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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
156/183

156、お米。お米です!ちょっと違いましたけど…。



積み上げられる木箱。

木箱1つが大体スーパーなどで売られているお米の比ではなく俵に近い。



「こ、ここ、これ!全部お米ですか!?」


「ですです。」


「ふぉぉぉー!こんなに沢山…ど、どうしよう。お礼しなきゃだ…。」


「中身確認するです?」


「あっ、そうですね、私の知ってるお米と違う可能性もありますね………ち、違ったら困りますもん……ね。」


「え?主の知ってるお米…です?……因みに違ってらどうなるです?」


「ん?ちょっと我を忘れるぐらいですよ♪」


「「えっ⁉」」「ニャ⁉」「みゃ⁉」

花音の一言にその場が凍り付く。



「ん?どうしました?」


「な、なんでもないですです。」



花音は木箱の1つを大事な物を扱うようにゆっくり、丁寧に、期待と不安と共に開ける。



その様子を4人は固唾を飲んで見守っている。


「………。」


「ど、どうニャのかニャ?」


「ぉ…。」

「「お?」」


「おぉぉ~!ちょっと私が想像してたお米じゃないですけど、お米です!ありがとうございます。ありがとうございます♪」


「よ、良かったです~です。」


「そうニャね…。」


「カノちゃんの知ってるお米とは違ったのかナ?」

「ハルちゃん!余計ニャことは言わニャくても良いニャよ!」

シナ婆さんは小声でハルサメに抗議する。



「そうですね…この木箱の中身は稲のまま入ってます。

まあそこはエリーザたちの食事用と考えたら有難いですね。

この稲の果実であるもみから籾殻もみがらを除去したら玄米に進化して、その玄米を精白したのが、私の知ってるお米です。」


「そうなんですね…。」


「主はこれをどうする気です?」


「え?食べるんですよ?」


「「えっ⁉」」


「それ…硬いですよ?」

「ですです。」


「え?」

「「え?」」


「あぁ…ちゃんと炊いて食べますよ♪いくら何でもそのまま食べる訳ないじゃないですか♪」


「「えっ?」」


「あれ?2人とも知らなかったり…。」


「知らないです。」

「ですです。」


「あ~、だから家畜の餌って言ってたんですね…シナ婆さんはお米食べたことあるんですよね?」


「ニャいニャよ?」


「え?あれ?お米のことはシナ婆さんから教えてもらったと思ったんですけど?」


「お米は知ってたニャ、でも食べたことはニャいニャよ?」


「あれ?…まあ良いっか♪それなら近いうちにこれを使ってご飯を炊いてみますね。その時は呼びますから一緒に食べましょうね♪」


「本当に食べれるです?」


「食べれますよ♪」




花音は全ての木箱を収納していく。



「はぁ~凄いですね…。」


「どうしましたエレンシさん?」


「正直に言うとですね…あの量は意地悪のつもりだったんです。」


「え?意地悪?」


「はい、私は空間収納が使えますから、中身を出して、これを限界まで詰めて持って来たんですけど…。」


「うちは止めたんですです。でもエルちゃんがやるって言って…。」


「ああ…今後はこれ以下になるってことですね…あの量なら3箱でもいいですよ♪それだけあれば当分の間は大丈夫です♪」


「いや、そう言う意味では…。」


「単にエルちゃんは主を困らせる為だけにあの量を用意して持って来ただけですです。逆にエルちゃんの方が困ったことになったです…。」


「確かに…。」


「私を困らせる?エレンシさんの方が困ったことに……あっ!」



花音の反応にエレンシアとラクネアはビックッとする。



「あ~…ん~…しょ、しょうがないです。半分お返ししましょうか?」


「「えっ?」」


「さっきも言いましたけど、これ3箱から5箱で十分な量ですからね、半分返しても…80箱以上は残りますから…うん、全然大丈夫です♪」


「いえ、そう言うことでは…。」


「え?私を困らせる為にあの量を用意して、逆にエレンシアさんの方が困ったことになってるのって……

……私に渡し過ぎて、家畜の餌が少なくなったってことじゃないんですか?」


「………あ、あははは…そちらは大丈夫です。ですから全部主さんが貰ってください。」


「そ、そうですか?ありがとうございます♪…っと、予想以上でしたから何かお礼をしなきゃですね…。」


「い、いえ、お礼なんて別に…。」


「ん~…手合わせして考えましょう♪色々見えてくるかもしれませんし、そうでないなら、ラクネアさんに聞いてみてもいいですしね♪」



花音は鼻歌を歌いながらスキップで武道場に向かう。



「あっ、手合わせはするんですね…。」

「逃げられなかったですです。」




花音の後をシナ婆さんとハルサメ、さらに少し遅れて、エレンシとラクネアが付いて行く。


単にエレンシアはあの数で花音に自分の凄さを見せたかっただけなのだが…。

当の花音は先日この世界の空間収納の一部について知ったばかりで、未だ自分の収納が基準になっている為にエレンシアの行為は花音には伝わらずに、暖簾に腕押し、糠に釘状態である。


一応、その場に居たシナ婆さんとハルサメは正確に理解している。




「さすが主です。あの量を特に気に留めずに収納したです。」


「だね~…ちょっと失敗だった。」


「ですです。意地悪しようなんて考えるからです。」


「むぅ~だって~。」


「喋り方が昔に戻ってるです?まあ主ですからね~です。」


「あの主さん、レイリーよりも断然強いよね…。」


「です。まあ、レイリーの奴も一応は魔王です、色々隠し玉は持ってると思うです…が、主はそれ以上な気がするですです。」


「はぁ~私達の300年って何だったろうね…。」


「そこはまだ分からないですです、何処に通じてるのか…まだ分からないです。」


「ラク姉ちゃんは従魔になっても側に居てくれるみたいだし…これからどうしようかな…。」


「そこはゆっくり考えて行けば良いですです。取り敢えず…主との手合わせをどうにか切り抜けるのが先決ですです。」


「…折角忘れようとしてたのに。」


「それは無理です、もう目的地は目の前ですです。」


「死なないように頑張るよ。」


「です。」






花音が武道場に入ると、そこに居たカルトの瞳が怪しくなるが…後から入って来たシナ婆さんを確認してその瞳は元に戻り、さらにその後から来たハルサメとラクネア、エレンシアを見て険しさを増す。



「カノンさ…ん、そちらの方たちは?」


「あ、私の従魔のアラクネのラクネアさんです。その友達のエレンシアさん。」


「ラクネアです。」

「エレンシアです。」


「………で?そちらの方は?」


「「「え?」」」



花音たちがカルトの視線の先を追うと、そこにはハルサメが居る。



「え?カルトさんはハルサメさんを知らなかったんですか?」


「えっ⁉ハルサ…メ…様?」


「ん?あ、ああ…この姿は村の者達ではシナちゃんとシグレ、スダレ、トウガ以外は今日まで知らなかったナ。」


「あ、その喋り方…ハルサメ様…えっ⁉えっ!えぇぇぇー!本当にハルサメ様⁉」



ハルサメは村に着く前に老婆に変化して、花音の家でラクネアとエレンシアを見た瞬間に戦闘の可能性を考え、変化を解いていたので、若い姿のままこの武道場に来ていた。



「そうナよ、カルトも大きく?…なったナ。」


「ちょ、何処見て疑問に思われたんですか!猫人族ならこれが普通ですわよ!」


「まあそうだナ、すまなかったナ。」


「いえ、こちらこそ大声を出してすいませんでした。」


「こら!何処に向かって頭を下げてるんだナ!」


「え?当然カノン様にですわ。」


「…カルトってこんな子だったかナ?」

「時の流れは残酷ニャ。」


「ちょっとシナロナ様⁉」


「強い者に魅かれるのは当然ニャんだがニャ…。」


「当然ですわ♪」


「カルトは少し、おかしニャ方向に行ってしまったニャよ。」

「そ、そうかナ…。」


「おかしくはありませんわ!それで、これからお話会ですか?」


「いえ、その前に近日中に武道場を使うことになると思うんで、試運転というか、不備がないかの確認の為に私とエレンシアさんとで手合わせをするんですよ。」


「まあ♪カノン様の戦うお姿を♡」


「様付け禁止です!…タマにゃんはまだ眠ってますね…。」


「はい…あれからまだ目覚めてませんわ。」



「スリーピーさん、どんな感じですか?」


「強制的に…眠って…貰ってる。」


「強制的に?」

「そっ。」


「なら今すぐにでも目を覚ますことが出来るってことなの?」

「そっ。」


「目を覚ましても大丈夫かな?」

「もう少し、寝かせた…良い?」


「そっか…どんな状況なの?」


「睡眠不足、栄養失調、お肌荒れ荒れ、傷の治療。」


「あぁ…って…えっ⁉」


「やっぱり眠れてニャかったのかニャ…。」


「え?やっぱり?」


「タマはこの村に来てからも、あまり眠れてニャかったみたいだニャ。」


「そうなんですか…全然気づきませんでした…。」


「カノちゃんが来てから少し変わったからニャ、と言ってもまだ数日ニャんだがニャ。」


「栄養失調って言うのは?」


「キンたちと行動し出して食べるようにはニャったようだがニャ、これも寝不足と同じだニャ…ものが食べれられニャかったみたいだニャ、だからわーが薬を作って渡してたんだニャ。」


「お肌は…。」


「それは寝不足と栄養の所為じゃニャいかニャ?あとは…精神的ニャものもあったのかもニャ…。」


「そう、ですか…。」



どうしようかな?タマにゃんの精神的問題の原因はオルトさんなら、追手とかその辺りも関係して来るだろうから…オルトさん救出と強くなることで、そこはクリアできるの…かな?


ん~どうなんだろ?専門家じゃにゃいからにゃ~。


オルトさんが生きてることで、その辺が一気に解決…っていうのも希望的観測だね。


ショック療法♪…場合によっては悪化…って可能性も…。




ナビちゃん、どうすれば良いと思う?


(分かりません。)


ですよね~。


(タマ様が今後どのようになるのかは、タマ様次第です。)


確かにね、私が出来ることなんてそんなにある訳じゃないしね…。


(このまま亡くなるまで眠ってもらうか…。)


ナビちゃんにしては過激なご意見ですね。


(それが一番幸せかもしれませんよ?)


確かにね…。


(今止めを刺してあげるか。)


これも過激な意見ですね。


(正直に申しますと…。)


はい。


(この手の話は腐る程あります。その中で自分で乗り越えた者以外で幸せを掴んだ例が圧倒的に少ないです。)


あ~うん。ソウデスヨネ。


(心配してます。)


心配?


(はい。手を差し伸べる者は引きずり込まれる可能性が高いです。ですから早目の見切りが必要です。)


引きずり込まれますか…。


(引きずり込まれ浸食されるか、見捨てるかですね。)


そっか…そうだね。依存と…。


(ですから、花音様が心配なのです。)


ありがとうナビちゃん。

でも…今回は私が引き金を引いちゃったからね、オルトさんに関しては私が全力で手助けするよ。

…出来ればタマにゃん自身で決着を付けてもらいたいんだけどね…。


(…そうですか。)


そうなんです♪




「スリーピーさん、タマにゃんはどれぐらいで起きられそう?」


「あと少し。」


「そっか、それなら起きられる状態になったら教えてね。」


「分かった。」



「それと…シナ婆さんに謝っておきます。」


「ニャんニャ突然?」


「シナ婆さんと言うか…猫人族代表のシナロナさんに、ですね。」


「ニャ⁉…そうかニャ…謝罪の内容は?」


「場合によっては私がタマにゃんを殺すかもしれません。すいません。」


「ニャ⁉」



予想外の花音の言葉にさすがのシナ婆さんも驚きが隠せない。

周囲の者も同じく…。



「詳しく聞いても良いかニャ?」


「はい。今回のタマにゃんの状況は私が原因です。

ですから、この件に関しては可能な限り手を差し伸べます。

でもそれがタマにゃんにとって良いことなのかどうかまでは私には分かりませんし、場合によってはこれ以上に酷くなる可能性もあります。

ですから…。」


「もういいニャ、分かったニャ。カノちゃんの謝罪を受け取るニャ。

その上でわーもカノちゃんに謝罪するニャ。

本当ニャら、わーが…わーたちがしなければニャらニャいことをカノちゃんに任せてしまって悪かったニャ。

ごめんニャ…ごめんニャ…。」


「べつ…シナロナさんの謝罪を受け取ります。」



「あの…私がやりましょうか?」


「バッ!……ちょっとこっちに来るナ!」

カルトはハルサメに怒鳴られて首根っこを掴まれ外に引きずり出される。



当然、カルト以外の者達は花音とシナ婆さんとのやり取りを完全に理解していると言えば嘘になるが、それでもある程度のことは理解し、察して黙っていたのだが…。

カルトはそれが分からずに、花音の為ならばと申し出たところをハルサメに引っ張られていく結果となってしまた。




「エレンシアさんには申し訳ありませんが手合わせは本気でお願いします。」


「………あの猫人族の娘の…為…か…。」


「はい。」


「分かったが、本当に本気で良いんだな?」


「はい。お願いします。」


「私を使って可能性を示すか…。」


「すいません。利用するような形になってしまいました。」


「いや、謝られる程ことではない。ないが…本当に私で良いのか?」


「はい。赤の魔剣士、この称号が才能だけで手に入るものではないことは理解出来ますから…エレンシアさんが適任なんです。」


「この娘は理解出来ると思うか?」


「…出来ると信じてますけど…これは私の願望になりますから…なんとも言えませんね。」


「そこまで分かっているなら、一度戻してもらっても良いか?」


「戻りますか?」


「あ、いや、逃げる訳では…。」


「え?あははは、分かってますよ♪」


「そ、そうか…それでも一応言い訳をさせてもらうとな…武器を置いて来てしまったので…取りに帰りたい!」


「武器って…それは違うんですか?」


「これは予備の武器になります、本気でということですので…。」


「ああ…はい♪ラクネアさん、一度送還しますね♪」


「分かったですです。」


「あ、出来ればこの手合わせを、他の人達にも見てもらいたいんですけど…構いませんか?」


「他の?」


「はい。私は村人と模擬戦をしてますけど…。」


「それは…村人たちが可哀…あ、いえ、何でもない。」


「…この村は閉鎖的ですから、この村、この森以外での強者。

ラクネアさんやガルドラさん達魔物ではなく、エレンシアさんのような人の強さを知らない人が多いと思うので…。」


「村人にもという訳か…分かった。」


「ありがとうございます。それでは送還しますね?」


「はいです。」

「はい。」


ラクネアたち武器を取りに一度戻ることとなった。





重い話は苦手です(´・ω・`)

色々意見はあると思いますが…出来ればスルーでお願いしますm(__)m


さて、もう直ぐクリスマスですね…12月22日にテレビのアナウンサーさんが「明後日のクリスマス」と言ってたので、私はあれ?と思って調べてみました。明後日…12月24日はクリスマス・イブです。

クリスマスは12月25日です。

あ、キリストさんは海外の人なので時差かな?と思って調べたら、キリストさんの生誕の地は曖昧になってるようですね…一応、ベツレヘム、パレスチナで誕生したと仮定して、日本との時差を調べたら、日本の方が7時間進んでるそうです…(。´・ω・)?

クリスマス当日よりイブの方が賑やかですが、24日はクリスマスじゃない!と書いておきます。

前夜祭の方が盛り上がるのは理解しますけど…。

私の方が間違ってるのかな(。´・ω・)?


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