80、チャンサンクン。ちゃんさん君ですよ、人の名前じゃありません。
ヨギリが弟子になりました。
「さて、一応目処が立ったということでいいですか?」
「そうニャね、それでゴルク、村長にはヨギリのことをちゃんと連絡してるのかニャ?」
「ぉぅ…まだ…です(´・ω・`)」
「はぁ~ニャにをやってるのニャ!猿人の代表ともあろう者が、順番がバラバラだニャ!」
「す、すまねぇ…。」
「ヨギリはキルトかクルトの現在の場所が分かるかニャ?」
「すいませんシナロナ様、某ではちょっと分かりません。」
「たぶんクルトさんだと思うんですけど、こっちに居ますよ?」
花音はマップに表示される場所を指さす。
「凄いニャ、わーでも分からニャいからヨギリに聞いたんだがニャ…。」
「あくまでたぶんですから、あっちの一番離れてるのがキルトさんでしょうから。」
「どっちでも問題ニャいからいいんだけどニャ。」
そういってシナ婆さんは花音が指さした方に合図を送るとすぐにキルトではない猫人が姿を現す。
「お呼びですかシナロナ様。」
「クルトかニャ、カノちゃんの予想通りだったニャ…クルトにはあれ…村長に伝達を頼みたいニャ。」
「了解であります。それでどのような内容で?」
「先ず、ヨギリの件ニャ。ヨギリとカノちゃんの手合わせは見てたニャ?」
「あれは凄かったですね~、正直あのヨギリの攻撃を俺では回避出来ません。」
「そうだろうニャ、ヨギリが本来ニャらまだ修行に集中させたい年齢ということは理解してるニャ。」
「そうですね、俺も早すぎるとは思ってたんですけど、村長の話を聞けば、仕方ないかと…。」
「その辺はわーも理解できるがニャ…それで猿人代表のゴルクの指示で、ヨギリがカノちゃんの弟子にニャるから直属から外したいと村長に伝達して欲しいのと、ヨギリの代わりにカルトを推薦するからニャ、村長に確認してそれで問題ニャければ、カルトにも伝達して欲しいニャ。」
「それは…。」
クルトはチラッとヨギリを見る。クルトはカルトが推薦されることは嬉しいが、ヨギリの想いも知っているのでどう反応すればいいか迷う。
「気にしないで喜んでいいですよ、クルトさん。ゴルク様の指示ですが、某が考えて出した結論ですから…。」
「そうか?…いや~良かった♪良かった♪カルトの奴と顔を合わせるのが気不味くて、気不味くて。これで前みたいに3人で」
「クルト!まだ正式に決まった訳じゃニャいニャよ、ちょっと喜び過ぎニャ!」
「ぅっ、失礼しました。」
「それとニャ、キルトに…お説教ニャ!と言っといて欲しいニャ。」
「げっ、り、理由をお伺いしても?」
「あいつは、カノちゃんを怖がって離れ過ぎニャ。」
「それは…仕方がないのでは?」
チラッと花音を見てクルトはそう言う。
「仕方がニャい…仕方がニャいとクルトは言ったのかニャ?」
「い、いえ、そんなことは言ってませんでありますよ(`・ω・´)ゞ」
「はぁ~…ゴルクも言ってたがニャ、この村が激変する可能性が出て来たニャ、そうニャると…お前たちの仕事の重要性が跳ね上がるニャよ?危険度も跳ね上がる可能性だって当然あるニャ、それが…怖いから近づきません!?そんニャことが許されると思ってるのかニャ!!」
「そ、そんなことになるんですか?正直信じられませんよ。」
「まだ正式ニャ話ではニャいニャ、ただキルトは前の会議に出席してたから知ってるとは思うんだがニャ…それであの状況ニャら、わーは村長に直属から外すことを進言しニャければニャらニャいニャ(´・ω・`)」
「そこまでのことなんですか!?」
「今はいいニャ、今はまだ…因みにキルトに聞いて内容を知った場合は、キルトとクルト共に猫人代表のわーが責任をもって陰府へご案内してやるニャよ♪」
「ヒッ、聞きません、聞きませんよ!」
「その方がクルトの為ニャよ。」
「あ、すいませんクルトさん…でいいですか?」
「え?えぇ、クルトさんでも君でもクーちゃんでも何でもいいですよ?」
「それじゃ、クーちゃんさん君。」
「全部ですか、流石です…すいません、クルトさんでお願いします(´・ω・`)」
「はい、クルトさんにお伺いしたいんですけど。」
「何でしょうか?」
「猫人族ってどんな訓練をするんですか?」
「訓練…ですか?」
クルトはチラッとシナ婆さんを見る。
「わーは教えることが出来ニャいからニャ(´・ω・`)」
「そうですね…猫人は身軽さと速度に優れた種族ですから、それと…。」
クルトはまたチラッとシナ婆さんに視線を移す。
「クルト、わーのことは気にしないでいいニャ、カノちゃんに聞かれたことを答えればいいニャ。時間も余りニャいしニャ。」
「そうでした、夜目が利くのと聴力が非常に優れています、気配遮断にも優れていますから斥候などの仕事に就くんです。」
「それなら、シナ婆さんでも教えられると思うんですけど?」
「そうですね、ただ一番の強みの気配遮断がシナロナ様は出来ませんから、教えることが出来ないと言われるんです。」
「気配遮断って特殊なんですか?」
「そうですね、どの種族でもそれなりに出来ますが猫人のはちょっと特殊で他の種族より優れていると思います。見てもらった方が早いですね、ちょっとやってみます。」
そう言ってクルトは気配遮断を花音の目の前で行う。
クルトの気配が2つに分かれてからスーと消える。
「これは凄いんですよね?」
と花音は後ろに向き直ってに話しかける。
「さすがですね、自信がなくなります(´・ω・`)」
「わーも気配遮断は出来るがニャ、気配を分けることが出来ニャいニャ
(´・ω・`)若い頃教えてもらっても全然出来ニャかったニャ。」
「これは俺たちにも無理だ。」
「うちらは論外どすなぁ。」
「それで訓練方法はどのような感じで?」
「これは口頭では教え難いんですよ、気配を絶つには周囲と同化する感じか息を潜める感じで、気配を分けるのは…俺流に言うと、あっちの俺とこっちの俺?みたいな感じで…分かりますか?」
「ははは、サッパリです(´・ω・`)」
「ですよね、こればかりは種族的なものがあるんだと思うんですけど…。」
「気配遮断についてはちょっと置いときましょう、他の戦闘訓練はどういったことをするんですか?」
「他は普通ですよ?森の木々を渡り、速度を活かして相手の懐に潜り込んだり、掛かり稽古とか普通に他の種族の訓練と同じです、それでも種族ごとに違いがありますから。」
「違いですか?」
「えぇ、簡単に言うと、間合いや呼吸とかですね。」
「ありがとうございます、参考になりました。」
「いえ、参考になったんなら良かったです。」
「それじゃ、悪いがニャ村長への伝達を頼むニャ。」
「了解しました。」
そう言ってクルトはさっき見せた気配遮断の気配を3つに分けて消える。
「あいつは…普通に行けばいいニャ、気配を分ける必要まではニャいニャ!」
「カッコつけたかったんでしょ、若いですからね。」
「ガハハハ、男てぇのはそんなもんだ。」
「ただ無駄なだけニャ(´・ω・`)」
「それで何であんなことを聞いたんだ?」
「え?これから武道場、訓練する場所を造るんですけど、それの参考にと思いまして。」
「それで参考にニャったのかニャ?」
「はい、基本訓練はどの種族も変わりがないってことが分かりました。」
「それで?」
「それで?…あっ、皆で訓練しても問題ないってことです♪」
「まぁ、それはそうなんだがなぁ…。」
「種族特有の特殊なのは種族ごとにやってもらうしかありませんけど、他が一緒なら取り敢えずみんな一緒に基礎体力とか上げられますから、武道場を造っても大丈夫ということが分かりました。」
「娘っ子がそう判断したならいいが…。」
「折角森があるんですから、それは有効に使って、それ以外を武道場でやれるよにしたいですね。」
「それ以外ってぇのは?」
「例えば…逃げ場がない狭い場所とか室内での戦闘を想定した感じとか、罠とか宝箱に罠とか…あっ、罠って魔法とかの罠もあるんですか?」
「何を言ってるニャ?カノちゃんはもう魔法を使った罠を家と脱衣所に設置してるニャよ?」
「へぇ?」
「電撃のやつですよ。」
「あぁ~あれ魔法になるのか…ってあれは防犯で罠じゃないですよ!」
「似たようなもんどす。」
「防犯だもん(´・ω・`)」
気配遮断…猫の習性で狩りが好きとあったので、狩りなら気配遮断だろう
(。´・ω・)?という謎の決めつけで採用しました。




