64、魔法。私には向いてないかも(´・ω・`)
お風呂に入ることになりました。
「それでは詠唱からなのじゃが…私が言うのも何なんじゃが、詠唱は人それぞれなのじゃ、シナ婆さんがよい例じゃな。」
「そうニャね、わーの詠唱は狐人とは全然違うニャ。」
「そうでしたね…。」
ナビちゃん、詠唱って何のために唱えるの?
(簡単に言うとイメージし易くするためですね。)
イメージ出来れば詠唱は必要ないってことなんだよね?私は1度も詠唱したことないし。
(そうですね、必ず必要という訳ではないです。狐人の場合はスダレ様が言ったように、先ず詠唱を教え、実際に見せてイメージし易くしますから、狐人は同じ詠唱でほぼ同じ魔法・術が発動します。)
ほぼってことは違いがあるんだよね?
(単に魔力量の問題で、若干威力が強くなったり、弱くなったりするぐらいです。同じ詠唱で威力が強すぎたり、弱すぎたりした場合は別の魔法と判断されるみたいです。)
同じ詠唱で別の魔法になるの?
(そうです、例えとしてはスダレ様が使った散水とシグレ様が使った豪雨が最初は同じ魔法でしたが、豪雨は新たに詠唱が作られ別の術・魔法になりました。)
へぇ~そうなんだ…でも豪雨なんていつ使ったの?
(ゴルク様との手合わせの時に襲撃して来たワイバーンの火を消すのにシグレ様が使いました。)
あぁ~あの時か…あれってスダレさんじゃなかったのか。
はぁ~私が教えて欲しかったのは魔力の操作方法だったんだけど…さて、でうしよう(´・ω・`)
「スダレさん…。」
「なんじゃ?」
「悪いんですけど…私が教えて欲しいのは魔力の操作方法なんです。」
「操作方法?」
「はい、魔力の操り方というか…こ~何か魔力を操る修行方法とかないですか?」
「ふむ…毎日、毎日、術を使って自分で覚えるしかないのじゃ。」
「え?無いんですか?」
「無いのじゃ。」
「え~っとシナ婆さんも同じですか?」
「そうニャね、わーもスダレと同じニャ。ただ、わーが聞いたことがあるのはニャ…。」
「何か方法があるんですか?」
「正直、カノちゃんには意味がニャいニャ。」
「意味がにゃい?」
「ニャいニャ。カノちゃんは魔力量が…あれだからニャ。」
「魔力量?」
「先ずニャ、魔力操作っていうのは〝有限〟の魔力を効率よく運用する為のものニャ。だから、カノちゃんの場合は魔力がニャ…。」
「え?私の場合は?」
(花音様。)
え?何?
(シナロナ様は花音様の魔力が消費されないことを知ってますから。)
………Σ(゜Д゜)そうだった…そうでした(´・ω・`)シナ婆さんはシナロナって名前でした。
(いえ、そこではありません。)
わ、分かってるよ、冗談だよ、冗談♪
「そうでしたね…シナ婆さんの聞いたって言うのはどんな方法ですか?」
「わーが聞いたのはニャ、滝に打たれる、火の上を歩く、瞑想、外で寝る、土に埋まる、ジャンプし続ける、逆立ちで歩くとかかニャ。」
「最初の方は納得できそうですけど…後半は何の意味があるんですか?」
「さぁ?分からニャいニャ、最初の方は属性強化の修行らしいニャ、滝は水属性、火は火属性ニャ、瞑想と外で寝るはちょっと分かんニャいニャ、土に埋まるのは土属性だニャ、ジャンップと逆立ちは…重力系統かニャ?これもちょっと分かんニャいニャ。」
「それで、効果はあるんですか?」
「それも分からニャいニャ、聞いた限りではあるらしいがニャ…正直本当かどうか怪しい感じニャ。」
「そうですか(´・ω・`)」
これは家に地下でも作って練習するかな?
(花音様、それは危険です。)
そうなの?
(はい、地下という事は逃げ場がありません。)
逃げ場って…
(仮に地下室一面が水や火に覆われたらどうしますか?)
あぁ~逃げ場がないね(´・ω・`)止めとこうかな。
「カノちゃんは先ず、どれぐらいの魔法が使えるのか知る必要があるニャ。」
「どのぐらいの魔法ですか?」
「そうニャ、今回は水と火にニャるニャ、水は兎も角火は危険だからニャ…魔力を抑えてやってみるニャ。」
「分かりました。」
「あの…。」
「どうしました?」
「すまんのじゃカノン、私に教えられることがないのじゃ、全部シナ婆さんが教えておるのじゃ(´・ω・`)」
「あっ、そ、そうですね…。」
「悪かったニャ、スダレ。」
「いや、私も悪かったのじゃ、魔法を教えて欲しいと言われたから簡単に考えておったのじゃ。よくよく考えると、こんな建物をすぐに造れる魔力があるのじゃ、単に魔法の基礎を教えれば良いと言う訳がなかったのじゃ(´・ω・`)」
「スダレさんは悪くないですよ、私の言葉が足りなかっただけです。」
「そうニャね、両方悪かったという事でお相子ニャ。」
「そうですね。スダレさんすいませんでした。」
「いや、私もすまなかった。」
「これでこの話はお終いニャ。」
「そうなんですけど、今度はシナ婆さんへの対価が問題になってきますよ…。」
「わーの対価は要らないニャ、どうしてもと言うニャら忌避対策を頑張って欲しいニャ、それがわーへの対価ニャ。」
「分かりました頑張りますね♪」
「そうしてくれると有難いニャ、さて…先ずは水を出してみるニャ。魔力は抑えるニャよ。」
「分かりました。」
花音は浴槽に水魔法を使用する。
魔力を抑える…抑える…あれ?どうやって魔力を抑えればいいの?
「シナ婆さん、魔力を抑えるってどうやればいいんですか?」
「あ~スダレどうすればいいニャ?」
「私に聞かれても…慣れとしか…。」
「そうニャよね(´・ω・`)わーも自然と覚えたから教えるとニャると…ちょっと分からニャいニャ。」
ということは…ナビちゃんヘルプ。
(え?)
え?ってどういうこと?
(花音様は魔力の抑え方を知ってると思ってましたので。)
え?
(ガルドラ様にメダルを作られたときに魔力消費を抑えて作られましたから。)
あっ、あぁ~あったね、そんなこともありましたね。で、どうやったら魔力が抑えられるの?
(…魔法は何度も言ってますがイメージです。では、川を魔力として考えると大きな川と小さな川ではどちらが魔力を消費してるように思われますか?)
大きな川の方かな?
(そうです。では次に同じ大きさで緩やかな流れの川と勢いのある川ではどうでしょうか?)
勢いのあるほうかな?
(そうです。以上のことで勢いがあって大きな川が一番魔力を消費するということになります。では、一番魔力が消費しないのはどのような川ですか?)
いくらなんでも簡単だよ、流れが緩やかで小さい川だよね。
(はい、仰る通りです。あとは組み替えるだけで魔力消費を抑えることができます。)
組み替えるって?
(単に大きな川で緩やかな流れでも魔力は抑えられますし、小さな川で勢いのある流れでもいいです。)
な、成程…。ということはイメージで小さな川で緩やかな流れを考えればいいんだね。
(それはあくまで例えですから、花音様がイメージし易いので問題ないです。)
分かったやってみるよ。
花音は両手を突き出し浴槽に向けて水魔法を使う、イメージとしては蛇口を少し捻ってちょろちょろと水を出すイメージ。
花音にしてはかなり抑えたイメージだったのだが…。
「凄いニャ、初めてでここまで使えるのかニャ。」
「ここまでの魔法が使えて、カノンは私に何を教えてもらうつもりだったのじゃ?」
2人は花音の魔法を褒めているが、当の花音はここから少しずつ水量を増やしていくつもりだったのだが、水魔法が発動してすぐに浴槽に水が溜まってしまった、溢れる手前まで…。
「むぅ~。」
「どうかしたのかニャ?カノちゃん。」
「あ~え~っとですね…これ殆ど魔力を込めてないんですよ。」
「「はぁ!?」」
「だからこれから魔力を込めて水量を増やしていくつもりだったんですけど…終わっちゃいました(´・ω・`)」
「この広さを…」
「魔力を殆ど込めずにかニャ…。」
「スダレ!」
「は、はい!」
「これを考慮してカノちゃんに魔法の使い方を教えるニャ。」
「ですがシナ婆さん…」
「言いたいことは分かるニャ、分かるがニャ…カノちゃんには魔法の使い方をちゃんと教えとかニャいと惨事が起こりそうニャ。」
「そ…そうですね…。」
「シグレにも話しておくニャ、スダレとハルサメでカノちゃんに教えてやるニャ。」
「ハルサメ様もですか?」
「そうニャ、どうせシグレは研究とかで無理ニャ、それにあいつニャらある程度の事は対応出来るニャ、わーからも頼んどくニャ。」
「ハルサメって誰ですか?何か美味しそうですけど…。」
「美味しくはないニャ、シグレの前の狐人の代表ニャ。」
「師匠の師匠なのじゃ…私はハルサメ様が苦手なのじゃ(´・ω・`)」
「そうなんですか…。」
「カノちゃんは魔法の使用を我慢して欲しいニャ、特に火とかはニャ。」
「わ、分かりました。けど…お風呂は?」
「それはわーとスダレでやるニャ。あれで魔力を込めてニャいニャら、火は危険だからニャ。」
何故か新キャラが登場しそうな感じなんですけど(´・ω・`)




