⭕ 米●町の裏野ハイツ 1
──*──*──*── 裏野ハイツ
粐莓さんの案内で優良物件候補の裏野ハイツへ到着した。
車を運転してくれたのは粐莓さんの先輩らしく、裏野ハイツの事情に詳しい人らしい。
移動中、粐莓さんは助手席から、米●町の裏野ハイツについて話してくれた。
因みにセロとオレは御客様だから後部座席に座っていた。
粐莓さんと先輩さんの話で聞いた裏野ハイツは2階建てで、1階と2階に5部屋ずつあるらしい。
1階は3部屋,2階は4部屋、入居者で埋まっているそうだ。
裏庭からはガッツリと墓地が見えるそうで、夜になると一層と不気味になるらしい。
──けど、セロもオレも墓地なんて気にしないから何の問題はない。
セロとオレの前に契約をして裏野ハイツに住居した人は、隣人トラブルが原因で解約をしたらしいんだけど──、それは表向きの理由らしくて、本当の理由は別にあるらしい。
運転手をしてくれていた先輩さんの話だと2階の202号室は、ずっと借り手が付かない状態で20数年が経過しているらしい。
何でも怪奇が起きるらしい。
う~~~ん、怪奇と心霊現象って何が違うんだろうな??
怪異と霊体の違いって何だろう??
オレには良く分からないんだよなぁ。
セロなら知ってるかも知れないから、後で聞いてみよっと。
──まぁ、兎に角、部屋の中で怪奇が起きるらしいんだけど、その下にある102号室もヤバいらしい。
1ヵ月も経たずに解約したっていう前の住居者は、その問題となってる102号室を借りていたそうだ。
何でも、誰も居ない空き部屋なのに、天井からミシミシとかドタバタとかパタパタとか誰かが歩く音がするらしい。
雨が降ってもいないのに天井から水が漏れて落ちて来るとか──、何か良く分からないけど、不気味な現象が多々起こっていたらしい。
極めつけは金縛りが2週間も続いたり、帰宅すると姿見にヒビが入っていたり、ベッドがメチャクチャになっていたり、窓ガラスに真っ黒な手形が付いていたり、烏の死骸がベランダに落ちていたりと不気味な事が続いたとかで、精神的にもヤバくなって隣人ともトラブルようになったらしい。
う~~~~ん……本当かなぁ?
オレは今一、信じられないんだよなぁ。
セロが居るからな!!
セロが面白がりそうな内容だ。
多分だけど、セロなら1階の102号室に決めそうだな~~。
怪奇だとか心霊現象とか好きっぽいもんな、セロって。
セロなら科学的じゃない別の方法で解決しちゃいそうだしな。
不動産社員:粐莓
「 ──えぇと……、此方が噂の102号室です。
後、105室も空き部屋です。
2階へは左右にある階段を使います。
102号室の上が、ずっと空き部屋の202号室になります 」
マオ
「 へぇ、結構な年期を感じる建物だよな?
セロ、後で2階の202号室も見せてもらおうよ 」
セロフィート
「 そうですね。
天井を抜いて1階と2階を繋ぐ階段を付けたいですし 」
不動産社員:粐莓
「 えぇっ!?
だ、駄目ですよ!!
勝手に改装されたら困りますよ! 」
セロフィート
「 借り手が付かず困っているのでしょう?
ワタシが4人分の8.000円を──いえ、月々1万支払いましょう。
解約する時には天井は元に戻します。
それで構いませんね 」
不動産社員:粐莓
「 い、いや……構うんですけどぉ!!
うぅ……でも…………あぁ……でも~~~~……分かりました。
102号室と202号室の契約をして頂ける──と言うなら、天井の件は聞かなかった事にさせていただきます。
御客様と私の秘密にしてくださいね? 」
セロフィート
「 約束は守ります。
家賃は2部屋1万円で、お願いします 」
不動産社員:粐莓
「 分かりました。
此方は2.000円の得をする事になりますから良いですよ。
上司には上手く報告させていただきます 」
セロフィート
「 有り難う御座います。
粐莓さんが話の分かる不動産社員さんで良かったです 」
不動産社員:粐莓
「 ははは……。
それはどうも……。
じゃあ、102号室の鍵を開けますね 」
強引なセロとの取り引きに何かを諦めたような感じの粐莓さんは、102号室のドアの鍵を解錠してくれた。
粐莓さんがドアを開けると、部屋の中へ入って玄関の電気を電気を付けてくれる。
靴を脱いだ粐莓さんは窓へ向かって歩くとカーテンを開けた。
眩い陽の光が室内に差し込んだ。
マオ
「 ──へぇ?
意外と広いんだなぁ~~。
それに小綺麗じゃん 」
セロフィート
「 窓から裏庭が見えますね。
窓を大きくして外に縁側を付けましょう。
部屋と裏庭を往き来が出来るようにします。
1階は水回り関連を集めた部屋にして、2階を居間兼寝室にしましょう 」
マオ
「 それ、いいな!
陽当たりも良いし、気に入ったよ!
狭いけど台所があるな。
──セロ、この押し入れの襖を外して、セノコンとマオキノの寝台に使ってもらおうよ。
スライドする階段を付けたらどうかな? 」
セロフィート
「 それは良いですね。
裏庭には畑と花壇を作りましょう。
畑には野菜と果物を──。
花壇には食用茸,食用花,食用薬草を植えて育てましょう。
畑と花壇の世話と管理はセノコンとマオキノに一任します 」
マオ
「 それも良いよな!
電気は来てるんだよな?
水は出るかな? 」
不動産社員:粐莓
「 勿論、水も出ます。
直ぐにでも暮らせます 」
マオ
「 セロ──、今から此処に住もうよ! 」
セロフィート
「 そうですね。
交番も公園の近くにありましたし、何か起これば直ぐに呼べますね。
粐莓さん、この部屋と202号室を契約します。
今日から住めるように手続きをしてください 」
不動産社員:粐莓
「 は、はい!
畏まりました!
御契約、有り難う御座います!! 」
セロフィート
「 取り敢えず、10ヵ月の家賃を御支払いさせて頂きます。
10万を現金で良いですね 」
不動産社員:粐莓
「 も、勿論です!! 」
セロは笑顔で財布を取り出すと、財布を開けて1万円札を10枚を取り出した。
10万円は粐莓さんの手へ手渡される。
粐莓さんが1階の102号室と2階の202号室の鍵をセロへ手渡す。
不動産社員:粐莓
「 ──では、私は不動産へ戻り、契約書の作成をさせて頂きます! 」
セロフィート
「 契約書が出来上がったら持って来てください 」
粐莓さんは今にもスキップをしそうな顔で嬉しそうに102号室から出て行った。
セロフィート
「 マオ、今から改装を始めます 」
マオ
「 うん 」
セロが古代魔法を発動させる。
防犯設備が皆無だから、先ずは防犯魔法と防音魔法が発動される。
これでセロとオレの新しい新居には誰も不法侵入が出来なくなった。
それに室内の音も外に漏れなくなった。
室内の模様替えはセロの魔法で既に済んでいる。
新しい壁紙にはドアの絵が描かれている。
当然、ドアプレートも絵だ。
洗面脱衣室と浴室へ通じるドアの絵。
洗濯室へ通じるドアの絵。
ダイニングキッチンへ通じるドアの絵。
セロ専用の図書室とセロ専用の実験室へ通じるドアの絵。
セロがオレの為に作ってくれた≪ ダンジョン ≫へ通じるドアの絵。
〈 創造主の館 〉へ通じるドアの絵。
取り敢えず、1階の壁には6つのドアの絵が現れた。
天井には既に穴が開いていて1階と2階を繋ぐ階段が出来上がっている。
出来立てホヤホヤの階段をセロと一緒に上がって、2階の202号室へ入った。