154、ラクネア召喚。お米は何処?
花音はラクネアに念話を送る。
『ラクネアさ~ん♪』
『はいです?』
『少し待ってもらうことになりますけど召喚しても良いですか?』
『分かったです。準備しますです。準備できたらこちらから念話するです。』
『分かりました。お米お願いしますね♪』
『分てますです。』
ふん♪ふふん~♪さて、ラクネアさんの連絡が来るまでにお風呂の方の改築をするかな…。
「お師さん。」
「はぃ?」
「片付けが終わりましたので某はゴルク様のところへ向かいます。ここで一旦失礼します。」
「あ、はい。受付でしたね…分かりました。」
ヨギリは花音の返事を聞いて一礼してからその場から離れて行く。
「ヨギリんが行ったんなら自分もそろそろ行かないとダメっすね…。」
「そうじゃな。私も…ハルサメ様はどうしますか?」
「シグレがあれだからナ、トウガだけでは大変だろうから…スダレは戻って良いナよ。
わてはもう少しここに留まるナ、シナちゃんに頼まれてることもあるしナ。」
「分かったのじゃ…こほん。分かりました、それでは私は戻ります。」
「自分も行くっすかね。オルトさんのことも気にはなるっすけど……ナンに怒られるっすからね。」
「じゃな。それでは私達も行くのじゃ。」
「あっ、スダレ。今日は戻るとは思うがナ、遅くなるかの知れないナよ。」
「分かりました。師匠に伝えておきます。」
「頼むナ。」
「あ~面倒っす。ギランの爺ちゃんに文句言いたいっす!」
「はいはい。分かったから、もう行くのじゃ。」
「うぅぅぅ~。」
キンとスダレはキンがぐちぐちと文句を言いながら、スダレに引っ張られる。
「カノンちゃん、お風呂頼むっすよ~、ナンも連れて来るっすから。」
「は~い。」
カノンの返事にキンは手と尻尾をぶんぶん振りながらスダレに引き摺られて行ってしまう。
「シナ婆さんとハルサメさんはこれからどうしますか?」
「カノちゃんが邪魔でないならナ、ここでのんびりしてるナ。」
「邪魔ではないですけど…。」
花音はレモネジュースの入ったやかんとコップを2つテーブルに置く。
「レモネジュースです。邪魔ではないですからのんびりしててください。」
そう2人に告げて花音はお風呂場へと向かう。
「カノちゃんがアレだったとはナ…わてが教えるのも烏滸がましいナ。」
「わーもそうだがニャ…カノちゃんはニャんていうかニャ………どこかちぐはぐだからニャ。」
「ちぐはぐ…かナ?恰好は猫人族のような衣装で見た目は12歳前後ぐらいかナ?」
「ヨギリと同じだから14歳ニャよ。」
「ナ⁉」
「まあ見た目はニャ、わー達からすればそんなに気にニャらニャいからニャ。」
「確かに身長は…猫人族の女だと成人してる者と変わらないナ。でも…カノちゃんは人族だったはずナ。
…身長は兎も角、胸が…。」
「ニャ⁉しー!しー!だニャ!」
「どうしたのかナ?」
「カノちゃんに胸のことは禁句ニャよ。」
シナ婆さんは小声でハルサメにそう告げる。
「そ、そうなのかナ?」
「そうニャよ、カノちゃんは胸が絡むと危険にニャるニャ。」
「それは先に伝えて欲しかったナ。」
「ごめんニャ、すっかり忘れてたニャ…。」
「そこは分かったナ。」
ハルサメは花音が置いて行ったレモネジュースを一口、口に含み飲み込む。
「ゴクッ…それでカノちゃんがちぐはぐというのはどういう意味ナ?」
「カノちゃんはわーたちの…わーは旅をしたから分かるんだがニャ、この村、ということではニャくてニャ、人族の常識も知らニャい節があるニャよ。」
「ん?でもカノちゃんは人族だと自分で言ってたナよ?
それにカノちゃんの知識はスダレから聞いた限りではわて達よりも博識だとも聞いたナよ?」
「聞いたこともニャい知識を知ってたりもするんだがニャ、それニャのに人族の容姿も知らニャかったりとかニャ…。」
「それは…。」
「カノちゃんが人族だとして、人族の容姿を知らニャいということはニャいはずニャ。」
「だからちぐはぐと言ったのかナ。」
「ちぐはぐという表現が合ってるのかは、わーも疑問ニャんだがニャ…無知ということではニャく、わーやシグレも知らニャいことを知ってたり、わーたちが普通に知ってることを知らニャかったりとかニャ…。」
「知識に偏りがあるということかナ?」
「それも違うようニャ気が…一定の知識はあるのニャ、あるのに普通の知識がニャい…??
ちょっと説明し難いニャ…。」
「まあ良いナ。そこを考えても仕方ないと思うからナ。カノちゃんはわてらの常識の範疇外だと思っておくナよ。」
「それが良いニャね。」
「ずずず~っ。これ美味しいナね♪」
「これはカノちゃんとわーの合作ニャよ♪」
「合作かナ?」
「そうニャよ、カノちゃんが搾ったレモネの果汁とわーの薬湯を合わせて、更に水で薄めてるからニャ。
さっぱりした感じニャのに少し疲労が回復するニャよ♪」
「ほぅ…それでシナちゃんが頼んでたのは話し合いが始まって直ぐで良いのかナ?」
「そうニャね…ハルちゃんが大丈夫ニャら、それでも良いニャよ?」
「むぅ…時間が不定で威力もとなるとナ…ちょっと厳しいかも知れないナ…。」
「そうだと思うニャ。」
「村の連中はそれで大丈夫だとしてもナ…シナちゃんやカンダチ、キルトたちはどうするのかナ?」
「わーはたぶん大丈夫だとは思うんだがニャ…あとカルトニャね…。」
「シナちゃんは分かるにしても、カルトもかナ?」
「カルトは…ある意味、大丈夫じゃニャいかもニャ…。」
「???」
「まあ、そこは考えはあるニャよ♪」
「そうかナ。それなら言うことは無いナ。」
シナ婆さんとハルサメが話している頃、花音はハルサメに頼まれた1人用のお風呂の増設に取り掛かろうと壁を撤去していた時にラクネアから準備完了の念話が届き、前回花音が言った通りに再度確認してからラクネアを召喚する。
「すいま…せ…ん?」
「主です。」
「初めまして。」
とラクネアともう1人、女性が一緒に現れ花音に挨拶をする。
花音はラクネアと一緒に女性が召喚されたことに驚いて言葉が詰まった訳ではなく、期待していたお米が見当たらなかったことにがっかりして自然と詰まっただけである。
ナビちゃん鑑定お願い。
(表示します。)
名前:エレンシア・エルチェ
種族:魔族
職業:アークデーモン
称号:赤の魔剣士 54番目の自称魔王
あ~この人がエレンシアさんか………お友達になれそうです♪
「初めましてエレンシアさん。ラクネアさんを従魔にした私を直接見に来たんですか?」
「⁉……。」
エレンシアが驚いて沈黙している間に花音はナビちゃんにエレンシアの鑑定内容について尋ねる。
ナビちゃん、エレンシアさんの称号は何?自称の方は分かるんだけど…。
(この称号はハルサメ様と同じです。)
ハルサメさんと?
(はい。ハルサメ様と違うのは、ハルサメ様の場合は赤銅、赤鉄のように色の後の銅や鉄などがありますが、エレンシア様はそれが無いだけです。)
へぇ~。魔剣士っていうのは?
(そのままです、魔法と剣を使うので魔剣士です。エレンシア様の力までは分かりませんが、総合的な能力ではハルサメ様を超えると思います。)
魔法と剣ね~…器用貧乏?
(この場合は万能と言ってあげた方が良いですよ?この称号を得るのは大変な事ですから。)
あ、そうなんだ。
(はい。このエレンシア様は進化もしてますし、魔剣士はギルルド様以上の剣技が必要です。
次に魔法の方ですが、赤となってますからハルサメ様と同等の魔法の使い手でなければ得られません。)
魔法で赤って付いてるんなら赤鉄の魔剣士とか赤銅の魔剣士とかにすればいいのにね。
(金・銀・銅・鉄は何故か魔法だけにしかついてませんね…魔剣士や魔槍士、魔闘士などのは付いてません…禁則事項なんでしょう。)
ふぅ~ん…ありがとう。
「それで直に見てどうですか?」
「…分かりません。正直に言わせてもらえば、ラク姉ちゃんの主だと言われても信じられない。
信じられないが…何処か不気味な…違和感のようなものを感じます。」
「ラク姉ちゃん?違和感?」
「あ~エレンシア様は部下の前以外ではうちのことをラク姉ちゃんって呼ぶです。」
「あぁ…それはすいませんでした。」
花音は大人しくシエンシアに頭を下げる。
「え⁉」
「何で主は頭を下げたです?」
「え?だって……エレンシアさんからすれば、お姉ちゃんを家族を奪われた感じがして嫌じゃないですか?姉を突然他の人に取られた妹?の心境じゃないんですか?ねえ?」
「ぇ?いや…ねえ?と言われても…。」
エレンシアは落ち着きがなくなり、あれこれと表情が変わる。
「え?あっ!え?え~でも…。」
「どうしたです?_」
「いや…もしかして………逆…でしたか?」
「逆ですです?」
「お姉ちゃんと呼んではいるけど、実は逆で、妹を心配する姉の心境ですか?」
「なっ⁉」「みゃっ⁉」
「まあ、ラクネアさん400歳超えてても見た目は10歳ぐらいの女の子ですからね…分かります。変な人に騙されてるんじゃないかと心配だったんですね。」
「え?そうなんです?」
「ぃ、いや、そのような…。」
「ここは、え~っと…アルファルム大陸ですから、この場でエレンシアさんを知ってるのはラクネアさんだけですよ♪」
「はぁ~…そのラク姉ちゃんに一番知られたくはなかったのですが…。」
「あっ、そうですよね~…すいません。」
「いえ、正直に言わせてもらえばその通りです。ラク姉ちゃんと出会ったときは私も同じような見た目の子供でしたから、年上だったのでラク姉ちゃんと呼んでいたんですけど…気付けばラク姉ちゃんは出会った当時のままの容姿で、私は成長して現在ではこの姿ですからね…。」
花音は改めてエレンシアを見る。
確かに身長は私よりも断然高い…178?180?ぐらいかな?足も長いし…美人さんです。
でも…うん。スレンダーな美人さんです♪
「ああ…幼い頃の呼び方が根付いてそのままっと…。」
「はい。」
「そして、ラクネアさんは当時のままで、姉であり、友であり、妹…でもあると…。」
「良く気付きましたね…顔には出してないと思うんですが…。」
えっ⁉思いっ切り行動と表情に出てたんだけど…黙っててあげた方が良いのかな?
「ま、まあ、そこは何となくです♪」
「何となくって…。」
「私には弟が居ますから、弟が彼女を紹介して来て、その彼女から妹さん?って言われたら、今のエレンシアさんみたいな感じになるかもと思っただけですよ。」
そんなこと言われたら即〆ますけど…花音はそう小声で呟く。
「で?私を実際に見てどうですか?合格ですか?不合格ですか?」
「そ、そんなことは…ラク姉ちゃんが主と選んだ人ですから、私がとやかく言うことは…。」
「合格ですか?不合格ですか?」
「で、ですから…。」
「合格?不合格?」
「……まだ分かりません。」
「まだ?」
「はい、人柄は…悪い人ではないと何となくですが理解出来ました。」
「そう言われるとムズ痒いですね…。」
「あとは実力を見せて頂きたいと思います。」
「実力…ですか?」
「ちょっと待つですです!エルちゃんそれは無謀です。」
「エルちゃん?」
「あっ…エレンシア様の幼名がエルチェですです、ですからつい…。」
「エルチェって幼名だったんですか…。」
苗字か名前だと思ってた…。
(苗字と名前の場合は=が付きます。例えば花音様で言えばカノン=タカナシとなります。)
そうなんだ…後ろが苗字になるんだね。
(はい。家名が名前の後になります。名前と家名の間にもう一つ入る人も居ますけど。)
もう一つ?
(これは特殊な役職が名前の一部になってたり、王族や高位の貴族の分家などが自分たちの血筋を表す為だったりします。)
特殊な役職?
(滅多に居ませんが、本当の神職の一族とかに多いいです。偶に自称も居ますが、その場合は鑑定には表示されませんから。)
あぁ、そうだったね。それで神職って?神主さんとか巫女さんのこと?
(そうですね、あとは鍛冶師や召使い、歌い手、楽師とかですね。)
はぁ~そんなのがあるんだね。ありがと。
「っと…実力ですか…実力と言われてもどうします?直接エレンシアさんが私と手合わせしますか?」
「エルちゃんそれは止めるですです!主もそんな提案は止めて欲しいです。」
「そうは言っても、直接手合わせした方が実力が分かり易いかと思ったんですけど…それに私も赤の魔剣士の実力を見てみたいですしね♪」
「にゃ⁉」「なっ⁉」
花音の赤の魔剣士という言葉にエレンシアはラクネアの方を見るが、ラクネアは首を横に振り否定する。
ラクネアの反応を見てエレンシアはしばらく考えた後に意を決して、花音の申し出を了承する。
今週はもう1話…無理かも(´・ω・`)
今回登場のエレンシアさん…不思議なことに名前が115話と116話途中まで違う名前で、その後がエレンシアになってました…ですのでエレンシアに統一して修正してます。
あの時の私に何があったんでしょうね?
それと後半に姓名の間にもう1つ入ると書いてますが、私は大納言とかの官職を想像して書いて、その後に織田信長で調べたら織田弾正忠平朝臣信長と思ってたのと違ってました…。
それ以外に平朝臣織田上総介三郎信長とか…。
気になった方は調べてみてくださいm(__)m




