてないからな!!
変な誤解するなよ~~~ 」
セロフィート
「 はいはい 」
マオ
「 ………………。
話は変わるけどさ──、粐莓さんが言ってたと思うけど──、202号室って20年間も借り手の付かないヤバい部屋…だったんだよな?
怪奇現象を引き起こす原因になってるかも知れない部屋なんだろ?
そんな物騒な部屋を寝室にして平気なのかな?
怪奇現象とか起きたりしないのか?
オレ、嫌なんだけど!! 」
セロフィート
「 その事なら何等心配要りません 」
マオ
「 そうなのか?
疑う訳じゃないけど──、何でだ? 」
セロフィート
「 ワタシは〈 久遠実成 〉に作られた人形です。
ワタシの体内には原動力となる世界を構成している〈 テ
ワタシは謂わば、〈 テ
怪
ですから、この部屋に巣食っていた怪異は既に別
ワタシには逆立ちしても勝てない事を本能で理解してますし、ワタシが居
怪奇現象も心霊現象も起きませんし、安全に暮らせます。
他
マオ
「 そ、そっか……。
裏野ハイツの102号室と202号室だけは、セロのお蔭で安全地帯な訳だな? 」
セロフィート
「 そうなります。
怪
安心しました? 」
マオ
「 そうなんだ…。
他
セロフィート
「 今迄通
潜伏させているキノコン達が怪奇現象や心霊現象の報告もしてくれます。
ワタシの代わりに、セノコンとマオキノが住人達の対応します 」
マオ
「 完全に丸投げするんだな~~ 」
セロフィート
「 怪奇現象も心霊現象も大いに利用出来ます。
セノコンとマオキノが住人達に受け入れられる為に利用しなくては損でしょう? 」
マオ
「 ははは…………そだな…… 」
怪奇も心霊もセロは手の上で転がせるんだな。
それが出来る唯一無二の存在……。
怪
何
セロ、様
問題なのが、人間が引き起こす物理的な事件や事故だな。
裏野ハイツへ引っ越しが済んだ日だってのに、既に2件の事故若
粐
………………出歩くのが億劫になりそうな町だよな、米●町って所は────。