ブラック企業の社畜が異世界召喚されたので、チート級のオーパーツは使わない方向で憧れのスローライフを手に入れる
小説家に『なろうラジオ大賞3』応募作品です。
テーマはオーパーツ
異世界時計管理室④
チチッ、チチチチッ
鳥の声を聞いて目を覚ます。最近やっと、これは夢じゃないんだと現実を受け入れた。
今、僕は朝五時に起きて作業の準備をしている。起床時間は早いけど、六時間も寝れているので全く辛くない。クワを持って畑を耕し種を植えて、育った野菜を収穫する。まだ慣れない事も多いけど、夢の様なスローライフ最高です!
以前の僕は、ブラック企業の会社員だった。言われるままに残業をして、寝る時間も食事の時間も削って仕事をしていた。そして、それを当たり前だと思っていたまさに社畜。
その日も、夜遅くまで仕事をしていた。休憩室にノートパソコンを持ち込み、夕食のおにぎりを食べていたら突然光に包まれて…気付いたら赤い絨毯の上に立っていた。
どうやら異世界に召喚されたらしい。魔力はなくスキルも鑑定だけで、彼らが期待していたステータスを僕は持っていなかった。追い出されそうになったので、持っていたノートパソコンを指差す。
「ここには、色々な知識が入っています」
「その箱はオーパーツか?それが真なら、我が国の問題を解決してみろ」
苦し紛れに言った事だったけど、何とインターネットが繋がっていた。異世界なのに電波飛んでるのか?疑問に思いつつも、問われた事をメモして検索する。
翌朝、僕は調べた事を彼らに伝えた。プレゼンの要領で説明できたので、上手く伝わったみたいだ。会社で得たスキルも役に立つのだなと思った。
「戦略や武器の製造に関する知識はないのかね?」
「すみません、そのような知識はありません。私の元居た世界は争い事がなかったので」
嘘だ。でも、魔法があるこの世界で、誰でも使える武器が広まったら更なる争いの種になる。あと、あまり有用な知識を披露しすぎると、社畜再びな未来しかない気がした。せっかくブラックな会社から解放されたんだ。ゆっくり楽しく暮らしたい!
目指せ!スローライフ!
最後に、親には感謝を、会社には辞表のメールを送ってノートパソコンのバッテリーは切れた。電気の発電方法を調べようかと思ったけど、これ以上、この世界でノートパソコンは使わない方がいい気がした。
ノートパソコンが使えなくなった事で、僕の利用価値はなくなったと判断された。交渉して、僕がプレゼンした知識を活かせる地に、住めるようにしてもらった。
不毛な地の農地開拓。野菜を作って、のんびり暮らすぞ!目標は、大豆から味噌を作る事と米の発見だ。
僕は自由を手に入れた。
文字数〜!
異世界時計管理室シリーズ
次の話の伏線話です。
もっと、農地開拓案を調べて書きたかったけど、
入らないので断念。
かなり説明不足感がありますが、、、
楽しんで頂けたら幸いです。
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