153、シナロナハウス。建てる場所を決めただけです。
すいません今週?は1話だけの投稿です。
花音とシナ婆さんは2人で周辺を見て回る。
「どの辺りが良いですか?」
「そうニャね~…お風呂の近くが…いや、ハルちゃんも一緒ニャら離れてる方が良いかニャ?」
「ハルサメさんが一緒だと離れてた方が良いんですか?」
「そうニャ、ハルちゃんは研究もしてるからニャ…カノちゃんが建ててくれるニャら爆発は大丈夫だとしてもニャ、異臭はどうにもニャらニャいと思うニャ。」
「爆発と異臭がするんですか⁉」
「ハルちゃんはシグレと違って魔法と薬の研究ニャ、どっちも爆発するニャよ。」
「ぇ?…え⁉魔法は兎も角、薬も爆発するんですか⁉」
「そうニャ…不思議ニャね…。」
「危険物じゃないんですよね?」
「違うニャよ?普通に傷薬とかニャよ?」
「……それが何で爆発するんですか!」
「だから不思議ニャんだニャ。」
「…まあ良いです、爆発に関してはその部屋だけで済むようにするとして…異臭、異臭ですか…。」
「そこは薬だけだから安心して良いニャ。」
「何処が安心なのか疑問ですけど…。」
「毒じゃニャいからニャ、臭いだけってところで安心して欲しいニャ。」
「ああ、臭いだけですか…換気扇…でもそれは外に異臭を逃がすだけだから…。」
「ハルちゃんに薬の研究は禁止と言っておくかニャ?」
「ん~……スリーピーさんでも無理だよね?」
「出来る。」
「だよね~…って出来るの⁉」
「ん。」
「そっか…そういえば、あのトイレも臭くなかったしね…そっか、そうか…それなら換気扇付けて臭いを一ヶ所に集めて外にって方法が出来るかな?
スリーピーさん、どれぐらいで異臭処理できるの?」
「分からない。」
「分からない?」
「臭いによる。」
「た、確かに…それなら、例えばハルサメさんの部屋の異臭を何処か一ヶ所に流して、そこで処理して外に出すっていうのは?」
「……違う。」
「違う?何が?」
「捕食と同じ。」
「捕食と?」
「そっ。」
「ん~…。」
ナビちゃんヘルプ!
(スリーピー様は臭いを取り込んで消化…この場合は消臭すると言いたいのでしょう。)
ということは…臭いを取り込んで排出しなくても良いってこと?
(そうですね。)
そっか、ありがとう。
「臭いを取り込んだままで良いってことなんだよね?」
「そっ。」
「そっか…それならあとはハルサメさんに決めてもらうとして…。」
「ニャにをハルちゃんが決めるのかニャ?」
「研究する部屋にスライムが居ても問題ないかを、です。
それが嫌なら換気扇付けてスライムが待機する部屋に流して処理してもらうとかの別の方法を考えます。」
「そうかニャ…それニャらお風呂の近くに建ててもらっても問題ニャいのかニャ?」
「そうですね。最悪問題があれば家ごと移動してもらうことになりますけど…。」
「ニャ⁉家ごとかニャ⁉」
「はい、私の収納に家を収納して…。」
「そんニャことが出来るのかニャ⁉」
「まあ…出来るとは思うんですけどね…。」
「凄いニャ…。」
「それでどの辺りを希望しますか?」
「そうだニャ…カノちゃんの家の隣でお願いするニャ。」
「分かりました。」
花音は移動しようとして思い出す。
「あ、分体さん達はあの小屋で待機お願いします。」
「分かった。」
スリーピーの了承で後を付いて来ていたスライムたちは待機小屋へと移動して行く。
「予期せずスライムが増えちゃった…。」
花音はシナ婆さんと家の方へ向かう。
「カノンちゃん丁度お昼できたっすよ♪」
「ぁ…そうですね、先にお昼にしましょうか。」
「そうするかニャ。」
お昼は昨日獲った魚を焼いた焼き魚。
「ちょっと待ってくださいね。」
そういって花音は収納からテーブルと椅子を人数分取り出し、それをヨギリが配置して行く。
次にテーブルの上にお皿を出していくとキンとスダレが並べて行く。
「あれ?なんか多くないですか?」
「あぁ…それはカルトとタマの分っすよ。」
「あ~そっか、そうですね。ここに呼びますか?」
「いえ、カルトはタマの監視任務中ですから、ここへは…。」
「カノンちゃんが声をかければ来ると思うっすよ?」
「ん~…止めておきましょう。それで任務を放棄して合流される方が困りますよ。実際こっちに来そうですからね…。」
「カルトのあの様子だと二つ返事で来そうなのじゃ。」
「ですよね…お皿出しますから持って行ってあげてください。」
「分かりました。」
花音はお皿を取り出して焼き魚を乗せ、それをヨギリがカルトへと持って行く。
しばらくしてヨギリが1皿持って戻って来る。
「そのお皿は…。」
「はい、タマはスリーピーさんの分体に包まれたまま眠ってました。」
「やっぱりまだダメでしたか…。」
「暗くなっても仕方ないっすよ♪ヨギリんが戻って来たっすからお昼にするっす。」
「そうですね…いただきます。」
「「「いただきます。」」」
「いただき…何ナ?それは?」
「カノちゃんが食べる前に言う言葉ニャよ。」
「そうなのかナ…ならわても…いただきます?」
「はい。いただきましょう♪」
それぞれが手掴みで魚に喰いついてる中、花音は箸で食事をする。
「カノちゃん。」
「何ですか?」
「そのカノちゃんが使ってるのはなんナ?」
「これはお箸ですよ。」
「器用に棒を使ってるナ。」
「カノンちゃんっすからね♪師匠がこの箸の使い方を教えてもらいたいってカノンちゃんに言ってたっすけど…使えるようになるんっすかね?」
「ギルルドがかナ。」
「そこは少し考えがありますから、ギルルドさん次第ですね。」
「そうなんっすか?自分も覚えた方が良いっすかね?」
「どっちでもいいんじゃないですか?キンたんは別に武士に成りたい訳じゃないんでしょ?」
「それはそうっすけど…師匠の弟子で花音ちゃんの孫弟子っすからね…。」
「まあ、キンたんが覚えたいならギルルドさんと一緒に覚えたら良いですよ♪箸を使えるようになったからって、武士に成れるとは限りませんからね。」
「そうなんっすか⁉師匠は…。」
「ああ…ギルルドさんは可能性があるみたいですけど、キンたんは分かりません。」
「そうなんっすか?…師匠を見てから考えるっす。」
「ハルちゃん。」
「なんナ?」
「この近くに家を建ててもらうことにしたニャ。」
「大丈夫なのかナ?」
「大丈夫だと思うがニャ…。」
「シナちゃんがそう言うなら、わては構わないナ。」
「それでハルちゃんの研究場所ニャんだがニャ…。」
「わての研究のことまで考えてくれてたのかナ……それで研究場所がどうしたのかナ?わては別に無くても適当に離れた場所に勝手に作るつもりだったんだがナ。」
「そこはカノちゃんが作ってくれるらしいから問題ニャいニャよ、ただ、研究する部屋にスライムが居ても大丈夫かニャ?」
「スライムかナ?」
「そうニャ、スリーピーさんのいうことにはニャ、異臭もスライムがどうにか出来るって話だったニャ。」
「ナ⁉…た、確かにスライムを使ってるトイレは臭くないがナ、スライムはそんなことまで出来るのかナ…。」
「そうらしいニャよ。」
「むむむぅぅ…研究の失敗で死んだりしないかが心配ナ。」
「そこは大丈夫だと思うニャ………カノちゃん。」
「何ですか?」
「ハルちゃんにカノちゃんのこと教えても良いかニャ?」
「あ~……まあ良いですよ。」
「良いのかニャ⁉」
「なんで驚いたのかは置いといて、シグレさんもスダレたんも知ってますからね、そこにハルサメさんだけが知らないって状況はシグレさんとスダレたんが大変じゃないかな?と思ったんで、まあ良いかな?っと…。」
「それはどういう意味かナ!」
「感謝するのじゃ。」
「スダレ⁉」
「あはは…ということでこれをハルサメさんにプレゼントです。」
花音はキンたちに身に着けてもらっている腕輪を取り出しハルサメに渡す。
「これは…カノちゃんに会ったときにシグレとスダレに渡した物と同じかナ?」
「そうです。これを着けると私に職業について話すとビリビリが襲います。
それと1度身に着けると私以外では外せません。
最後にこの腕輪には自然回復向上と精神耐性の能力が付与されています。
どうしますか?」
「………分かったナ。わてはこれを着けるナ。」
そういってハルサメは受け取った腕輪に腕を通すとサイズが調整されピッタリのサイズになる。
「着けてもらってから聞くのもなんなんですけど…何でそんな話になったんですか?」
「ニャ⁉」「ナ⁉」
「ハルちゃんがスライムを部屋に居させて、死んでしまわニャいか心配してたからニャ、スライムの分体のことを教えようかと思ったんだがニャ…それについて話すのニャら、カノちゃんのことにも触れニャいといけないからニャ。」
「あぁ、そうですか…私の職業は魔王です。それと頭の上のスリーピーさんの本体はスライムの魔王のスライミーさんです。」
「………はぁ⁉カノちゃんが魔ギョー!!」
「あ、ハル婆さんでもそうなるんっすね、安心したっす♪」
「どこが安心なのかは理解出来んのじゃが…ハルサメ様でもそうなってしまうということは…私は絶対に口にしないのじゃ。」
スダレは自分の腕輪を見ながら決心する。
「そういうことニャ♪」
「ニャ♪じゃないナ!何でそんな大事なことを教えてくれなかったんだナ!」
「カノちゃんから口止めされてたからニャ。」
そういってシナ婆さんはハルサメに腕輪を見せる。
「…納得したナ、そしてスライムの件も理解したナ。
あの噂に名高いスライムの魔王だったとはナ…。」
「噂?どんな噂なんですか?」
「最強の魔王はドラゴンの魔王ナ、最恐の魔王はスライムの魔王ナ、という話があるのナ。」
「さいきょうとさいきょう?」
「同じに聞こえるがニャ、強さがドラゴンの魔王、恐さがスライムの魔王という意味ニャよ。」
「あ~、恐さで最恐ですか…。」
「しょんぼり。」
「ま、まあ、スライムの魔王についてはその姿を見た者がここ数百年居ないからナ、噂だけが残ってる状況ナ。」
「そう…なんですね…。」
「それ、本当のことだと思うっすよ。」
「そうニャね…といってもわー達はドラゴンの魔王に会ったことがニャいからニャ。」
「ん?その言い方だとスライムの魔王に会ったことがあるような言い方なのじゃが…。」
「会ったっすよ、恐かったっす。少し漏らしたっすよ。」
「「え⁉」」
「スリーピーさんはスライムの魔王の分体ニャよ?」
「そう言ってたナ。」
「分体がここに居るのに本体と会ってニャい訳がニャいニャ。」
「「ぁ…。」」
ハルサメとスダレはそのことに思い至ったのかしばらく思考が停止し、絶句する。
「と、ということは…どういうことナ?ぉお、お友達にでもなったのかナ?」
「お友達ですけど、従魔になってくれました♪」
「ナ⁉」「な⁉」
「クックク♪ハルちゃんも驚いてるニャ♪」
「と、当然ナよ!魔王を従魔にするって!…カノちゃんは何者なのかナ?」
「何者と言われましても…職業が魔王の人族ですよ?」
「ハルちゃん、カノちゃんに聞いてもわーたちが納得できる答えは返って来ニャいと思うニャ…。」
「むぅ…まあ良いナ。スライムの魔王の分体なら研究の失敗に巻き込まれて死ぬこともないと思うナ。
それなら部屋に居ても問題ないナ。
それに…分体の方がわてより強いだろうしナ…。」
「分かりました。」
「それはそうだとしても…こらスダレ!いつまで呆けてきるナ!」
「で、ですが!…魔王が従魔って…カノンが来てから常識が…。」
「スダレの気持ちも分るナよ、こんな狭い村の常識なんか有って無いようなもんナ。」
「まあ…確かにそうなのじゃが…。」
「そうは言ってみても、カノちゃんは常識外過ぎるんだがナ。」
「で、ですよね?」
「そうっすね♪カノンちゃんっすからね♪」
「またキンがドヤ顔してますよ、お師さん。」
「あはは…。」
「何でキンがそんな顔をするのナ?」
「カノちゃんをこの村に誘ったのがキンだからニャ~。」
「あぁ…それでかナ。」
「お昼食べ終わったら、家の間取りを考えてくださいね?」
「間取り?間取りとはニャにかニャ?」
「わては研究出来る部屋があれば良いだけナよ?」
「………間取りはシナ婆さんなら分かると思いますけど、私の家みたいに玄関、入り口があって…数人が集まれる大き目の部屋、個人の部屋とか…。」
「あ、ニャ!カノンちゃんの家の入口についてる、あれ!あれをお願いするニャ!」
「あれ?…あぁ、ドアノッカーですか…。」
「たぶんそれニャ!コンコンってするやつニャ!」
「シナちゃんが興奮するようなものなのかナ?」
「あれは良いものニャ♪」
「シナ婆さん……ドアノッカーって来訪を知らせる為のものですから、取り付けても自分の家のドアノッカーを自分で使うことはないと思いますよ?…たぶん。」
「ニャ⁉にゃ~ん…しょんぼりニャ。」
「一応ドアノッカーもつけますけど、他に何かありませんか?」
「わては研究出来る場所があればいいナよ。」
「わーも作業場があればいいニャ、それ以外はカノちゃんに任せるニャ。」
「作業場ですか?どんな作業をするんですか?」
「わーは薬を作るだけニャよ。」
「分かりました、お昼食べ終わったら早速作業しましょうね。」
「それは有り難いがナ。時間は大丈夫なのかナ?」
「大丈夫だとは思うんですけど…キンたんどう思いますか?」
「ふふぇ?モグモグ…ンッグン。そこで自分に聞くんっすか?そうっすね………ギリギリじゃないっすか?先にラクネアさん呼んどいた方が良いかも知れないっすね。」
「わーたちは明日でも大丈夫だからニャ?」
「カノちゃんはお風呂の準備もあるはずナよ?」
「あ、そうニャ!お風呂ニャ!わーたちの家よりそっちの方が重要ニャよ!」
「あ~、はい。それならそっちを先にやってから考えましょう。」
花音はお昼を終えて先ずはラクネアに念話を送る。
前書きの今週?のはてなは…あれです。
1週間のスタートが月曜からなのか日曜からなのかで違うので?を付けました。
因みに私は月曜日スタートです。




