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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
147/183

145、それぞれ。獣さん達です。

私はこのマァトゥンの群れの女王、偶にこの森に踏み入った人族はマァトゥンクィーンと呼んだりします。


名前は…あれ?私の名前は……何だったでしょう?

ここのところ女王としか呼ばれてません。

まあ、私の名前は今回どうでもいいです。


私の夫、この群れボスで王になりますが…数日前に水浴びに行くと言ったきり戻って来ません…。

夫不在の今は私がこの群れのボス代行です!しっかり纏め上げねば…と思ってたんですけどね…

現在赤い毛の狼の群れに襲われてます。


これも…2日前?3日前だったかな?突然他の生息区域の魔物や動物がこちらに雪崩れ込んできました。

それはまあ、なんとか凌いだんです。

その翌日には私達の生息区域で近くで突如恐ろしいほどの恐怖を感じました。

考える間もなく本能のまま逃走です。

はい、それはもう…逃げろと本能が叫びましたから、方向や他の仲間のことなど全く考える余裕もなく逃げました。

今思えば昨日の魔物や動物たちも同じだったんではないでしょうかね?


私の群れも散り散りになり56居た仲間も24と減ってしまいました。

行方の分からない32も無事でいてくれれば良いのですが…。

昨日のあれで元の場所にはまだ戻れません、残った仲間を引き連れて安全な場所を探してたら赤い狼に襲われました。

恨み言の1つや2つ言いたいですが、今はそんな場合ではありません。


残った仲間が襲われてます、私を逃がそうと囮になると言い出す者も居ます…私はどうすれば…。

そう考えてたら、私達と狼の間に猫人?が入って来ました。

全然気づきませんでした。

狼はその猫人を警戒して私たちを襲うのを中断します。

助かったのでしょうか?いえ、まだ油断は出来ません!

それにしてもこの猫人…私や赤い狼と会話が出来るようです。不思議な…


と思っていたのもつかの間、なんか大きな狼が突如現れました!

先程まで私達を襲っていた赤い狼の比じゃありません!その証拠にあちらも戦意喪失してますよ!

くっ…ここは私の命だけで仲間は見逃してもらえればと思います、私にそんな価値が有ればですけどね。


そして猫人は意味不明なことを言っています、私達のこの状況の責任が自分にあるとかなんとか…そんな莫迦な話はあるはずがありません。



次に猫人は「ちょっとやって見せます、なるべく早く収めたいと思ってますけど…そこのレッドウルフのボスとマァトゥンの女王さんは逃げないように、ガルドラさんも気を付けてくださいね?」と言って来ました。



私も赤い狼も逃げないように釘を刺されました、まあ逃げても無駄だとは思うんですけど…。

赤い狼は狼狽えながらも頷いてます。

…これ、頷かなかったらどうなるんでしょうね?

取り敢えず私も頷きます。逃げなければいいのです!なんとかなります!

ごめんなさい…なんともなりませんでした。


猫人から昨日感じた恐怖程ではありませんが、同様の恐怖を感じます。

本能が逃げろ!逃げろ!と警報を鳴らしてます。

それでも私は頑張りました!仲間の為に頑張りましたとも!私を褒めて!


私はその場に踏み留まれたと思ってたんです…それがただ意識を失って気絶してただけで、逃げるも何もなかったんですけどね…。


あの時、あぁぁぁ~…もう楽になっても良いよね…。

そう考えたのが悪かったんでしょうね、頭の中が真っ白になりました。

あ、でも楽にはなりましたよ♪




俺はこの狼の群れのボスだ。

名前はセキ。


2日前?3日前だったかな?突然他の生息区域の魔物や動物がこちらに雪崩れ込んできた。

餌が自分からやって来たと喜んだのもつかの間、逆にこちらが危険になった。

普段は俺たちの姿を見れば逃げ出す動物共までもが俺たちを恐れず、こちらに突撃して来やがった。

さすがの俺たちもあの数は無理!数頭を相手にするのとは訳が違う、10頭20頭ではない、魔物、動物入り乱れての突撃だ、正直ここまでか…なんて考えてしまった。

その日はどうにか生き延びた、群れの奴らは何匹かダメだったが…。


その翌日には俺達の生息区域の近くではないが、離れた場所で突如恐ろしいほどの恐怖を感じた。

考える間もなく本能のまま逃走した。

それはもう…逃げろと本能が叫びやがった、兎に角俺たちは考えることを放棄して逃げた。

今思えば昨日の魔物や動物たちも同じだったのではないだろうか?


そうして元の縄張りに戻ろうかどうしようかと考えていたら、近くを獲物が群れでやって来た♪

腹は減ってる、なら考える前に腹ごしらえだ!


「野郎共!」


「野郎じゃない!」


あ、すいません、雌も居ました…。

「者共!獲物だ!」

「「「おぉぉぉー!」」」


ということで獲物を襲ってたら猫人…ではないな、俺には分かる臭いが違う。


ここでは猫人らしき雌と言っておこう、その雌が俺たちと獲物の間に一瞬で現れた、そう…一瞬でだ。

当然警戒する、残念だが獲物を襲ってる間に殺されても困る、獲物を襲うのを一旦中断して猫人らしき雌を見る。


獲物の方も状況が分かってないのか逃げる素振りすら見せない。


驚いたことにこの猫人らしき雌は俺たちや獲物たちと会話できるようだ。


「貴様は何者だ!」


当然会話出来るなら訊いておきたい、何故ならこの雌は臭いがおかしい。

色々な臭いが混じってるようで、違う…。

強者の様で、そうでない様で、それでいて何故か攻撃する気も起こらない。


この感じは何と例えれば良いのか…空?俺たちの頭上に見える空のような感じだ、今自分が見ている空はほんの一部で、自分ではその全容を確認出来ないような感じかな?


前にそんなことを言ったら、配下の連中に爆笑された…失礼な奴らだ。



今思えば、あの時俺は直感でこの雌に勝てないと理解していたのかもしれない。


その後の会話で理解したことは、この雌が俺たちを恐れていない、いや…それどころか何か小動物とでも思っているのか?

仮にそうだったとしても俺はこの群れのボスだ!配下の連中に不甲斐ない姿を見せる訳にはいかない!




…この日俺は3度謝ることになる。

当然心の中でだ、声には出せん!いや、配下の手前声に出したかったが出せなかった。


1度目は猫人らしい雌が大きな黒い狼を呼び出したとき。

これは俺にも分かる、強過ぎて強さがよく分からないということがだ…配下の半分は一目散に逃げだした。

これは仕方がない、この件で俺は怒らないと誓おう。

残った配下は俺への忠誠から残った訳ではなく、この狼の攻撃範囲に入っていて逃げようにも逃げられない連中だ。

当然俺も…。


2度目はその猫人らしい雌が発した恐怖、正直逃げなかったことを褒めたい。

この猫人らしい雌に逃げないように釘を刺されたからではない、それ以前に足が震えて動こうにも動けなかっただけ。

そしてスライムに捕食された、正確には捕食ではなかったが…。


そして3度目…。





我はガルドラ。

主のカノン殿はガルドラさんと未だに呼ぶが…。

まあそこは置いておこう、従魔になったのも昨日だしな。


主に呼び出されれば赤いのと美味しいのが群れで居た…じゅるり。

いかんいかん、主から襲ってはダメだと言われておるからな、我は我慢できるのだ。


さて、主は仲介と言っておったが…仲介?何故こ奴らに情けをかけるのだ?

訊けばメリット…美味しい所がないそうだ。

美味しい所がないのはいかん、不味い肉ばかりだとしょんぼりしてしまう。

目の前に美味しい…じゅるり。

いかんいかん…。


「…ガルドラさんも気を付けてくださいね。」


ん?何を気を付けろと?

主の強さは知っておるし…と考えていたら主から威圧…ではない殺気が発生する。


我は主が強いことを知っているだけで、本当の強さは知らなかったのだとこの時思い知った。


この我でも震えが止まらんのだ、赤いのや美味しいのは無理だろうと思っていたら、案の定赤いのは群れのボス以外は失神、美味しいのは全員失神という結果だ。

ほら美味しい奴らの群れのボスがとんでもないことになっておる……いくら美味しくともあの顔を見た後では食べる気にならんな…。


これでも抑えているのだろうから、本気だったならば意識を手放すだけでなく、生きることを放棄するかもしれん。

我はとんでもない主の従魔になったのかもしれんな…

娘たちに安全な場所が出来たと思って喜んでおこう。


その後主の頭の上に居るのがスライムだということが分かった。

分体がスライムだったからな。

そこで疑問が出て来るのだが、このスライムは何者なんだろうか?主のあの殺気を平然と近くで受けて、その上主の頭を叩いて止める…

いや、普通のスライムでないことは分かる、分かるのだが、スライム…スライムか…何処かで聞いたことがあるような…。

まあいい。





今回は獣さん達のお話でした。

殺気を鬼氣って書きたかったんですけど…調べたら出て来なかったので止めました。

鬼気ならあったんですけどね…。

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