29、褌。いや、ピーガガガガッ…ダイジョウブデスヨ?
今回は私の中で異世界ものと言われる作品でもなかなか話に出ないと思われる部分のお話です、5話と似た感じです。
正直、これを投稿してもいいの?と疑問に思てますが、書いてしまったので投稿します。
ちょっと汚い?お話かもしれません、苦手な方はご注意くださいm(__)m
葉っぱって…私が寝てた時にかけられてたやつかな?
替えの下着も欲しいし、布があるなら可能性はあるのかな?
明日にでも行ってみたいな~…。
「カノンちゃんこっちっすよ。」
「すいません。」
「どうしったっすか?」
「雑貨屋さんに布があるって言ってたじゃないですか、だから下着が欲しいな~って考えてたんです。」
「下着っすか?置いてあるっすよ。」
「可愛いのがあればいいんですけど。」
「可愛い?っすか?」
キンはスズを片手で抱え直し、袋から布を取り出す。
「これが下着っす。」
「ん?これが?…あれ?私のと全然違うんですけど…でも見たことがあるよう…な?」
…あっ、褌?え?マジで?いや、マジで?…無理、無理、無理、無理ー!!
「ど、どうしたっすか!」
ピーガガガッと音がしそうな花音をキンは心配する。
「カ、カノンちゃん⁈大丈夫っすか?」
「ダイジョウブデスヨ。」
「なんか大丈夫じゃなさそうっすね。ちょっと休憩するっす。」
キンは花音を座らせてスズを花音の膝の上に乗せる。
「水を貰って来るっす、スズちゃん、その間カノンちゃんを頼むっすよ。」
スズは片羽を上げて返事をする、言葉は通じないがお互いに通じるものがあったようだ。
カンガエロ…カンガエルンダ…かんがえろ…考えるんだ…褌は日本でも祭りの時に履く子もいるんだし…だいじょうぶ、大丈夫、大丈夫だよ。
そう!私には創造錬金がある!なければ作ればいいじゃない!
そう、作ればいい、作るんだ、私の平穏と豊かな生活の為に作ればいい!!
私の平穏の為になら王様だって殴ってやるんだ!
ふぅ~ナ、ナビちゃんこの世界の下着って全部褌なの?
(花音様…言い難いのですが…。)
あれ?ナビちゃんが言い淀んでる…え?なに?何が起こるの?
(キン様のような下着は狩りや戦闘を主に行う人たちだけです。)
な、なんだ~ナビちゃんが言い淀むからビックリしたよ、普通の戦闘しない人たちはどうなの?
(……履いてません。)
え?履いて…え?ノーパ……え?マジで?
(はい、マジです。)
私、ちょっとルナさん殴ってくるよ!
(花音様、落ち着いてください。)
いや、でも……江戸時代はそうだったって言う話もあるけど…それでも無理!
(落ち着いてください、ルナリア様のとこには行けませんし、創造錬金で下着を作られるのでしょう?)
うん…そうだった、うん、分かったよ、ちょっと適当な所を滅ぼしてくるよ♡
(待ってください、ちょっと滅ぼすってどこの魔王ですか?)
え?ここの魔王ですけど?
(そうでした…花音様はうっかり魔王でした。)
うっかりじゃないよ!ナビちゃん失礼です!
(すいません…落ち着かれましたか?)
うん、ありがとねナビちゃん。
しかしナビちゃん、ここって私が思ってたより酷いね。
(花音様がどう思われていたのかは分かりませんが、1番文明が遅れてますからね。)
そうだった…だから私が呼ばれたんだった…
よし!私の私による私の為の文明発展をしていこう、うん。
花音は通常モード?に移行する、膝の上のスズに気付いて撫でる。
はぁ~癒されます~。もふもふ♪
「水を貰ってきたっす、カノンちゃんは大丈夫っすか?」
「もう大丈夫です。水、ありがとうございます。」
「で、どうしったっすか?何があったっすか?」
「特に何があったって訳じゃないですよ?」
「そうなんっすか?本当に大丈夫っすか?」
「はい、大丈夫です、心配をかけてすいません。」
「いいっすよ、大丈夫ならそれでいいっす。」
「トイレはここを真っ直ぐに言った所にあるっす、ちょっと時間がないっすから走るっすよ。」
「すいません、私の所為…ですね、分かりました、走りましょう!」
「じゃあ行くっす、しっかり付いてきて欲しいっす。」
キンが走り出し、花音はその後ろを走るはずだった…
だったのだが…花音自身は軽く走ったつもりだったが…。
「ちょ、カノンちゃん速すぎっす!自分を置いて行かないで欲しいっすよー!!」
あれ?キンさんは何処?
「はぁ…はぁ、はぁ、カノンちゃん速すぎるっす、自分の全力疾走より速いっすよ。」
「ごめんなさい、こんなに速く走れるとは思ってもみませんでした。」
「はぁ…そんなにトイレが楽しみだったっすか…。」
「違いますよ!」
「いいっす、あれがトイレっす。」
キンが指し示した場所に花音がこの世界で初めて作ったような四方を壁で囲ったものが4つ等間隔に設置されていた。
「向かって左2つが女性用っす、右2つが男性用になってるっす。」
「ちょっと見てきます。」
「自分はスズとここで休憩してるっす。」
花音は左のトイレへ向かう。
ドアじゃないのね、シナ婆さんの家の入口と同じ布で入り口を塞いでる…。
「誰か入ってますか?」
花音は入り口で声をかけてしばらく待つ。
返事がないから大丈夫だよね、
と自身を納得させ、「おじゃましま~す。」
と言ってトイレの中に入った花音の視界には穴があるだけだった…。
……穴?え?これだけ?……はぁ~文明が発展してないって言っても穴だけとは…せめて和式とかならまだよかったのに…これ、どうやって使うんだろ?
ルーさんの話ではスライムを使ってるって言ってたけど…。
花音は目の前の穴を覗いてみる。
ん~暗くて分かんないけど、穴の奥で何かが動いてる感じはする、スライムかな?不思議と臭いはしないんだよね…スライム効果かな?消臭スライム?
あれ?でもルーさんは臭いで全滅するって言ってたよね…そんなに鼻が利くのかな?
まあいいや、臭いのことは後で確認するとして、先ずはトイレの改良をキンさんに確認しながらしよう、せめて洋式の便器と便座ぐらいは付けたいですよ。
「キンさんちょと来てもらえますか?」
「なんっすか?トイレに問題でもあったっすか?」
「私的には問題しかありませんけど、ちょっとトイレを改良したいと思うんで意見を聞かせてください。」
「改良っすか?」
「はい、ちょっと作りますんで見てもらって、意見が欲しいんです。」
「わかったっす。」
花音はとりあえず洋式トイレの蓋なしを創造する。
「これなんですけど、どうですか?使い難かったり、使えなかったりしませんか?」
「これはどう使うっすか?」
「ああ、これはここに座るんです。」
「やってみるっす。」
・
・
・
「ん~、使い慣れてないだけと思うっすけど、違和感があるっすね。」
「そうですか。」
「でも、穴に落ちる子がいなくなりそうなのはいいっすね。」
「穴に落ちる人がいるんですか⁉」
「いるっす、子供が落ちることがあるっすね。」
「スライムは大丈夫なんですか?襲われたりしないですか?」
「それは大丈夫っす、トイレに使ってるスライムは人を襲わないやつっすから。」
「そうなんですね、でも落ちたら子供じゃ出て来れなくなるんじゃないですか?」
「出られないっすから、誰かが来るまで我慢っす。救出された後は川へ直行っす、寒いときは地獄っすよ。」
「……私の感覚で作るとダメですね、この穴に合わせて、子供が落ちないような造りにしてみます。」
穴に沿って便座部分が取り付けられるぐらいの最低限の高さで…子供でも動かし易いように便座を軽くて頑丈で大き目に…っと。
「これでどうですか?」
「ん~ちょっとこの枠が気になるっすけど、最初のよりは違和感はないっすね、それにこの蓋っすか?これを下ろして使えば、子供が落ちることがなくなりそうなのがいいっすね。」
「それはじゃ、とりあえずここだけこのままにして様子を見ましょう。問題があればすぐに元に戻しますし、他も同じにしたいなら対応しますから。」
「了解っす、カノンちゃんは耳を塞ぐっすよ。」
「え?」
花音は言われた通りに耳を塞ぎ、キンは大きく息を吸い込み大声で…
「キルー!!出て来るっす!!」
え?キル?ギルさん?
「キンさんキルってなんです?」
「キルはキルトのことっす、ずーっとカノンちゃんを監視してたみたいっすよ。」
「え?監視ですか?ずーっと?」
「かなり離れた所からっす、会話は聞こえてない距離っすから大丈夫っす。
自分も気が付かないぐらい離れてたっすから。」
「キンさんはいつ気が付いたんですか?」
「偶々っす、おやっさんの所から師匠の所に行くときに気が付いたっす。」
「ああ、あの時ですか。」
少ししてキルトが姿を現す。
あれ?また予定をオーバーしてしまいました。
創造錬金は異世界で生活し易くなるように選んだんですけど…何故かトイレばっかり創造してますね(´・ω・`)




