20、魔王の教導。いや、使い方を教えただけですよ?
明日の更新は10:00予定で予約投稿にチャレンジしてみようと思ってっます。
1話目が予約投稿だったのですが、初めての投稿だったこともあり、原因は分かりませんが上手く投稿できなかったので再チャレンジです。
花音たちは食事が来るのを待っている。
「キンさん、お尋ねしたいことがあるんですが…。」
花音は異世界に来て3日目、服を洗濯したいし、お風呂にも入りたいがシナ婆さんの家ではそれらしいものは見当たらなかった。
だから花音はキンに尋ねることにしてみた。
ルーに尋ねても良かったのだが…キルトが来たり、キンが突撃して来たりしたので、尋ね損ねた状況である。
「なんすっすか?」
「洗濯をしたいのと体を洗いたいんですが、何処で出来ますか?」
「洗濯っすか?川でごしごしーってするっすね、体も洗濯のついでに川で洗うっすね、あとは洗濯なら水魔法でぐるぐるーって感じっすね。」
「ぐるぐるーですか?」
「そうっす。水がぐるぐるーってなるっす、慣れないと操作が難しっす、自分でするか狐人に対価を渡せばしてくれるっすよ。
でも、狐人に頼むときは年配の人に頼むっす、若いのは止めといた方がいいっすよ、失敗して洗濯物がさらに汚れることになるときがあるっすから。」
「へぇ~、じゃあ、体を洗うのは川だけですか?お風呂とかないんですか?」
「体を洗うのは川か魔法ぐらいっすね、お風呂っていうのはちょっと分からないっす。
お風呂ってなんっすか?」
「お風呂はですね…形は色々とあるんですが、簡単にいうと、人が入れるぐらいの大きな鍋みたいな物にお湯をいれて、そのお湯に浸かる感じ…ですかね?」
「ははは、なんで疑問形っすか?」
「普段使ってた物を、全然知らない人に教えるのって思ったより難しいですね。」
「そうっすね、でもお風呂っすか…お湯に浸かるってのは寒いときには良さそうっすね。」
「寒いときはどうするんですか?」
「寒いときは普通体を洗わないっす、どうしても綺麗にしたいときは布を濡らして体を拭くっす。」
どうしようお風呂がない、創造錬金で作れるかな?お湯は水魔法と火魔法でいけるかな?急務ですよこれは!
「血とかはすぐ落とさないと厄介っすからね。」
「血…ですか?」
「そうっすよ?狩りとかしたときに返り血とかがどばーっとかかるっす。」
「狩りですか…私もこの村にお世話になる間は狩りぐらいしないとダメですね。」
「ダメってことはないっすよ?自分が養うっすよ?」
「い、いや、狩り覚えます、自立しますっす!」
「ははは、カノンちゃんなら前衛・後衛・斥候どれでもいけそうっすね、今度みんなで狩りにいくっすか?」
「え?は、はい是非。でも私戦闘とか素人ですよ?そんな前衛とか斥候とかできないですよ?後衛で見てるぐらいしか…。」
「そうなんっすか?ガルドラさん倒したっすよね?強いっすよね?」
「あれは偶々、ガルドラさんに体当たりが入っただけです。」
「それでも、ガルドラさんを倒したっすから、強いと思うんっすけどね…??」
花音はドラゴン並みの力を持っているが、本人は自分が強いとは全く思ってない、逆に、最初のタイラントボアに手も足も出せなかったことで、自分は弱いと思っている。
逆にキンは花音が自分より遥かに強いと思っている…勘で、どれ程強いかまでは分からないが…故に困惑する。
カノンちゃんは強さを隠したいんっすかね?いや…本当に自分は弱いと思ってる…?いやいや、そんなことはないっす…よね?あれ?本当に弱いと思ってるっすか?これは予定を変えて、この後師匠の所に行くっすかね?
「カノンちゃん、それなら自分の師匠の所で一緒に修行するっすか?」
「いいんですか?誰かに戦い方を教えてもらおうかな?って考えてはいたんですよ。」
「いいっすよ、カノンちゃんと一緒に修行できるように、師匠を説得するっす!拳で♪」
「はい、ありがとうございます…え?拳で?」
「おう、待たせたな飯持ってきたぞ。」
「ギルさん待ったっすよ、カノンちゃんを待たせるとは何事っすか!」
「お、おう、すまんな…どんだけ嬢ちゃんを気に入ってんだよ…。」
「嬢ちゃんも待たせたな。」
持ってきてくれた食事は野菜炒めのような見た目のものと、スープだったのだが…キンは普段通りといった感じで手掴みで食べだした。
「んぐ?じょうじったっずか?」
「あの…お箸とかスプーンとかは…ない…ですよね。」
「んぐ…ごっく…お箸、スプーンってなんっすか?」
「嬢ちゃんお箸とスプーンってのはなんだい?」
「お箸というのは…説明し難いですね、実物を見てもらった方がいいかな?適当な大きさの木を2つ欲しいんですけどありますか?ちゃんと対価出しますんで。」
「ん?あ~薪に使えないやつがあったな?嬢ちゃん対価いらねぇ、ちょっと待ってな。」
ギルは建物の中へ入って行き、湿った木を数個持ってきた。
「ほら、使い物にならん木だ、湿ってたりしてるが大丈夫か?」
「はい、多分大丈夫です、先ずはスプーンから…。」
花音は創造錬金でスプーンを作り出す。
「これがスプーンです、鉄とか銀とか違う素材で出来た物もあるんですが、、形はそんなに変わりません。」
「どうやったんっすか?凄いっすね。」
「すげーな、嬢ちゃんこれはどう使うんだ?」
「これは、スプーンの窪んだ?…ここで、スープを掬って飲むんです。」
「ほう…。」
「それだっけっすか?このまま飲んだ方が早いっすよ?」
「ははは、食べ方は人それぞれですけど、私の国ではスープをズズズーと音を立てないとか色々とマナー…制約?…約束があったんです。」
「なんか大変っすね…。」
「だな。この村じゃ考えられん。」
「次に…。」
花音は箸を作り出す。
「これがお箸です、この2つの棒?で食べ物を挟んで食べるんです、単に手が汚れないってだけですけどね。」
「ほう、器用なもんだ。」
「そうっすね。でもこの箸ってどこかで見た気が…あっ!師匠が一生懸命使おうとしてたっす!
何かになるのに必要とか言ってたっすね…結局出来なくて握って刺してたっすけど…。」
「慣れないと使いづらいですからね、私も子供の頃にお母さんに教えられました…。」
あぁ、ここにも思い出が…何気ないことにも思い出があるんだ…。
「どうしったすか?」
「な、なんでもありません、これ美味しいですね。」
「お?ありがとうな嬢ちゃん、昔どこかのガキが不味いっすとかいいやがって色々頑張ったんだよ。」
2人がキンに視線を向けて苦笑いをする。
「それじゃ、もうすぐ飯時だから人が増えて騒がしくなるかもしれんが、ゆっくりしてくれ。」
「ありがとうございます。」
しばらくして、ギルの言う通り人が増えて来た。
来る村人たちは花音を見て、「大泣きちゃん」「大泣きした子(娘)」や「大泣きの嬢ちゃん」など、
来る人、来る人に言われるので、花音は「私の名前は花音です!」といってあまりゆっくり出来ずにその場を離れる。
「みんな失礼っす、カノンちゃんはカノンちゃんなんっす!大泣きちゃんじゃないっす!」
とキンは怒っている。
「今度みんなにちゃんと伝えとくっす。」
「ありがとうございます、でもできれば男の人にはちゃんを付けないようにお願いします。」
「え?あ~分かったっす?」
「不安です…。」
「さて、メシも食ったっす。先に村を案内しようと思ったっすけど…師匠の所に行くっす。」
「はい。」
花音とキンはしばらく歩く、歩いている途中で
「いやー!殺さないで、私には今度産まれてくる子供がいるのよ!」
と花音には女性の助けを呼ぶ声が聞こえてきたが、キンは聞こえてないのか、気が付いた様子もなくそのまま歩いている。
花音はキョロキョロと周囲を見渡すが…特に変わった様子はない。
「いやー!誰か助けてー!」
と、さらに助けを求める声が、花音はある場所に視線を向ける。
「た、助けて、お、お願い、たすけてよー!」
「おじさん!ストップ!待って!まってー。」
花音は静止の声を上げ、おじさんと呼ばれた猫人族のおっさんの動きが止まる。
「な、なんだ?…大泣きしてた子か?どうした?」
「カノンちゃんどうしったっすか?」
「その鳥、私に売ってください。」
助けを呼ぶ声、花音が声をかけた先には、今まさに鳥を解体しようとしていた猫人族のおっさんと、解体されそうになっている鳥がいた…。
普段使ってる物を現物なしで改めて知らない人に説明するのは難しいですね
(´・ω・`)
教える立場にいる方は異世界の人に教える感じで、どう説明すれば分かってもらえるか考えたら、分かり易く教えられるかもしれませんね。
学校の先生なんか特に…今の学校教育は知らないので、何とも言えませんが、学校は知識を詰め込ませる場所ではないと思うのですよ、知識に興味を持たせる場所だと思いますデスハイ。
学生の頃嫌いになった教科ってなかなか自分から勉強しないと思うんですよね。と、つい学生の頃を思い出してこんなことを書いてしまいました、
すいませんm(__)m




