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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
180/183

179、包帯っぽい。

すいません。先週は忙しさで投稿…する段階まで行けませんでした。



花音は再び武道場に入ると、ラクネアとそのラクネアの糸を部分的に体に巻き付けているエレンシアが待っていた。


「目が覚めましたか?」

「はい。手当ありがとうございました。」

「手当はスリーピーさんですから、スリーピーさんに言ってください。」

「スリーピー様、ありがとうございます。」

「マスターの命令。」

「結局主に戻るですです。」

「なんでだろう?それにしてもエレンシアさんのその恰好…ベンダスタイル?」

「ですです。」

「ベンダよりも面積がかなり少ないですけど…。」

「ベンダを知ってるんですね。」

「体中に包帯巻いてる魔物ですです。主が服を用意してくれるですと伝えてるですです。なので最小限で止めたですです。」


「そうでした…ちょっと取って来ます。」



花音は外に放置して来たマネキンを持って武道場に戻って来る。



「これは…。」

「主、攻撃してみてもいいです?」

「いいですよ。でも消滅させるのはダメです。」

「分かったですです。」



そう言ってラクネアは『雷』と唱え、電撃を放つと、マネキンの身に着けている衣装は、服は破れ焦げるが、鎖帷子、籠手や胸当ては電撃をくらった場所は黒焦げ変色しているだけで、破損は見られない。

そしてそれを花音が修復する。



「良いです。エルちゃん良いもの貰ったですね、です。」

「え?…しかしこのような物頂いても良いのでしょうか?」

「良いですよ。お礼とお詫びの為に作った物ですから、遠慮せずに受け取ってください。」


「お礼とお詫びですか?」


「お礼はお米ですね。お詫びはエレンシアさんの装備を吹き飛ばしたことです。」


「お米の方はラク姉ちゃんが用意した物ですし、お詫びの方は…戦闘であれば致し方ないことですから、私がこんな凄い装備を頂く訳にも…。」


「お米はエルちゃんが許可出したから用意出来たですです。」

「そ、それはそうなんだけど、それでもこれは…。」


「なら、ラクネアさんを従魔にしちゃったお詫びでどうですか?」


「いや、それでも、それに主さんの従魔になることを選んだのはラク姉ちゃんですから、お詫びも何もないと思うのですが…。」


「頑固ですね………それならエレンシアさんも手伝ってもらうお礼の先払いです。」


「え?手伝い?え?」

「主はエルちゃんに何を手伝わせるつもりですです?」


「そんな恐い顔しないでくださいよ。単にここで訓練する村人たちの相手を時間があるときにしてもらえればそれで良いだけです。」

「それなら―――」

「その申し出は有難いですが、無理です。」


「無理…ですか?」


「はい。あの感覚では場合によっては殺してしまうかもしれません。」


「あの感覚…あ、忌避感ですか…。」


「はい、なんと説明すればいいのか…視界に入るだけで殺意が湧き上がると言うか…。」

「そこまでなんですです?」


「ラク姉ちゃんは感じないから分からないんだろうけどね…ディスカンファルと遭遇した時と同じくらいか、少しマシって感じかな?」


「あれと同等ですです⁉」


「うん。」

「良く抑えられたですね…です。」

「抑えたというよりも、戦闘中は主さんに集中してたし、それ以外はなるべく視界に入れないようにしてたから…臭いがない分、それで何とかなったんだよ。」


「あの~、ディスカンファルってなんですか?」


「主さんはディスカンファルを知りませんか?」

「はい、知りませんけど?」

「あれはこっちには居ないですです。」


「ああそうなんだ。ディスカンファルは滅多に遭遇しない魔物ですが、見た目はスライムに近いですかね?不快を招く者とも言われてまして、悪臭と黒く蠢く………蠢く…。」


説明途中でその姿を思い浮かべたのか、エレンシアは少し顔を歪める。


「触手があるですです。うちは見た瞬間に殺したくなるですです。

ただ、再生能力が高いために、うちは問題ないですが…三獣士程度の強さではダメです…。」


「キンたん達はダメなんですか?」


「ですです。あの猿人も…丁度良い人物が見当たらないですです。

まあ、ゴルクとかいう猿人より少し上です?逃げないと、触手に捕まって殺されるですです。それはもう悲惨の一言ですです。」


「悲惨って…。」

「主さんが想像された通りかと思いますよ?男でも女でも変わりませんけどね…。」

「穴という穴に触手が突っ込まれて、中から食われるですです。」

「あれは食べるというよりも中から溶かしてるって感じだよ。」

「エルちゃんはそう感じるですです?うちには食べてる様に見えるです。

あれです、硬いものを煮込んで柔らかくするですです、あれと同じですです。」

「あれってそういう意味なの⁉うわ~…。」


「なんでそこで2人の意見が分かれるんですか?」


「ディスカンファルの話は好んでしませんし、余程の事でもなければ、話に上げることもしたくないんです。」

「ですです。おそらく魔物とそれ以外で認識が違うと思うですです。同じ魔物でも認識が変わって来るかもしれないですです。」


「そうなんですか…尻尾付の呪いはそのディスなんちゃらと同じくらい酷いんですよね?」

「うちは全然感じないですです、でもエルちゃんはそう感じるみたいですです。」

「そうです。なので、修行の相手は難しいと思います。」


「そうですか…なら、実験の手伝いでどうですか?」


「実験ですか?」


「はい。今私はこの呪いを抑える物を作ろうとしてます。でも50%ほどで止まってしまってまして、その状況でどのくらい変わるのかというのと、それ以上の物ができたときに、どうなのかを教えて欲しいんです。」


「あれを抑える…。」

「はい。ですが、私や他の人にはその効果が分かりません。

今回の件でエレンシアさんにはそれが分かることが判明しましたから、そこで手伝いをお願いしたいと思うんです。」


「………。」

「エルちゃん。」

「ん?」

「その手伝いの時にはうちが側に居るですです。」

「ラク姉ちゃん………分かりました。ラク姉ちゃんが側に居るという条件であればお受けします。」

「ありがとうございます♪」

「いえ、それはこちらのセリフです。」

「あっ…。」

「どうかしましたか?」

「いえ、セリフって言葉あるんだな~って思いまして。」

「ん?」


「この村で横文字…横文字で分かりますか?」

「すいません、その横文字とは何ですか?」

「あ~、さっきのセリフとか、え~っと…ブラッドロードとかのことです。

この村ではセリフと言っても通じないですから。」


「ああ、どうなのラク姉ちゃん?」

「ちょっと待って欲しいですです。

…ああ、うん。成程ですです。

主の問いですが、この大陸でもうちらの大陸の言葉はある程度は通じるですです。でもこの村は…ちょっと特殊ですです。」


「特殊…だとは思いますけど。」


「この村の生い立ちは知ってるですです?」

「はい、一応聞きました。」

「なら省略するですです。この村の言語はこの村が出来てすぐの頃の旅立った者達があちらこちらから教わって来たものですです。」


「そうなんですか?」

「ですです。そこで問題になったのはエルちゃんですです。」

「えっ⁉私⁈」

「冗談ですです♪」

「もぅ~、ビックリするじゃない。」

「ふふふ、エルちゃんというのは冗談ですです。が、エルちゃんの様な者が多かったと言えば分かるです?」


「あっ…。」


「ちゃんと教われる人が居なかったということですか?」

「ですです。」


「失礼しますニャ。」


「シナ婆さん…とキンたん、どうかしましたか?」


「自分はカノンちゃんに確認に来ただけっすよ。」

「私に?」

「ハル婆さんがお風呂用意しても良いのか聞いて来いって言われたっす。」

「ああ、お願いします。」

「了解っす。」


「あ、その前にこれ着けてもらえますか?」


花音は去ろうとしていたキンを呼び止めて指輪をシナ婆さんとキンに1つずつ渡す。

そしてエレンシアはシナ婆さんが入ってきた瞬間、ラクネアの糸によって拘束されている。


「これっすか?また外れないってことはないっすか?」


「それは大丈夫です。ただ出来れば何かの拍子に外れないようにしたいとは思ってますけどね。」


「何かの?この腕輪もそうっすけど、ぴったりで簡単に外れるような物じゃないっすよ?」


「いえ、そっちじゃなくて…その腕輪は私しか外せないと言いましたけど…」

「そう聞いたっす、そして実際その通りだったっすよ?」


「そうだニャ…ただ普通の外し方だとほとんど外れニャいと思うがニャ…。」

「普通の…ああ、そういうことっすか。」

「そういうことだニャ、腕ごと手首ごと切ってしまえば外すことは出来ると思うニャよ…。」

「自分はそこまでして外したくないっすけどね。」

「それはこの腕輪がカノちゃんの作った物だからだニャ…。」


シナ婆さんとキンはそんな会話をしながら指に指輪に指を通すと自動的にピッタリのサイズになる。


「これで良いのかニャ?」

「着けたっすよ。」

「エレンシアさんどうですか?」

「え?」

「2人を見てどう感じますか?」

「あっ…ああ。え~っと…シナロナさんは若干ではありますが警戒は薄れました。こちらの犬人…。」

「キンっす。」

「キンッスさんは…。」

「あははは♪キンッスさんじゃないですよ、キンさんです。」

「失礼しました。キンさんの方は…殺意までは行きませんが、どう言えば伝わるのか……何発か殴りたいって感じですね。」


「酷いっす!」


「今の感じで訓練したらどうですか?」

「訓練ですか?………殺すことはなんとか避けれるでしょうが、良くて半殺し、最悪虫の息ですね。四肢を砕いて這いずる虫です。」


「なんか恐いことい言われたっすよ⁉」


「あはは…キンたんは本気のエレンシアさんと戦ったらどうなると思いますか?」

「本気のエレンシアさんっすか?」

「そうです。まあ訓練ですけどね…。」

「訓練っすか………良くて3撃防げるかどうかってところっすか?後は這いずる虫まで一直線っすね。」


「キンたんでそれなら…。」


「わーの見解では、ヨスガとキン、キルトが同等かニャ?ナンとゴルドフが少し実力が落ちるがニャ…後は何があったのか分からニャいまま一瞬で虫にニャってるニャ。」


「それはそれで…殺すのは回避出来るんですよね?」

「え?まあ、おそらくは…って、主さん何か恐ろしいこと考えてませんか?」


「酷いですね…全員にって訳じゃないですよ、希望者とちょっと手合わせしてもらいたいだけです。」


「えっ⁉本気ですか⁈」


「本気と書いてマジです。」

「ラク姉ちゃん………。」

「主のことです、何か考えがあるとは思うですです。

でも引き受けるかはエルちゃん次第ですです。一応、貰った装備の分は実験に付き合うことでオッケーってことになってるですです。」


「しまった…取引材料が無くなってました。」


「あ、いえ、この村の村人相手ならそこまで手間ってこともないので―――」

「言ってくれるっすね。でも…本当のことだけに言い返せないっす。しょぼーん。」

「実力差があり過ぎだニャ。キンはシナちゃんの所に戻らニャくても良いのかニャ?」


「そうだったっす!カノンちゃんお風呂の準備してもらっていいんっすよね?」

「はい。ハルサメさん以外は1度入ってますから、増えてるのに気付いてるとは思いますけど―――」


と、花音は一通り説明して、キンはお風呂場に向かって駆けて行く。


「それでシナ婆さんは…。」

「わーはカノちゃんたちがこの村の言葉について話してたみたいだからニャ、わーの知ってることを伝えておこうかと思っただけニャ。」

「すいません。お願してもいいですか?」

「任せるニャ♪カノちゃんが来ないとお風呂が始まらニャいからニャ。」

「ああそれならエレンシアさんもいっしょ…って、首を横に振ってますね。」


「その指輪があったとしても無理です!」


「そうですか…でもお風呂には入って行ってくださいね?」

「いや、でも…。」

「うちは入ってみたいですです。」


あ、ラクネアさんが入れる深さのお風呂が無いや…3人用のお風呂を改良しよう。


「ラクネアさんもああ言ってますから、ね?」

「それでは、頂いた装備の確認をしながらお待ちします。」

「はい♪」

って、エレンシアさんまだセクシーベンダスタイルでした…。





ベンダってスペイン語で包帯って意味らしいんですけどね…ベンダで検索したらIT用語がヒットしました。

英語のバンデジ、バンテージでも良かったんですけどね…

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