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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
172/183

172、説明2。主抜きですです。

※よろしくない内容が含まれてます。

非人道的、暴力的なものに耐性がない方はご注意ください。



ラクネアの言葉に少し沈黙が降り、村長が口を開く…。



「ラクネア殿、そのモルモットとは?」


「実験動物を指すです。」


「どんな実験を行ってるのかニャ?その内容によってはオルト救出の期限が決まるニャ。」


「うちの予想では、あの猫人が殺されることは当分ないと思うですです。

今は実験に欠かせない人物です。生かさず殺さずで、もう数年は大丈夫だと思うですです。」


「その根拠は何かの?」


「実験内容と、主の命でうちが急ぎ調べられる範囲で調べた結果、この大陸の尻尾付はこの村にしか居なかったのが分かった為ですです。

その実験の内容上、尻尾付であるオルトは、尻尾付が手に入らない状況では必要不可欠だからですです。」



しばしの沈黙がその場を支配する…。



「そうか…わしらしかもう居らんのかの…。」


「カンダチ、悲観的に考えるんじゃニャいニャよ。わーたちのような者がこの村にしか居ないということは、わーたちが知らニャい、奴隷にされてる同朋は居ニャいということニャよ。」


「そうじゃの。」

「ですです。でも…完璧じゃないですから、居る可能性はまだ残ってはいるですです。」


「それはそうじゃのぅ…新たに産まれる子もおるだろうしの。して、その実験内容とはどのようなものなのかのぅ?」


「実験内容は、種の配合実験と言ったところですです。」


「種の配合?」


「そうですです。尻尾の有無は関係ないですです。

他の獣人族、尻尾は付いてないですが、獣人の奴隷を中心に人とか、果てはモンスターに動物と、色々な種族との間に子を作らせようとしている状況ですです。」


「何故その様なことを!」


「落ち着くですです。主も同じなんですかね?です?

うちも捕虜としては生きてる分良いとは言ったですが…そういうのは、あまり気分の良いものではないですです。

主が命令すれば全力で全てを灰燼にしたいほどですです。が…。」


「本音で言えば、わーも聞いてて良い気分ではニャいニャよ。

わーが旅をしてるときには聞いたことがニャかったんだがニャ…。」


「ですです。ここ13年程前からですです。

うちが調べた結果、出来れば尻尾付の子供を、と思ってるみたいですです。

ただ、尻尾付に拘ってる訳でもないです。複数の特性を持った子供を、といった感じですです。

今までの結果は失敗ですです。

獣人族との間に子が産まれてるですが、望んだ特性を有した子供は産まれてないです。

そして、尻尾付の子も産まれてないみたいですです。

次に、人族との間には子供すら産まれてないです。

勿論、モンスターと動物も、という状況ですです。」


「何故、出来れば尻尾付の子供をっと言ったのかニャ?」


「うちからすれば、強さの違いが分からないです。ですが、欲しがってる人族からすれば、尻尾付の獣人は、普通の獣人よりも強いらしいですです。

なので、出来れば尻尾付を、と望んでるみたいですです。」


「それで、尻尾付のオルトは生かされていると…いう訳だニャ?」


「ですです。特に尻尾付の獣人は希少ですです。だからすぐに処分されることはないと、うちは判断するですです。」


「その複数の特性というのは?」


「簡単に言えば、猫人特有の身軽さと速さを有しながら、狐人のように魔法に秀でてるとでも言えばいいです?

逆でも良いみたいですです。」


「複数の種族の特性を持った子供を…かニャ。」

「ですです。」



「……だから、にゃーを捕まえようとしたんですかにゃ?」


「それもあると思うですです。子供が産まれるなら、男でも女でも関係ないみたいですです。

でも…男は手に入れたです。が、実験が上手く進んでないから逃げた女の子をって感じですです。

別にタマにゃんだけを狙ってる訳じゃないですです。

人族の間で知られてる、三獣士もそこに含まれてるですです。」


「ゴルクやわーたちもかニャ?」


「ですです。が、おそらく殲滅…シナ婆さんは狙ってないですです。」


「わーは歳だからニャ…。代われるものならわーが代わってやるのにニャ。」


「向こうが断ると思うですです?」


「そうだろうのぅ…。」

「そうでしょうね。」

「そうだと思いますわ。」


「みんニャ酷いニャよ!」


「「ハハハハハ♪」」


この瞬間だけは、重かったこの場の雰囲気も若干和らぐ…。



「良い村ですです。……運が良かったですですね。」


「運が?その者は尻尾付の者を欲しがっておるのじゃろ?」


「ですです。少し話すですです。

先ず、そいつが何故、尻尾付の子を欲しがってるのかの理由までは調べられなかったです。

ただ、複数の種族の能力を有した子を手に入れる…出来れば尻尾付を、というのが目的ではあるみたいですです。

その為、沢山の兵が獣人、特に尻尾付を捕える為にこの森に向かったですです。」


「なんと⁉至急―――。」

「落ち着くニャ!それで、到着までまだ時間はあるのかニャ?」


「うちは運が良いと言ったですです。この森に向かった兵は途中で引き返していったですです。」


「何故その様な事に?」


「スライムが大量発生した為ですです。」


「スライムが?」


「ですです。主のお陰ですです。」


「カノちゃんが何かしてくれたのかニャ?」


「主はそのつもりはなかったと思うですです。主は川に水魔法を放ってただけですです。

その結果が、森への侵攻を防ぐことになっただけですです。」


「カノちゃんが川に……ニャ⁉」


「そういう訳で現在人族は、その処理に追われてる状況ですです。

強いスライムも居たそうですから、直ぐにはこの森へは来ないと思うですです。」


「その大量発生したスライムは、カノちゃんの従魔にニャるのかニャ?」


「それはないですです。従魔契約は従魔になる相手の意志が必要ですです。

それに主の意志も必要ですです。

今回大量発生したスライムは、単に餌…主の魔力を吸収して、容量を超えてしまっただけですです。

その為、生き残る為に大量に分裂しただけですです。」


「それでも、カノン殿には感謝せねばならんのぅ…。」

「そうだニャ…。」


「話が逸れたですね。え~っとです~…そうそう。

人族はまだ赤子だった、そこのタマにゃんを手に入れたです。

おそらく、子を産ませるのが目的だったと思うですが、逃げ出すまで……って言っても大丈夫ですです?」


「…………はいですにゃ。にゃーはもう逃げません!ですにゃ!」



キルトやシナ婆さんたちはタマの決意を複雑そうな顔で受け入れ、

ラクネアはその自身の幼い顔に子供の成長を喜ぶ母のように優しい笑みを一瞬浮かべて…

「主が気にかけるだけはあるですです。」と呟く…。



「同族、他種族を含め、人に言うことを聞かせる方法は知ってるです?」



キルトやクルトからは「力。」

カルトは「カノン様!」

村長は「立場かのぅ…。」

っという回答が出て来る。



「どれも正解で、どれも間違ってるですです。その猫人の主と言う回答は…間違ってないですが―――。」

「ですわ♪」


「今回は間違いですです。」

「何故ですの⁉」


「…隷属の首輪…かニャ?」


「ですです。今回のはシナ婆さんが正解ですです。

主という回答は反則ですです。さっきの回答の力と立場以外にも色々と含まれ過ぎですです。」


「残念ですわ…。」


「今回はシナ婆さんの隷属の首輪が正解ですです。ただ、その隷属の首輪ですら完全にその者の意志を縛ることは出来ないです。

では、どうすれば完全に縛ることが出来るのか…です。」


「先を聞くのが怖いのじゃがのぅ…。」


「正直、これに気付いた者はきっと…真っ当な者ではないですです。」


「わーもそんニャことは聞いたことがニャい話だニャ。」


「その方法は恐怖と隷属の首輪ですです。」


「首輪と…恐怖かニャ。」



その場の全員の視線がタマに集中し、タマがグッっと手を握ってから、俯いていた顔を上げる。



「にゃーは、その隷属の首輪はまだされてませんでしたにゃ。

ただ、物心ついたころから少しして…毎日叩かれ、殴られ、指を、尻尾を切られ、回復される…これを繰り返してた毎日でしたにゃ。

恐怖は当然ありましたがにゃ、生きることすら放棄してましたにゃ…。」


「タマ…。」

「辛いだろうが聞かせて欲しい…この森に逃げ込んだとき、何があった?」

「クルト!」

「キルト!…これは、これは聞いておかなければならないことなんだ。」

「だが!」



「ごめんなさいですにゃ。そこは全然思い出せないんですにゃ。

ただ、気付いたらこの森を彷徨ってたみたいですにゃ…そしてあの人がこの村へ行けと…言われて、指示された方向に向かっただけですにゃ…。」


「そうか…すまなかった。」

「そこはうちが答えるです。」

「⁉、知ってるんですすかにゃ⁈」


「知ってるというよりも、報告書を見つけることが出来ただけですです。

報告書にはこう書かれてあったですです―――。」



件名:猫人族の少女の消息。


状況:他の尻尾付、あるいは獣人族を誘き出す為に同行させた猫人族の少女を連れた隊がレッドウルフかシャドウウルフに襲われ、全滅したと思われる。

死体の破損状況からウルフ。残っていた毛から判断して、シャドウウルフに襲われたと推測される。

最重要人物の猫人族の少女は、その場に放置された荷馬車(馬死亡)の状況から、壊された牢から逃走、若しくは死体も残らない、あるいは判別できないほど食い散らかされたと思われる。


隊の生き残り…無し。

猫人族の少女…生死不明。

猫人の少女の遺体がその場にないことから生きて逃走した可能性も含めて急ぎ調査を行う。



「―――という報告書があったです。」


「その様な事がのぅ…。」


「そんなことの為に…村長。村の皆に注意させましょう。」


「ちょっと待つニャ。気持ちは分かるがニャ、そこは注意するだけ無駄ニャよ。」


「何故ですか?同じ境遇の者であれば、助けるのは―――あっ…。」


「気付いたかニャ?ラクネアさんはこの大陸にはわーたちの村以外に尻尾付は居ニャいと言ったんだニャ。

仮に他の獣人を使ったとしても、わーたちが助けることは……今のところニャいということニャよ。」


「そう…ですね。」



「続きを…いいです?」


「すいません。お願いします。」


「それではです。恐怖を植え付け、逆らえない状況にまで追い込んでから隷属の首輪です。

これで完全にその相手を縛ることが可能だそうですです。

ただ…タマにゃんの場合はやり過ぎですです。

確かに恐怖で相手を縛るなら小さい頃から―――。」


「ラクネア殿!」


「キルトは過保護ですね……その方が効果があるという話ですわよ。

タマの過去はタマ自身で乗り越えるしかありませんわよ。」


「だが…。」


「ですです。タマにゃんが乗り越えるべきものですです。

そう告げたかったですが…この猫人、本当にさっきまで悶えてた猫人と同一人物ですです?」


「残念だがニャ…同一人物ニャよ。」


「酷いですわね。それに私はカルトです!いくらカノン様の従魔でも、この猫人とかその猫人と言われ続けるのは不快ですわ!」


「カルトですです?分かったです。」

「強者ですのに、思ったよりも素直ですわね…。」


「主は自分の大切に思う者を守って欲しいと言ったですです。なら、主の為に守る対象の名前ぐらいはちゃんと覚えるですです。」


「大切…カノン様が私を大切…くひっ♪」


「カルトとは言ってないですです…本当にこのカルトを守らなきゃいけないですです?」


「カノちゃんが絡むとこうニャるニャ。面目ニャいニャ。」


「説明の続きどうするです?」


「お願いするニャ。抜けてる部分はキルトとクルトに後で説明させるニャ。」


「酷いですわ!ちゃんとお伺いしますわよ!」


「…分かったですです。ここまで話した内容で、オルトという猫人に子を作らせていること以外は、まだ主に報告してないです。」


「何故カノちゃんに報告してニャいニャ?」


「別に他意はないです。この場で報告しようと思ってたら主が出て行って、まだ、報告出来てないってだけですです。

ここからは主も知ってる内容です。オルトという猫人の状態ですです―――。」



ラクネアによるオルトの状態の説明が行われる…。



「師匠は自力で逃げられない状況なのですね…。」


「無理ですです。四肢を切られ、その切り口を焼かれてるです。

その上、隷属の首輪と精力を増強させる薬に発情を促す香ですです。

薬と香は時間で治せる可能性があるですが…

部位欠損は伝説のエリクサーでもなければ、回復は無理だと思うですです。もしくは―――。」


「そ、そんにゃ…。」


「部位欠損は気にする必要はニャいニャ。」


「何故ですか!」


「カノちゃんはオルトの状況は知ってると言ってたニャ、その上でカノちゃんは全力で良い方向にと言ったんだからニャ。」


「カノン殿が…。」

「カノン殿がそのようにシナロナ様に伝えたのであれば、どうにか出来ということなのでしょうね…。」

「カノン様ですから♪」


「ですです。ガルドラさんの奥さんが主の作ったメダルで部位欠損が回復してるみたいですです。

それでオルトの部位欠損は解決ですです。」



その話にその場の1人を除く全員が呆気にとられる、例外のカルトは恍惚な顔をしている…。



「そんな重要なことをさらっと言わないで欲しいのだがのぅ…。」


「ラクネアさんはカノちゃんの従魔だからニャ…何処か、ズレて来てるんだろうニャ。」


「殲滅!じゃなかったです。シナ婆さんは酷いですです。うちは主のように天然で爆弾は投下しないですです。

ちゃんと考えて伝えても問題ないと思ったから伝えたですです。」


「わーたちもカノちゃんの影響で感覚がズレて来てるがニャ…

ラクネアさん、伝説のエリクサー以外で部位欠損を回復できる物って存在するのかニャ?」


「ないですです。」


「それを作ってしまうカノちゃんは?」



ポク、ポク、ポク…チーン。



「規格外過ぎですです!」

「カノン様なら当然ですわ♪」


「カルト…まあ、そういうことだニャ。」


「うちも主に毒されてたです…気を付けるですです。

これでうちからの説明は終わりですです。主を呼ぶです?」


「少し待ってもらえるかのぅ。」


「待つです?…何か残ってたですかね?です?」


「いや、カノン殿が来る前にオルトの弟子である、キルトたちと、タマに確認を、っと思っての。」


「それなら、うちは待つですです。」


「感謝するのぅ、それでは、キルト、カルト、クルト、それに…タマに確認しておくの。

オルトの件を聞いてどうする?どうしたい?

その回答によっては、わしらの行動が決まる。

あるいはわしからカノン殿に頼む……頼むのか…気が引けるのぅ…。」


「カンダチ!そこまで言っといて、尻尾を巻くとはどういうことニャ!」


「いやのぅ…人族と争うことになる可能性と、カノン殿に頼ってしまって良いのか?ということで、気が重くなっただけじゃ…の。」


「気持ちは分かるがニャ、でも、オルトの件ではカノちゃんのことは気にしニャくても良いニャよ。」


「どうしてかの?カノン殿に迷惑をかけてしまわないかのぅ…。」


「カノちゃんは全力で良い方向にって言ったニャよ、わーたちがどんな選択を選んでも、カノちゃんは力を貸してくれるニャ。

だから、その辺は気にせずに、みんニャの気持ちをわーも確認しておきたいニャ。」



村長とシナ婆さんの言葉に4人はしばし黙って熟考する…。




自分の他の作品と合わせて、連続でこの手の内容でしたので、やさぐれてしまってます。

たぶん内容は…会話は成立してると思うんですけどね…。

大丈夫かな?たぶん大丈夫…大丈夫…。

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