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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
164/183

163、手合わせ。直前です。

お久しぶりです。そしてすいません。

投稿しようとしたらメンテに入ってました。



花音とシナ婆さんが外に出ると、タマを囲んだキンたちとそれを少し離れた所で見ているクルトとキルトの姿が見える。



なんか声かけ難いんですけど…。


「あっ、カノンちゃんとシナお婆ちゃん。」


「お話は済みましたか?」


「まだ話足りないけど手合わせもあるからね。」


「そうじゃな。」

「そうっすね、お説教は今度っすね。」


「その辺りは後に回すとして、手合わせの後の方が私やクルトには重要ですから、おそらくタマにとっても…。」

「わーにとってもニャ。」


「そうですね。武道場に戻りましょうか。」



花音たちはぞろぞろと武道場に戻れば、中で待機してた村人プラスαの視線が一斉に集中して来る。



「お、お待たせしてすいません。」


「いや、それは大丈夫じゃのぅ。一応カノン殿が居ない間に決めたことを伝えておこうかの。」


「決めたこと…ですか?」


「うむ。2階席というのじゃったかの?そこで観戦するの者をこちらで勝手に決めてしもたが、問題はあるかの?」


「いえ、そこは問題ありません。どうなりましたか?」


「基本は予想通りじゃのぅ、ラクネア殿を始め数人が上で観戦する方向じゃの、それに猿人族からゴルドフ、ヨスガとニグルが、犬人族からギルとギラルが追加じゃのう。」


「ギラルさんは知らないですね。」


「ギラル!カノンさんに挨拶しなさい。」


「は、はい!」



ギランの言葉に元気な返事を返してタマと同じぐらいの身長の子供が花音たちの方にやって来る。



「この子が…。」


「は、初め、初めましてギラルです。10歳です。え~っと…。」


「そこまででいいです。とういうことで、まだ実戦には出られませんが、ナンの弟弟子にあたるギラルです。」


「初めまして花音です。よろしくね♪」


「は、はい!姉からカノン様の話は聞いてました!よろしくお願いします!」



ギラルは緊張しながらも元気よく花音に返答する…目を輝かせ、尻尾をブンブン振って。



「姉って…。」


「ナンのことっすよ。」


「ごめんね。カノンちゃんのことを話したら、なんかギラルの中で物凄く凄い人になっちゃったみたいで…。」


「こんなに目を輝かされたら、何処かの英雄やアイドルになった気がしますよ。私そんな大した人じゃないんですけど…。」


「あはは………ごめんね。」


「別に良いんですけどね…私は気にしないですけど、変に虚像が出来てて、実際の私を見てガッカリされるのも困ると言うか、ギラルちゃんに悪い気がするんですよね。」


「そこは大丈夫だよ♪ちゃんと私の知ってるカノンちゃんのことしか聞かせてないからね♪」


「ナンのんが知ってる私?」


「カノンちゃんはガッカリするよりも驚くことの方が多いから、ガッカリする暇なんてないよ。」


「そうっすね、カノンちゃんのうっかりも予想外過ぎっすからね。」


「そうニャね、カノちゃんは予想の斜め上を行くからニャ。」


「酷いです!っと抗議しても……意味なさそうですね、その人達が2階で残りは下で観戦なんですね?」


「そうなるのぅ。さすがにラクネア殿と一緒に…っと、すまん。悪い意味ではないので勘違いしないで欲しいのじゃがのぅ…ラクネア殿が上に行くと伝えた結果がこんな感じじゃの。」


「それは当然ですです。うちならこの村の村人程度なら一撃で殺せるです。そんな者と一緒というのは避けるのが普通ですです。」


「まあ仕方ねぇな、娘っ子の従魔だと知ってても、強者の近くてぇのは落ち着かねぇからな。」


「カノちゃんには理解できないナよ。その頂点にカノちゃんが居るんだからナ。」

「当の本人にその自覚がニャいがニャ。」

「そうっすね。カノンちゃんっすからね♪」


「なんか酷い言われようですけど、まあ良いです。そろそろ始めないといけないんですけど、その前に…何でグリズさんと他に2人の熊人さんが居るんですか?」


「それは自分が誘ったからっすよ♪」


「キンたんが誘った?」


「そうっす。村の近くまで来てたみたいっすよ?村人に集まるようにキル達が伝達してるときに情報が入ってきたっすから、熊人族が~って話だったっすから、自分も見に行ったらグリスさんだったっす。」


「あっ、主。熊人族といえばです。」


「どうしました?」


「熊人族が戦支度してるという報告が上がって来てるですです。」


「戦支度?…そこは後でグリズさんに尋ねてみるしかないですね。

エレンシアさんをこれ以上待たせるのも悪いですから、手合わせ始めちゃいましょう。

村長さん仕切りお願いしますね。」


「うむ。ゴルク頼んだ。」

「お、俺かよ!」


「わしでもいいのじゃが、この手合わせの発端というのも変じゃがの、カノン殿との訓練するというのが今回の発端の一部じゃろ?

それなら、その責任者のゴルクが仕切るのが良いじゃろう?」


「別に俺が責任者てぇ訳じゃ…。」


「こ奴がせんのなら、儂が代わってやろう。このカノン殿の弟子の儂がな!」

「むっ。弟子弟子うるせぇな。」

「何じゃと!事実を言った―――。」



「あの2人は仲が良いナ。」

「そうニャね。」



ゴルクとギルルドが仕切りで言い合いを始めたので仕方なく花音が動くことにする。



花音は手を叩き注目を集める。


「はい!皆さんお待たせしました。これからエレンシアさんと私の手合わせを観戦してもらいたいと思います。

先ず、壁の安全性も確認してもらいましたから、その辺は省略して、一度伝えましたが、この村以外、この森以外の強者を見てもらうのがこの手合わせの目的です。

エレンシアさんの強さはハルサメさんと同等です。

そこに種族は関係ありません。それを観て、感じてもらいたいと思ってます。

それでは、私が居ない間に決めてるみたいですから、2階で観戦される方は移動してください。」



花音の言葉にラクネアと他の2階で観戦する者達は移動し、ゴルクとギルルドはバツが悪そうに上へと移動して行く。



「下のまとめ役は村長さんお願いします。」


「うむ。引き受けた。っと言いたいのだがのぅ。」


「どうしました?」


「あの者達はどうするのかの?」


「ああ、グリズさん達は手合わせの間は村長さんの指示に従ってくださいね。

それと後で少し聞きたいことがありますから。」


「あ、ああ。分かった。」


「と、いうことでいいですか?」


「うむ。」



村長の返事を聞いて、花音はエレンシアの方へ行こうとするが、毎回壁を収納するのも…っと考えて、隅に扉を作り、そこから移動する。



「すいません。お待たせしました。」


「いえ…おかげで私も覚悟完了しました。」


「覚悟?ただの手合わせですよ?覚悟なんてそんな大袈裟ですよ。」


「そ、そうですね。これは手合わせでしたね…。」


「開始前の距離はどうしますか?」


「私達魔族の決闘では、中央からそれぞれ5歩離れます。」


「それだと、歩幅で距離が変わりませんか?」


「変わりますが、どっちらにとっても5歩という距離ですから。」


「そうですね。でも、ラクネアさんだと5歩も結構な距離になりませんか?」


「ラク姉ちゃんは決闘をしませんから………私は…いえ。ラク姉ちゃんはモンスターであって、私達魔族ではありませんから、私達の決闘のルールは適応されてないんです。」


「…悲しいですね。」


「そうですね。まあ、ラク姉ちゃんの場合は決闘を挑む者がいませんから、ルールの必要性が無かったというのが正しいですかね?」


「挑戦者がいないんですか?」


「いませんね、勝負になりませんから。勝負になるのはレイリーや私を始め、トップに近い者達で、そんな者達が決闘を挑むことはありませんから。」


「それは本人が戦いたがっても周囲が許しませんか…。」


「ですね。トップに何かあればそれは一大事ですからね。最悪全面戦争です。」


「そうですね…ところでエレンシアさんのその武器って握る部分が長いですね。」


「はい。これは…手合わせの中で実感してください。本来の武器も握りはこれと同じです。」


「そうなんですね。」

ということは、戦い方は同じなのかな?


「カノン殿、こちらの準備は整ったから、いつ始めてもらっても問題ないのぅ。」


「分かりました。」



村長が花音が出入りに作った扉を開けて報告して来たので、視線を2階へと向ければ、2階も準備が出来てるようで、キンやナン、ヨギりんとヨスガのわくわくしたような表情が見え、ラクネアは気を使ってるのか、中央に陣取ってる村人から離れ、隅の方でこちらを見ている。



「それじゃあ始めましょうか。」

「分かりました。」



花音とエレンシアは中央で背を合わせ、それぞれが5歩離れ、その距離で向かい合う。


コロニャはいつまで騒がれるんでしょうね…。

マスクにトイレットペーパーに手袋に石…石⁉花崗岩らしいですけど…ニュース見てて驚きました。

踊らにゃソンソンってことなんですかね?




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