表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/123

二人の神獣


「………………少し出かけてきます」


「………………同じく」


 ものすごく怖い顔でミシェルさんとタマモが歩きだしました。

 一体どこへ――って聞くまでもなかったですね。

 おそらく東洋国家に行こうとしていました。


「待ちなさい。まだそうと決まったわけじゃないのよ。一旦落ち着いて……というかタマモまで、ミシェルの真似しなくてもいいのよ」


「……真似じゃない。お嬢に何かする奴は消す……」


「そうです。お嬢様を害そうとする輩は完全消滅させます。此度はその魔法の作成に関わったもの全てを排除します」


 もうやる気満々です。

 二人の周囲の精霊たちもざわざわしています。

 ユミエラさんはみんなに愛されているのですね。


「……そんな魔法作ったって神獣には意味ないわよ。知っているでしょ? その人たちは神獣がどんなものかよくわかっていないのよ」


「そうかもしれませんが……」


「それに、やるなら徹底的にやるのよ。だから今こうして話し合いをしているの。こんな子供たちを利用しようだなんて、許せないもの」


 あれ? ユミエラさんも意外とやる気あったみたいです。

 ここの人たちはみんな過激でした。


『まあまあ、ミシェルもタマちゃんも落ち着きなさいって。もぐもぐ。結局殲滅するんだから、焦っても仕方ないじゃない。もぐもぐ。どうせ黒幕はあのじじいなんだから。もぐもぐ』


「ティア様……カレー頬張りながら言うことじゃないですよ。というかお行儀が悪いです」


『気にしない、気にしなーい。あたし精霊王だし~』


 と言って、カレーとスプーンを両手にふわふわしている精霊王様。

 まったく威厳を感じられませんでした。

 その様子を見て、ママたちも少し緊張が和らいだみたい。


「……ねぇねぇ、ノアちゃん」


「どうしたの?」


「……今って何のお話ししているの?」


 カナモは今までのお話を全く理解していませんでした。

 改めてこの子にわかりやすく説明してあげました。


「えぇぇぇぇぇ!? そうなの!? びっくり~!」


「急に大声出さないでよ!」


「ご、ごめんね~。でも、タマモちゃんとユミお姉ちゃんはどうして悪い人に狙われるの?」


「今説明したじゃない! ちゃんと聞いてた?!」


「う、うん。ちょっと難しくて……」


 もうこれ以上わかりやすく説明することはできないわよっ。

 また同じ話をすることに。


「ふふっ。カナモちゃんがもーっとわかりやすいようにお話ししてあげる。そのためにも……カイ、おいでなさい」


 ユミエラさんが手をパンパンと叩き誰かを呼んだ。

 この前の虎さんかな。

 私たちの下へ来たのは引き締まった体をした長身の男性だった。

 執事のような服を着ていて凛々しい雰囲気を感じた。

 しかし……虎耳と尻尾が付いていた。


「「「えっ??」」」


 ユミエラさんたち以外の声が重なった。

 誰もが驚いた。こんな人ここにいたかと。


「タマモ、あの子呼べる?」


「……もち。キュウちゃん、お嬢がお呼び。出る……」


 タマモがそう言うと、突然髪が金色に変化した。

 そして狐耳と九本の尻尾が生えた。


「主、全て聞いている。俺はいつでもいけるぞ」


「ふっふっふ。わらわの大事なタマモを狙う不届き物がおるとは。姫、加減はせずともよいのだろう?」


 二人は好戦的な目を浮かべ、ユミエラさんにそう言いました。







面白いと思ったら評価をお願いします。

☆☆☆☆☆→★★★★★

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ