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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
159/183

159、準備中その2。思い付きで始めると大変です。



「村長さん。」


「なにかのぅ?」


「村人が集まったら教えてください。」


「分かったの、この壁はそのままなのかの?」


「そのつもりですけど、一旦撤去しといた方がいいですか?」


「いや、聞いてみただけだのぅ…このままでも問題なかろう。」


「……エレンシアさんの紹介もしないといけないし、ラクネアさんも…。

一応撤去しておきます。」

「そうかの?」


花音は村長と少し話をして、壁を収納してから落ち着いてきたエレンシアの下へと向かう。





「落ち着いたです?」

「ぅ、うん…。」


「主の攻撃を見て逃げ出したい気持ちも分るですです。」

「だ、だよね?」


「うちじゃなくて良かったと心から思うですです。」

「ちょ!酷いよラク姉ちゃん!」


「冗談ですです♪」

「もぅ~。」




「エレンシアさん。」


「な、何ですか主さん?」


「村人が集まるまで、少し打ち合わせしときましょうか。」


「打ち合わせですか?」


「はい、エレンシアさんがその予備武器を使われるのは分かってますけど、本命の武器も見せてもらいたいと思ってるんです。

因みに私はこれを使います。」


「へ?ぼ、木刀ですか?」


「はい、私の予備武器といって良いのか分かりませんけど、秋桜はヨギリんに渡したまま返してもらうの忘れてますし、スクナとヒコナも手合わせで使うには危険ですからね。」


「へ?え?…はぁ⁉主さんは木刀で戦われるんですか⁈」


「そのつもりですけど?」


「いや、いくら何でも舐め過ぎです!」


「舐めては無いつもりなんですけど…確かにいきなり「木刀で戦います。」って言われればエレンシアさんは良い気分じゃないですよね…すいません。」


「い、いえ…でも本当に木刀で戦われるんですか?」


「はい。さっきも言いましたけど、予備武器は手元にありません、私の専用武器は危険です。

なので、手元にある武器はこの木刀とスタン軟剣のどちらかです。」



花音はスタン軟剣を収納から取り出し、エレンシアに見せる。



「あぁ…こちらを最初に見せられたら激怒してたでしょうね…それでも木刀っていうのも…。」


「エルちゃん落ち着くですです。」

「でも…。」


「主、もしかして…その木刀、強化してるです?」


「してますね。」


「エルちゃん、その木刀は普通の木刀と思ったらダメですです。」

「え?」


「主の作り出した壁を考えるです。」

「ぁ…。」


「そうですです。あの壁と同じと思うですです。この木刀も常識の範囲外の物だと思うです。」


「そ、それなら…主さんの専用武器って…。」


「…考えるのも恐ろしいです。」


「あ♪見ますか?スクナとヒコナを作ったのは良いんですけど…これ、普段使うことがなさそうだったんで、誰かに見てもらいたかったんです♪」


「え?はい、見せて頂けるなら…。」


「そんな簡単に見せても良いんです?普通、メインウエポンは切り札です、隠す者が大半ですです。」


「ん?別に良いですよ?真似出来る物でもありませんし…あっ!でも装備したらダメですよ。

スクナとヒコナは私専用にしてますから、装備したら死ぬかもしれません。

あと…同じ物も作らないようにしてますから、欲しいと思うのもダメですからね。」


「主さん…凄い物を見せられて、魅せられて欲しいと思うのは普通ですよ。」


「それなら見せない方がいいですかね…残念です。」


「エルちゃんは見なくていいですです、でも、うちは見たいです♪」

「あ、ズルい!私も見たいんだよ?でも欲しがらない保証が全然ないだけだもん!」

「だからエルちゃんは見なければ良いですです。」

「ラク姉ちゃんが見るのに私だけ仲間外れなのが嫌なんだよ!」


「あ、あの~エレンシアさん…。」


「はっ⁉失礼しました!」


「いえ、私は別に良いんです。エレンシアさんとラクネアさんが仲良しでいいなぁっと…。」


「仲良しですです♪でも配下の手前、それをなかなか表に出せないのが難点ですです。」


「ちょっとラク姉ちゃん!」


「良いじゃないですか♪ここにはラクネアさん以外居ないんですから、ね♪」

「ですです♪」


「そう…ですね…。ラク姉ちゃんが私の配下役をしてくれているお陰で、私達は上手く回ってる部分もありますから…どうもこの素を出せる状況が嬉しくもあり、戸惑いもあり、恐いとも思います。」


「そうなんですか?」


「はい。先程も言いましたが、アラクネは大抵の者たちが見かけただけで逃げ出す魔物です。」


「可愛いのに…。」


「あははは♪まあ、そんな魔物を配下にしているということで、私は今の魔王を名乗れているところがありますから…。」


「エルちゃんは…」



「カノン殿!」


「え?何ですか?」


「村人が集まったんだがのぅ…打ち合わせはまだ掛かりそうかの?」


「ぁ……もう少し待ってください。

すいません、打ち合わせできませんでしたね…。」


「いえ、戦闘は準備できればそれに越したことはありませんが…。」


「準備して戦いに挑めるなんて滅多にないですです。」


「そんなものですか?」

「はい。」「ですです。」



「そうですか…お二人を村の人達に紹介したいのと…スリーピーさん。」


「ん。もう少し、でも…今でも問題ない。」


「今起こしても問題ないけど、スリーピーさんとしてはもう少し時間が欲しいってこと?」

「そっ。」


「そっか…それならもう少し時間を稼ぐかな?とはいっても…。」




「娘っ子!」

「ん?」



花音が声がした方に視線を向けると、入り口付近に各代表と村長、ハルサメ、ギルルド、キン、ナン、スダレ、トウガ、ヨギリといつものメンバーが集まっていたので、エレンシアに断りを入れて、そちらへと近づく。

村人は現在、武道場の外で待機している。



「何ですか?」


「何ですかって…まあ、娘っ子だからな…ありゃ何モンだ?」


「え?ああ、後で皆さんにも紹介しますけど、ラクネアさんのお友達のエレンシアさんです。」


「いや、そういう意味じゃ…。」

と言いながらゴルクは頭をガシガシと掻き出す。


「経緯は説明したんだがニャ、わーもエレンシアという名前とラクネアさんの知り合いという程度のことしか知らニャいからニャ…。」


「ですよね…エレンシアさんは魔王です。」

「「「えっ⁉」」」


「自称になりますけどね…。」

「「「あぁ…。」」」


「エレンシアはわてと同等かそれ以上ナよ。」


「ハルサメと同等って時点で俺より強いな。」


「わてとエレンシアが戦えば…相性の差になるかナ?」


「ラクネア殿はガルドラ殿と同じじゃな、強過ぎて儂では強さが正確に読み取れん。」

「そうだな…。」


「ん?わての知らん間にギルルドとゴルクは仲良しさんになったのかナ?」


「ハルちゃん、ゴルクとギルルドは元から仲良しニャよ。」


「それもそうだナ♪」


「「仲良しじゃない(ねぇ)!」」

「息ピッタリだナ♪」

「そうニャね♪」


「ぐっ…。」


「カノンちゃんのお陰っすね♪」


「ぅぐ…。」


「あ、そうだ…ギランさんとゴルクさんにはこちらをプレゼントです♪」


「ん?あぁ、これがヨギリの言ってた…。」

「ナンが言ってたやつですね…。」


2人はそう言いながら、花音から腕輪を受け取り身に着ける。



「説明の手間が省けて良いんですけどね…何故か物足りなさが…。」


「お師さんこちらを…。」


「ん?ああ、今回は木刀で戦いますから、秋桜はヨギリんがしばらく持っててください。」


「いいのですか?」


「ダンジョンでの言葉を忘れなければ良いですよ♪」


「は、はい!お預かりします!」


「出来れば少しは使ってください。」

「はい!」




「それと…シグレさんと狐人族には謝っておきます。」


「何どすか?急に。」


「エレンシアさんは魔法を使いますから、魔術ではなくて魔法で話を進めて行きたいと思ってるんで…。」


「そんなことかナ。」


「そんなことって…そんなことなんですか?私は狐人は魔法ではなく、魔術に誇りを持っているって最初に教えられたんですけど…。」


「誰からかナ?」


「ルーさんからです。」


「ルーかニャ…間違いではニャいがニャ…。」


「シナちゃんの言う通りナ、間違いではないがナ、間違いナよ。なぁシグレ?」


「そ、そうどすなぁ…。」


「違うのか⁉」


「スダレもか…ナ。この村の狐人族は恐れているだけナ。」


「恐れですか?」


「そうナよ、魔術という言葉は狐人が良く使っているらしいがナ…魔法と同じ意味ナ。

それでも魔術と言い続けるのは……魔術を魔法と言ってしまえば、自分たちが狐人という枠から外れてしまう様で怖がってるだけナよ。

既に狐人の集落では生きていけないからナ、自分たちは狐人だ。という僅かな繋がりを手放せないだけナよ。」


「ああ…なんとなく理解出来ます。」


「そうなのかナ?」


「分かり易い基準や繋がりがあるのって、そこから外れたり、失ったりすることを怖く感じることもあるんですよ。」


「カノちゃんでもそう思うのかナ?」


「ハルサメさんは私を何だと思ってるんですか!私だって怖いことの1つや2つありますよ!」


「そうなのかナ…。」


「カノちゃんはニャにが怖いのかニャ?」


「え?え~っとですね…………お饅頭?」


「特になさそうだナ。」

「酷いです!」


「ところでお饅頭とはニャにかニャ?」


「お饅頭ですか?ん~、甘い食べ物です。」


「食べ物かニャ!カノちゃんは作れるのニャ⁈」


「材料がありません。小麦の代わりにお米を餅にして…後は小豆があれば…。」


「小豆?」


「大豆に似た…あれ?大豆でも餡は作れる?いや、途中の枝豆からなら…ずんだ餅は枝豆だったはずだから…作れるかもしれませんね。」


「本当かニャ⁉」


「おそらくですけど…大豆になる前の枝豆を使えば出来ると思います。とは言ってもお饅頭じゃなくて御餅ですけどね。」


「おぉぉ♪今度お願いするニャ。」


「分かりました、色々試しながらになりますけど…やってみます。

っとゴルクさんが私を呼んだ用件はなんだったんですか?」


「ん?あ~…打ち合わせ…だな。」


「打ち合わせですか?」


「そうだ、村長やシナロナから聞いてるが…。」



ゴルクは視線をハルサメの方へと向ける。



「何ナ?…ああ、この姿かナ。よっと。」



ハルサメは姿を若い姿からシナ婆さんと同じ年寄りの姿に変化する。



「やっぱりハル婆さんはこっちの姿がハル婆さんっすね♪若い方の姿はハル姐さんって感じっす。」


「キンのは意味が分からんナ。」


「そうかな?私もキンに同意かな?私もハルサメさんは今の姿が記憶に残ってたからね…若い方、本来の姿の方が私には違和感しかないよ。」


「そうどすなぁ。」

「シグレもかナ⁉」


「そらそうどす。うちよりうん十倍も年上の師匠がうちより若いんどすから…。」


「うん十倍とは何ナ!」

「こら失礼しました、うん十歳どした。」

「ぐぬぬぬ…。」


「師弟喧嘩はそこまでにするニャよ。」

「「……。」」


「カノンのお嬢ちゃん、進化についての情報はあらしませんの?」


「ないですね…一定の能力を超えた人というだけで、その能力がどれっていう明確なものまでは分かりません。」




だよね?


(そうですね。進化する者の方が稀なんですけどね…花音様の下には既に4人ですか…異常ですね。)


え?それ私関係ないよね?よね?


(そうですね。)




「うちもカノンのお嬢ちゃんの訓練ちゅうのに参加しまひょかね。」

「「「えっ⁉」」」


「何驚いてますの?分からへんなら知りたいと思うのは当たり前やないの?」


「まあ…そうなのじゃが…。」


「僕も参加するでしゅ♪」

「「「えっ⁉」」」


「トウガも一緒に頑張ろな♪」

「はいです♪」



「狐人族は子供も参加させんのか?」


「いけまへんの?」


「いや、俺らの方もな…子供が参加したいって言い出してんだよ、一応年齢が年齢だから止めてはいるんだがな…。」


「犬人族も同じ状況ですよ。そこにトウガが参加するとなれば止めることが出来なくなります。」


「ああ…カノンのお嬢ちゃん。」

「えっ⁉そこで私に振るんですか⁉」



「こほん!悪いがの、その辺の話は後にしてくれんかのぅ。エレンシア殿も待っておるようじゃしの?」


「あ、そうですね。打ち合わせというのは?」


「あ~…順番とかな…。」


「順番ですか?戦う?」


「そっちじゃねえ!それより観戦する並びというやつか?」


「ああ、そっちですか…子供が観易く、次は若い人が…って思いますけど、子供以外はそちらで決めてください。」


「良いのかニャ?」

「ダメですか?」


「ダメじゃニャいがニャ…ゴルクとギルルドは戦ってでも良い場所を手に入れそうだったからニャ…。」


「大人気無いですね。」

「まったくやね。」


「そうっすよ!若い自分たちに見せるっす!」



ん~…クリスタルは2人のお陰でまだ余裕はある。下のガラスを少し小さくすれば……2階席みたいなのも作れるかな?



「ちょっとラクネアさんに相談してきますね♪」

そう言って花音は返事も聞かずにラクネアの下へと向かってしまう。



「ん?」「お、おぅ。」「分かったニャ。」

「何を相談する気のかナ?」






お話はグダグダしてますが、次かその次には手合わせに…届けばいいな~っと思ってます。

こちらのお話は週に2話の投稿にしたいと思ってます。

投稿頻度を減らします…すいません。


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