表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界妖怪暗殺計画  作者: みつる
1/3

プロローグ

──薄れゆく意識の中、何者かが自分の体を包囲しているのが分かった。


自分に這いつくばり、意識がなくなっていく理由を知りたくて、

顔を上げようと試みるが、それは叶わなかった。

無力な自分を見せつけまいとして目の前に手を伸ばした。

…それも叶わなかった。

ここまで抵抗しても、結局辿る人生は同じなんだと悟った。


──俺、死ぬんだな。


助けを呼びたくて、大声を出そうとしても、

喉の奥からの痛みがそうはさせない。

今まで経験したことのない痛み。徐々に体は謎の力によって衰弱していく。

ついには、前も見えなくなった。

しかし、自らが目をつぶったわけではなかった。

恐らく、白目を剝いたのだろう。

あまりの苦しさに。あまりの辛さに。

…いや、現実から目を背いたという意味からしたら"目をつぶった"のかもしれない。

死ぬ前に、やり残したことを思い返す。

…やり残したことは多すぎた。死を受け入れたくなかった。


──死に、たくない…


──誰…か…


声にならない叫びという物を痛感した。

どうしても声が出なかった。

それでも、全身全霊を振り絞った。


「─俺には…やりたいことが…あるんだ…」


「─ゴフッ!?」


無理をしたせいか、声と同時に口から出たのは血だった。

もう、いつ死んでもおかしくなかった。


──こうなるんだったら…あんな事なんて…


「──しょうがない人ですね」


透き通った声。その声を

俺…倉吉潤也(くらよしうるや)は知っていた。


その刹那、その声を最後に──


俺の意識は完全に途絶えた─

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ