57、娯楽。ある意味起爆剤です(´・ω・`)
電撃で血行が良くなりました。(嘘です。)
もう!この電撃をどうにかしなきゃ!…ダメだ(´・ω・`)少なくともスクナとヒコナの鞘を作って持ち歩けるようになるまで、このままじゃないと安心できない。
一応、キルトさんで実績はあるしにゃ~(´・ω・`)
コンコンとドアが再度ノックされる。
「は~い、はい。ちょっと待ってくださいね~。」
花音は扉の前まで急いで行く。
「どちら様ですか?」
「私だ。」
「わたしさんですか?」
「私さんではないのじゃ!」
「あぁ…スダレさんですか。」
花音は扉を開ける。
「どうしたんですか?」
「カノンに師匠からの伝言とキンに料理するっすから水と火をお願いするっすっと言われたのじゃ。」
「そ、そうなんですか…なんかすいません(´・ω・`)」
「いや、いいのじゃ。その代わり私もイノシシの肉を食べたいのじゃ。」
「別に問題はないですからそれはいいんですけど、シグレさんの伝言って何ですか?」
「う、うむ…今日カノンの要請で会議を開くのじゃろ?」
「はい。川から水を引くのに村長さんが代表会議で検討しないといけないって言ったんで、ついでに私のことも話とこうかな?っと思いまして要請しました。」
「それなんだがな…師匠がこの前の会議でカノンのお嬢ちゃんから聞いた宝珠と魔石ん合成方法を考えるんがせわしないとのことでの…欠席したいとのことなんじゃが…。」
「やっぱりそうなりましたか…。」
「やっぱり?」
「村長さんがシグレさんの出席が問題って言ってましたから。」
「村長は分かっておるのじゃ…それにスダレが出席するならうちは出席しなくてもいいんではおまへん?って言ってたのじゃ(´・ω・`)」
「ん~シグレさんも居てくれた方が色々話せて助かるんですけどね…これで誘き出せませんかね?」
花音はさっき創った魔石をスダレに見せる。
「な!?何なのじゃそれは!」
「え?土属性の魔石ですけど?」
「いや、いや、いや。そこまで属性の高い魔石は見たことがないのじゃ。」
「そうなんですか?これをシグレさんにプレゼントするって言ったら出席してくれませんかね?」
「プレゼントって…これほどの物をか!?」
「はい。偶々手に入った物ですから、別に問題ないですよ。」
「た、偶々…土属性なのがちょっと問題じゃが、ここまでの魔石なら出席しそうなのじゃ。」
「それならこれをシグレさんに見せてみてください。」
花音は魔石をスダレに渡す。
「いいのか?これほどの魔石をそんなに簡単に渡して。」
「別にいいですよ。スダレさんを信じてますから♪」
「信じてもらえるのは嬉しいのじゃが…これほどの物を預かって何かあったらと思うと…。」
私には今のところそんなに価値がない石なんだけどな~、スダレさんには金とか宝石みたいな物かな?
「分かりました。私が直接シグレさんに持っていきます。」
「お、お願するのじゃ。」
「それと…キルトを探せという遊びをすると聞いたのじゃが、何なのじゃ?」
「探せって…なんとなく誰が言ったか分かりますけど、一応誰がそんなことを言ったんですか?」
「キンじゃが?」
「やっぱりキンさんですか…間違ってはないんですけどね…キルトさんへの罰で今日の会議に参加させないけど、誰にも気付かれなければそのまま参加していいですよって言ったんですよ。」
「成程…それでキルトを探せか…しかしそれは遊びじゃないのじゃ!」
「そうですね、遊びじゃなくて真剣勝負ですよ。でもそこまで真剣って訳でもないから遊びになるのかな?」
「罰じゃなかったのか?」
「罰ですよ。」
「罰なら真剣にやらんといかんのじゃ!」
「そうなんですか?」
「そうなのじゃ。おそらくキルトは真剣にその罰を受けようとしておるのじゃ、ならば罰を下す方も真剣にやらんといかんのじゃ。」
「そっか…そうですね。真剣にあそ…見付けましょう。」
「…真剣に遊びましょうと言おうとしたのじゃ。」
「そ、そんなことは言いませんよ?」
「それにしても、シナ婆さんにゴルク爺さんがおるからキルトには厳しい状況なのじゃ。」
「シナ婆さんにゴルクさんですか…でもこれは皆さんの探知能力の向上も目的ですからね。」
「そうなのか?」
「そうですよ?ガルドラさんの件もあるんで探知能力を鍛えましょう♪キルトさんは隠密能力を鍛えましょう♪ということで考えたんですけど。」
「あぁ、ならキンが遊びと言ったのも頷けるのじゃ。これは罰ではなく訓練なのじゃ。」
「訓練…訓練…そうですね訓練ですね。でも何で訓練が遊びなんですか?」
「キンにとっては訓練は遊びと同じ感覚なのじゃ。娯楽が無い村じゃから、訓練も遊びも同じなのじゃ。」
「なんとなく納得です。娯楽…娯楽か~。」
すぐに用意出来て私がルールを知ってるのは…リバーシと将棋とトランプかな?
チェスと囲碁は分かんにゃい(´・ω・`)
五目並べぐらいは分かるけど本格的なのはサッパリですよ(´・ω・`)
チェスは将棋と同じって言われるけど、ゲームでやったら全然できなかった
(´・ω・`)
その中でルールが簡単に覚えられるのはリバーシかな?
花音はスダレにちょっと待っててくださいと言って寝室に戻る。
「ぎゃっ…。」
「ぎゃっ?」
花音はすぐに戻って来る。
「お待たせしました。」
「ぎゃっとは何だったのじゃ?」
「あぁ、電撃がですね…(´・ω・`)」
「キルトが気を失った電撃か?」
「そ、そうです。その電撃です。」
「カノンはその電撃を受けても気を失わんのか?」
「私が設置したんですよ?その私が気を失う訳ないじゃないですか。ハハッ。」
「…そ、それもそうじゃな。戻りが早かったが用は済んだのか?」
「はい(´・ω・`)リバーシを用意しようとしたんですけど…失敗しました。」
「失敗?」
花音はスダレの前に木で創ったリバーシを置く。
「これは何じゃ?」
「今言ったリバーシですよ。こうやって最初に4枚置いて挟んで引っくり返して遊ぶんですけど…。」
「ふむ…引っくり返しても同じじゃな…。」
「はい。本当は片面に違う色を塗って分かり易いようにするんですけど、出来ませんでした(´・ω・`)」
「ふむ…それは色じゃないとダメなのか?」
「え?」
「いや、どちらがどちらなのかが分かればいいだけなら、色じゃなくとも模様でもいいんじゃないかと思っただけなのじゃ。」
「それだ!スダレさん行ってきます。」
「う、うむ。なんか師匠に似ておるのじゃ…。」
「ぎゃっ…。」
「…。」
「スダレさん完成しましたよ♪見てください♡」
「うむ、こちら側がウルフでこちらがマァトゥンか?」
「はい、ちょっとやってみましょう♪スダレさんがやってみて面白ければ、何点か作りますんで子供たちにも遊んでもらいたいです。」
「それならやってみるか…。」
花音はスダレにルール説明をして2人で遊んでみる。
「また負けたのじゃ、悔しいのじゃ~!もうちょっとなのじゃ、もうちょっと。何故勝てんのじゃ!、もう一勝負するのじゃ。」
「はい…。」
「ワザと負けたら許さんのじゃ。」
「はい…。」
失敗した~!スダレさんが負けず嫌いだったなんて予想外です(´・ω・`)
1戦、1戦は短いけど…13回目ともなるとキツイです(´A`。)
花音は心で泣いた。これからさらに4戦したところで救いの女神が戻って来た。
コンコン、コンコンコン、コンと扉がノックされる。
「あれ?このノックの仕方って…。」
「ん?誰か来たのじゃ。」
「そうですね、でもこのノックの仕方は…シナ婆さん?」
「シナ婆さん!?今日はここまでにするのじゃ。」
「このリバーシはスダレさんにプレゼントしますよ。模様の案をしてくれましたから。」
「いいのか!?本当に!」
「はい、いいですよ。」
「ありがたいのじゃ♪ありがとうカノン♡」
「そんなに喜んでもらえて…嬉しいですよ?」
再度コンコン、コンコンコン、コンと扉がノックされる。
「あっ、はい、はーい。」
花音は玄関へと向かう。
スダレが登場する予定はなかったのですけど…登場しました。
しかも負けず嫌いになって(´・ω・`)




