27、魔王の大人買い、いや、大量に手に入れましたけど…交換って買い物って気がしませんね。
ニグルは花音の前に鉱石を置いていく。
あ、綺麗なのもある♪ただの石…にしか見えない物ある…ね?
「嬢ちゃん、こっちから銅、青銅、黄銅、鉄鉱石、銀、金、隕鉄、金剛石、水晶、雲母、翡翠、ロードナイト、ミスリル、あとは魔石だな今あるのが…ケイヴアントとケイヴスパイダー、ケイヴバットで…俺秘蔵のアダマンタイトだ、これはさすがに譲れねぇがなカッカカカッ♪」
普通の石かと思ったのは金剛石…ダイヤモンドですか⁉
「この銅から魔石まではダンジョンで採れるんですか?」
「ああ、採れるから渡すのは問題ねぇが、ミスリルと銀、翡翠が入手し難いな。」
「入手し難いっていうのは?」
「ダンジョンで採れるんだが、今までダンジョンの最下層にたどり着いた奴がいないんだ、ミスリルと銀、翡翠が採れるのが10階層より下の階層になる。
今までで13階層が最高記録だな、嬢ちゃんが知ってる三獣士でも8階層ぐらいまでしか潜ってない。」
「キンさんたちってこの村で強い方でしたよね。」
「ああ、あいつらの師匠とシナ婆さん、ゴルクの爺さんを除けば強いな。
つってもスダレの師匠のシグレさん以外みんな年寄りだからなカッカカ。」
「えっ⁉シナ婆さんって強いんですか?見た目は可愛いお婆さんですよ。」
「シナ婆さんか?強いぞ、強いと言っても身体能力だけで言えばそれほどでもないが、魔法がな。」
「魔法ですか?。」
魔法関係はスダレさんにお願いしようかと思ってたけど、シナ婆さんにお願い…
いや、シナ婆さんは忙しいかもしれない…やっぱりスダレさんにお願いしよう…。
「魔法だ。身体能力は猫人だから素早さとかはあるみたいだが…歳だからな~あの婆さん。
あっ、これシナ婆さんには内緒で頼む。」
「いいですよ、私の能力の件を内緒にしてもらうことでお相子です。」
「ああ、分かった、でもシナ婆さんの場合…即死になりそうなんで頼むぞ、本当に。」
「はは、分かってますって。」
「実際、シナ婆さんとゴルクの爺さんとギルルド辺りが組めば最下層に行けそうな気はするんだがな。」
「組まないんですか?」
「ああ、シナ婆さんはダンジョン自体行かないし、ゴルクの爺さんとギルルドは1人で10階層と11階層だな…確か。」
「じゃあ、ゴルクの爺さんとギルルドさんで組めばいいのに。」
「あの2人は犬猿の仲だからな…見たまんま。」
「あ、ゴルクの爺さんって猿人なんですか?」
「ん?知らなかったのか?ゴルクの爺さんは俺達猿人の代表だ。」
「は~そうなんですね…っと鉱石全部ください、あるだけ。」
「はぁ⁉あるだけって嬢ちゃん、ここにあるの以外のもか?」
「はい。全部お願いします、私の能力を使って色々と試したいんで、ダメ…ですか?」
「ダメてぇことはないが、俺の仕事分を残しても結構な量だぞ、それに鉱石の交換は採取の仕事になるが大丈夫か?」
「そうだった…ニグルさんのお仕事のことも考えなきゃだった、少し時間がかかってもいいぐらいでお仕事に影響が出ない程度で全部ください。」
「おぅ、そんなに変わってねぇな……分かった、運搬はどうする?この袋は1つしかないからダメだぞ。」
「私、空間収納使えますから入れ物とかは別に必要ありませんよ。」
「はぁ~嬢ちゃんは見かけによらず凄い嬢ちゃんだったんだな…。
よし!分かったちょっと集めて来る、キンも戻って来たみてぇだしな。」
ニグルはそう言って奥へ、しばらくしてキンが戻ってくる。
「ただいまーっす。あれ?おやっさんはどうしたっすか?」
「お帰りなさい、ニグルさんは奥で鉱石集めてます。」
「集めるって…そんなに沢山っすか?交換のお仕事は大丈夫なんっすか?」
花音はん~っと首を傾げながら考えて
「たぶん大丈夫ですよ♪何とかなりますよ♪」
「そうっすか?カノンちゃんがそう言うならいいんっすけど…こっちは師匠にちゃんと頼んで来たっすよ、スズを抱えたままだったんでちょっと遅くなったっす。」
「ああ~そのまま抱えて行ったんですね…」
忘れてないよ…いや、鉱石のことで頭がいっぱいで忘れたなんてないから、忘れてないからね。
(忘れてましたね、花音様。)
はい、忘れてました、ごめんなさい。
「おう、戻ったかキン。
それで嬢ちゃんこれで全部だ…銅15、青銅10、黄銅10、鉄鉱石18、銀3、金7、隕鉄7、金剛石5、水晶8、雲母5、翡翠2、ロードナイト4、ミスリル2。
あとは魔石だな、ケイヴアントが23とケイヴスパイダーが16、ケイヴバットが30だ。」
「大量っすね。」
「あとサハギンの魔石が1つ紛れてたんでついでにサービスだ。」
「ありがとうございます、最初の魔石は茶色っぽいのに、この魔石は青っぽいんですね。」
「まさか…魔石を知らねぇってことはねぇよな?」
「知りませんけど?」
「…はぁ⁉知らねぇでこんなに大量に欲しがったのか?スゲェな嬢ちゃん。」
「そうっす!カノンちゃんは凄いんっす。」
「いや、それはおかしいぞキン…まあいい、教えといてやる。」
「はい、お願いします。」
「魔石は基本魔道具の核に使うものと、武器や防具に属性を付与する為に使う物がある。
俺の場合は武器と防具の方だな、魔道具の方はシグレさんが詳しいから気になるんなら、シグレさんに聞いてくれ。俺は魔術系はよく分かんねぇ。」
「属性付与って能力付与とは違うんですよね?」
「ああ、能力付与は無理だ…魔力の多い魔人やドラゴンならともかく普通は魔力が全然足りねぇ。
付与出来てもちょっと切れ味が良くなるぐらいで、ほとんど分かんねぇぐらいの付与しかできん。
で、属性は火・水・風・地とか色々とあるが…まあ、そういった属性を武器や防具に付与してやって弱点の属性で魔物とかと有利に戦うことができるようになる。」
「有利にってそんなに違うんですか?」
「正直…ここにある魔石じゃ大差ねぇな…強い魔物からは良い魔石が手に入る。
魔石つぅのは、魔物の魔力が時間をかけて体内で結晶化したものになる、だからその魔物の属性が魔石に反映されて…
ここにあるのは茶色っぽいだろ?これは地属性で属性が弱いから色が薄い、良い魔石は大きくて色が濃いんだ。サハギンは水属性だから青っぽいってな具合だな。」
「へ~そうなんですか。」
「は~そうなんっすね。」
「嬢ちゃんはともかく、お前まで感心してどうする。」
「いや、自分もそんなこと知らなかったっすよ?ただ魔物を倒して解体したら石が出て来たな?って感じっす。」
「お前な…いや?お前らしいのか?」
「キンさんらしいですね。」
「褒められると照れるっすね。」
「いや褒めてねぇ。」
「褒めてはないです。」
「そうなんっすか?しょんぼりっす。」
「お前はそのままで良いってこったな…ん?良いよな?良いのか?」
「そこで迷わないで欲しいっすよ。」
「あはは、魔道具の方はどう使うんですか?」
「魔道具か…さっきも言ったが俺は詳しくは分かんねぇな。
ただ火を使う魔道具には火属性の魔石が必要ってだけしか分からん…詳しいことはシグレさんに聞いてくれ。」
「そうですか…ありがとうございました。」
「あっ、ミスリルってカット出来ますか?」
「出来るが、嬢ちゃんはミスリル以上のナイフを持ってるか?」
「持ってないです。」
「ミスリルは鉄とかのナイフじゃ切れねぇからな、同じミスリルかアダマンタイトで出来たナイフとかじゃねぇとな…今必要な大きさが分かってるんなら俺が切ってやる。」
「じゃ、お願いします。このミスリルの1/3ぐらいの大きさで1つお願いします。」
「ちょっと待ってな、すぐ切ってくる。」
ニグルはまた奥へ向かう。
「この村は良い人ばかりですね…。」
「そうっすね、同族は家族っす、他の種族は親戚みたいなもんっすからね、ニャーさんみたいに魔が差す人は結構いるっすけどね。」
「待たせたな。ほら、これぐらいの大きさでいいか?」
「はい、ありがとうございます。」
お礼を言った花音は少し考え込む。
今回、中途半端なところで終わってます。続きを入れると長すぎる気がしたので中途半端になりました。
所謂、引きですね…すいません全然違います(´・ω・`)




