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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
150/183

150、話し合い。なんとか纏まりましたよ?

狼の交渉が終わってしまったので次は自分の番だと緊張し出す女王。


「次は女王さんですが…。」


「ゴクッ…ど、どうぞ言ってください。」


「私はマァトゥンの毛皮と牛乳が欲しいんです。」


「へ?け、毛皮と牛乳…ですか?」


「はい♪つきまして許可が必要ですが、あ~…え~っと…プリズモフ?の村に来ませんか?」


「え?」


「お師さん、プリズモスです。」


「え?あぁ…村に来ませんか?」

「村の名前を省略しましたね…。」


「それは…あなたが私や仲間たちを庇護してくれるということですか?」


「ん~まあ、そうですね。私で可能な限りは護ります。」


「お師さん、そこは可能な限りではなく、絶対護るの方が…。」


「え?嘘は言えませんよ、この世の中に絶対なんてありませんよ?私が近くに居ないときもあるでしょうから、絶対なんて絶対言えませんよ。」


「…今言ってますよ。」


「あっ…と、兎に角です!私で護れる範囲であれば護ります!」


「仲間たちも一緒に……すいません。」


「そうですか…。」


しょんぼりした花音を見て女王は慌てて言葉を発する。


「い、いえ!私としては大変有り難い申し出なのです!」


「それならどうして断られたんですか?」


「私としては有り難い申し出なのですが…私はあくまでも代行ですから、私の一存でそこまでは決められないのです。」


「あぁ…ごめんなさい!」


急な花音が頭を下げ謝罪したことに女王は状況が良く分からない。


「へ?何を……?」


「たぶんですが…あなた達のボスは私が倒しちゃいました。」


「…………はぃ⁉」


「すいません。」


「え~……っと、詳しくお伺いしても?」


「はい。」



花音はマァトゥンキングを倒した時の話を女王に説明する。



「…………ふぅ~…それは仕方ありません、この世は弱肉強食ですから……残念ですが、あなたが謝罪する必要はありません。」


「すいません、それと、ありがとうございます。」


「いえ、感謝も必要ありません…ただ…。」


「ただ?」


「あなたが倒されたのが私の夫、王であるという確証がなければ、私は代行のままで決定権がありません。」


「確証…ですか…。」

花音は収納から毛皮を取り出す。

「これしかありませんけど…。」


「それは?」


「倒したマァトゥンキングの毛皮の残りです。」


「……し、失礼します。」

女王はそれだけ言って花音の返答を待たずに毛皮に顔を近づける。


「………………ぐっ……お、夫、王で間違いありません。」


「すいま…。」


「先程も言いましたが、謝罪は必要ありません。」

「…。」


「これで私に決定権が出来ました、あなたの申し出を受けたいと思います。」



素直に喜んで良いのか迷ったが花音は「ありがとう」と口にする。



「いえ、こちらこそありがとうございます、あなたの庇護下にあれば安全は確約されたようなものです。」


「そうなんですかね?私で出来ることなら最大限しますけど…あ、でも村長さんの許可は必要ですから糠喜びになる可能性も…。」


「そこは大丈夫だと思います、某が先に戻って伝えておきます。」


「そうですか?すいませんがお願いします。数は…19です。私の家の近くに住んでもらおうと思ってますからそのことも一緒に伝えてください。」


「分かりました。」


花音に返答して早速ヨギリは村に戻って行く。




「あ、ガルドラさんも一緒に住みませんか?」


「「え?」」


「主それは…。」


「一応村長さんには既に伝えてますよ?」


「む…それは有り難いのだがな…。」


ガルドラはマァトゥンの方を見る。


「あ、ダメですよ、一緒に住むことになればマァトゥンは食…獲物じゃないですからね。」


「生殺し状態であるな…。」


「私達は勘弁して欲しいですが、それ以外に私は関与しません。」


「そ、そうか?♪」


「住み分けが必要ですかね?いくら関与しないと言っても同族が食べられてる姿を見たくはないでしょ?」


「うっ…確かに…そうですね。」


「我も妻や娘たちに伝えて相談させてもらいたい、住み分けに関しては主の意向に従うとして…家族で来た時に結論を伝えることでどうだろうか?」


「そうですね、急な話でしたから家族の皆さんで相談されてください。」


「うむ。」




セキが何か言いたそうにこちらを見ている。


「何か?」


「い、いや…。」


「…そうですか?次に女王さんとは今後のこともありますから従魔契約をするとして…」


「私の方はそれで構いません。」


「…セキさんはどうしますか?」


「どうしますか?と言われてもな、俺たちは飼われることは望んでいない。」


「そうですか…。」


「ただ…飼われるのは望んでないが、望みがある。」


「どんな望みですか?」


「俺たちと敵対しないで欲しい。」


「敵対ですか?」


「そうだ、お前が強いことは分かるんだが、その強さがさっぱり分からん。

お前は異常だ。」


「異常じゃないです!失礼な!」


「きゅ~す、すまん。」

セキは耳をペタンと伏せて謝る。


「赤いののいうことは分かる、おそらく主と出会う者は全員同じ感じだと思うぞ?」


「え~ガルドラさんもですか?」


「正直に言えばそうだ。主との出会い方が少しでも違っていたら、我はここに居なかったと思うぞ?」


「え?そうなんですか?」


「おそらく…だがな、我は死んでいたと思う。」


「あの時だったら殺したりまではしないと思うんですけど…。」


「だから出会い方が違えばと言っておるのだ、主の方に殺す気が無かろうと、我が死ぬまで戦っておったと思うからな。」

「え?ぇ?えぇぇぇー!」



「驚くところなのか?」


「主にとってはそうなのであろうな。」


「そんなものなのか…。」


「おい、赤いの。」


「なんだ?…なんですか?」


「別に我に対して言葉を改める必要は無いぞ?」


「そ、そう…か?」


「うむ、それで赤いの…お前たちが我と遭遇した場合はどのような行動を執る?」


「むっ…遭遇の仕方にもよるが………隠れる、逃げる、最悪は部下を嗾けている間に逃げる、それが無理なら死ぬと分かっていても戦うのどれかだろうな…。」


「何で死ぬと分かってるのに戦うんですか?」


「それはな…あぁ…成程。」


「赤いのはなかなか賢いな。」


「褒められてる気がしないが…何故戦うかと言われれば生き残る為だ。」


「生き残る…ですか?」


「そうだ、さっき言ったように、隠れる、逃げるで大丈夫なら問題ないが、少しでも多くの配下が生き残る為に部下を嗾けて時間を稼いでいる間に逃げる、ここまでは理想だな。

それが無理なら…全員で戦って相手にこちらに手を出すのは割に合わないぞっと思わせるように戦うのが普通なのだが…おそらくそこの大きいのが相手では全滅は確定だな…

…それでも生き残る可能性があるのは戦う方だろうな…。」


「前半は何となくですが理解出来ます。後半はやっぱり理解出来ないんですけど…。」


「主よ、我とて体力は無限ではない。数で来られれば疲れて動きが鈍くなって来るのは当然だ。」


「その間に逃げる…っと言いたいが………無理だろうな、この大きいのの体力を削る前に俺たちは全滅する…。」


「まあそうであろうな。」


「あとは希望的観測としては、大きいのが食料目的で、俺たちをある程度狩れば見逃してくれる…ぐらいか…。」


「食料目的なら全滅させないんですか?」


「当然であろう。多く狩っても食べきれなければ腐らせ食えなくなるだけだ、それに狩り尽くせば次が困る。」


「それはそうですね、当然のことでした。」


「雄と雌が残っておれば勝手に増えるしな♪」


「強者の論ですね…ま、まあ、ガルドラさん相手だと中途半端に嗾けても時間稼ぎにもならないから、全力で戦うってことは理解出来ました…でも…。」


「主には赤いのの考えが理解出来ぬか…。」


「はい。死を覚悟して戦うぐらいなら、死を覚悟して逃げる方が良いと思うんですけど…。」


「そうか…主よ、逃げるというのは主が思う程簡単なものではないのだ。」


「え?」


「主が逃げるような状況になることはないと思うから理解出来ぬかもしれんが、逃げるというが何処へ?逃げた後は?ということになる。」


「そうだな…下手に逃げれば、違う者に狩られてしまう。運良く逃げ切れたとしても、その後は?俺たちは群れで行動する。1人2人逃げ切れたとしても、後が続かん。

その時は生き残れたとしても、いずれは餓死か他の魔物に狩られるかのどちらかだな。」


「生き残れませんか…。」


「可能性がないとは言わんが、かなり望み薄だ。」


「そうですか…分かりました敵対しません…と言いたいですが、村の人に何かあれば私は村人の方を優先するでしょう。」


「…そうか…無理か…。」


「そう気を落とすな赤いの。」


「…。」


「要は主の言うところの村人を襲わなければ良いのだ。」


「そうは言うがな、大きいの…俺がそれを守ったとしても他の配下まで守れるとは確約できん。」


「………それもそうだな。」


「確約出来ないんですか?」


「正直にいうと見分けがつかん。」


「あ~…確かに、私もセキさん達の見分けが付きませんからね…。」


「匂いもな…似ていて区別出来ん、お前は不思議な匂いだからなんとか区別できるんだがな…。」


「私の臭いって不思議ですか?」


「主の匂いは、なんと言えば良いか…この森の匂い以外の匂いがするな。」


「クンクン…分りません。」


「それは当然だ。キンやナンでもそこまでは分からんと思うぞ?」




「それならどうしましょうか?…合言葉でも決まますか?」


「それはもっと無理だ、主以外に我らの言葉が理解出来る者がおらんだろ?あの主の一番弟子のヨギリンというのも赤いのの言葉は理解してなかったからな。」


「あ、そうでした…。」


「逆も同じだ、我らからすれば主たちの言葉は理解出来ん。」


「むぅぅ…手がないですね…。」

「「「………。」」」




「ガルドラさんがセキさん達のボスならどうなりますか?」


「む?我が赤いののボス?…無理だな。」


「群れのボスは群れと共に居なければボス足り得ない。」


「単身赴任…。」


「たんし…そのなんとかとは何だ?」


「家族を残して遠い場所でお仕事する人のことなんですけどね…。」


「それは我が嫌だぞ?」


「ですよね~。むぅぅぅ…難しいですね。」


「我らは魔物であり動物に近いからな、主たちの様にはいかん。」


「そうですね。」


「無理を言った、さっきの希望はなかったことにしてくれ。」


「良いんですか?」


「良くはないが、出来ないものをこれ以上考えるのも無駄だと思っただけだ。」


「………それなら条件付きで了承ということにしときますか。」


「条件付き?」


「はい、基本私はセキさん達とは敵対しませんが、私の知り合いに何かあればその限りではないってとこですかね?」


「現状それしかあるまいな、赤いのはどうする?」


「それでも有難いことは有り難い。配下の者達にはなるべく襲わないようには伝えておく。」


「それならそれで決定ということで。」


「ああ。」


「さて、気を失ってる皆さんに起きてもらいましょうか♪スリーピーさん大丈夫そうですか?」


「ん。」


「それならお願いします。」


スリーピーの分体が取り込んでいたレッドウルフとマァトゥンから離れると、気を失ってた者達がちらほらと目を覚まして行く。




花音が森の魔物を懐に入れて行くと…食糧問題が…

羊に関して問題が起こるとすれば…増え過ぎでしょうね…

すぐということはないでしょうけど、どうしよう…(´・ω・`)

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