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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
142/183

140、範囲外。すいません。

花音はイメージ通りに水量を調節していき、だんだんと水量は減って行く。



(…調整出来ましたね。)


そっだね…。


(花音様の世界の常識が原因ですか?)


う~ん?常識もそうなんだけど…知識もだね。


(どういうことですか?)


私は空間収納と創造錬金をよく使ってるけど、どちらも手を添えて発動させてたよね?


(そうですね。)


あれって収納の場合は収納したい物に触れて、錬金なら素材に触れて発動させてたんだけど、それは私が知ってたお話の知識で、何となくやってただけなんだけどね…

それで問題なく発動してたから、私の知ってることと同じだと勝手に思い込んじゃったんだよね。


(と、言われますと?)


んっとね…私の世界には魔法と魔力ってあるかもしれないけど、認知されてないんだよ。


(そうなんですか?)


そうなんですよ、魔法が無いから科学が発展してるんだけど…まあ、それが普通には目に見えない大気中の水分とかって話になるんだけどね、それでお風呂の時は私にじゃなくてお風呂の真上にイメージをしてたから、あんなことになったんだけど…。


(お風呂の真上…ですか?)


うん、湯舟の真上ね。前その湯舟に水を溜めるときに私は今と同じイメージをしてたんだよ?湯舟の真上だったんだけど…。


(同じイメージなのに今回は上手く行って、前回は失敗ですか…。)


うん、水が無い場所で水をどうやって作り出すか、それはさっき言った大気中の水分を…って話がよくあるんだよ。

だから私はその思い込みで湯舟の真上に今のイメージをしたんだよ。

でもね、今回この魔法については私の知識が悪い方向に行って、失敗したってだけなんだな~って。


(と、言いますと?)


乾燥した場所で水魔法使ったら威力って落ちたりするの?


(しませんね。)


だよね、ナビちゃんも同じ魔法でも魔力量によって威力が変わるって言ってたからね、

何で魔力量で威力が変わるのか…最初に話してくれた時はなんとなく魔力が多いと威力が上がるんだな~程度の理解しかしてなかったんだけど、

それって魔力が水に変換されるから魔力量が多い人は威力が上がって、少ない人は弱くなるってことじゃないのかな?


(成程…その考えはありませんでしたね。)


ナビちゃんも知らないってことは…。


(この世界にそんな考えは存在してませんでした。)


あぁ…やっぱりか~、そうじゃなきゃ私が魔法を使う時にナビちゃんが私に説明してくれてると思うもんね。

だから今回はイメージを私に被せたの。


(それで上手く出来たと…。)


うん♪これで魔法は…練習しないといけないと思うけど、使えるようにはなったと思うよ?


(なんで疑問形なんですか?)


そこはほら♪今はまだ私の考えってだけで実証されてないからかな?

重力魔法って私の考え方だと、自分に使う分には良いけど、相手にってことになると…ちょっと難しそうなんだよね。


(まあいいです、おめでとうございます。)


ありがとう♪ついに私も空飛ぶ少女にランクアップだよ!


(花音様はもう空を飛んでますけどね。)


え?違うよ、あれは…飛んだことになるかもだけど、自由に飛び回ってないから飛んだことにはなりません!


(花音様の中で飛ぶというのはドラゴンやワイバーンのように空を飛び回ることだったんですね。)


そうそう♪





「結構あっさりと魔力制御出来たみたいナ?」


「そうみたいだニャ…前と今とニャにが違う…。」


とシナ婆さんは言いかけて、横に立ったままの花音の分体に目をやる。


「…これが原因かニャ?」


「たぶんそうだと思うっすよ。」


「キンがそう言うのニャら、そうニャんだろうニャ…。」


「カノンのお嬢ちゃんはうちらとはなんや違うもん見てはるんでしょうね。」


「そうだろうナ…これではあの報酬は貰い過ぎかナ?」


「そこは気にしなくても大丈夫だと思うっすよ?」


「そうなのかナ?…わてもカノちゃんに弟子入りするかナ。」


「そうならはると、うちはカノンのお嬢ちゃんの孫弟子で、スダレとトウガは曾孫弟子どすな。」


「むっ…トウガは喜びそうなのじゃが、私は複雑なのじゃ…。」


「スダレの気持ちも分るんやけど、カノンのお嬢ちゃんは魔ぎょッ…。」


「ダメですよシグレ様、お師さんのことを言おうとすればそうなります。」


「ほんま…ようこないなもん即席で造れますなぁ…うちには何年かかることやら。」


「そうっすよ、でもハル婆さんが花音ちゃんの弟子になると、自分の方がスダレたんより立場は上っすね♪」


「キンに立場のことを言われるのは納得いかんのじゃ!」


「それもそうっすね♪」




しばらくすると、立ったままだた花音の分体が動き出し、周囲にいる者達はビクッとするが、戻って来た花音と分体はハイタッチをしてから腕を組んでグルグルと回る出す。


「こ、これは…何かの儀式かナ?」


「単に嬉しいだけだと思うニャよ。」


「あ、すいません、やっぱり自分がもう1人居ると良いですね♪胸は私より大きいですけど…。」


「なんやわややな…。」


「それで魔力制御の方は大丈夫かナ?」


「はい♪おかげ様で、まだ練習は必要でしょうけど、大体理解出来ましたよ♪ありがとうございます。」


「わては殆ど何もしてないからナ、お礼は必要ないナ。」


「それでどうやって制御したのかニャ?参考までに教えて欲しいのだがニャ。」


「魔法はイメージです、だからそのイメージを私に被せました。」


「どういう意味っすか?」


「え?私は魔法を使う時にイメージの場所が自分の前方だったんですけど…皆さんは違うんですか?」


「違うっすね。」「違うニャね。」「違うナ。」

「違いますなぁ。」「違うのじゃ。」


「え⁉」

花音とその分体はわたわたと焦り出す。


「なんか面白いっすね。」

「見てる分にはですけどね…。」


「シグレの言葉通りだナ、カノちゃんはわてらと見てるものが違ったナ。」


花音と分体はハルサメの言葉に反応してピッタっと止まって花音がハルサメに問いかける。


「それはどういうことですか?」


「普通、魔力は誰もが持ってるものナ、魔術を使おうと思えば自然と自分と対象…戦闘であれば敵に、畑とかなら畑にとナ、自分とそれ以外にするもんなんだがナ…カノちゃんはそれ以外は出来てても、自分がそこに含まれてなかったナ、それならわてらには気が付かないナ。」


「あ~…。」




ナビちゃん!説明プリーズ。


(すいません分かりません。)


え?何で?…え?


(これは推測になりますが…ハルサメ様の自然とうい意味は、人が呼吸をするのと同じではないかと思います。)


え~っと…どういう意味でしょうか?


(何故人は呼吸するのか…誰かに呼吸する方法を教わる訳でもないのに呼吸が出来てます、魔法も同じではないかと…。)


あぁ…それならナビちゃんも知らないのも頷ける。


(すいません。)


いやいや、別に怒ってる訳でも責めてる訳でもないからね?

ただ、その手のことはナビちゃんの範囲外だってことが分かったってこと。


(そうですね…さすがに範囲外の話でした…。)


まあ、ナビちゃんはそっち方面は範囲外ってことが分かったから、今度からはその辺は注意しなきゃ…って注意してどうにかなるかな?


(どういう意味ですか?)


いや…呼吸と同じってことは、そのことに気が付くのかな?っていうことと、仮に気付いたとしても訊いてこの魔法みたいに回答が返ってくればいいんだけど…回答が返ってこない場合もある…よね?って思ったんだよね。


(そうですね…どうやって呼吸してるんですか?と尋ねて答えられる者はそんなに居ないでしょうからね。)


ですよね~…まあ、これは次に何か躓いたときの可能性の1つってことにしとこう。うん。




「どうしたんっすか?2人して首を傾げて固まってるっすけど…。」


「え?2…人?」

花音が周りを見れば、分体も花音と同じく周囲を見ている。


「自然と同調しちゃったんでしょうね…仕方ないです、一旦分体には消えてもらいましょう。」



そう言って花音は分体に手を振って別れを告げれば、分体も手を振って消えて行く…。



「くっ…何でしょう…この罪悪感というか、なんかやっちまった!って感じがします…。」


「見た目そっくりな分体っすからね、その辺はスリーピーさんに聞いてみたら良いんじゃないっすか?」


「そうですね、先生その辺どうなんですか?」


「…特に、なにも。」


「そうですか…。」





「さてっと…わての仕事は終了で良いのかナ?」


「そうですね、魔力操作じゃなかったですけど、魔法使えるよになりましたし…はい、終了です。ありがとうございました。」


「いや、わては殆ど何もしてないナ、カノちゃんはこの後どうするのかナ?」


「時間はまだありますから、少し練習していこうかと思ってます。」


「練習かナ…トウガも目覚めるまでしばらくかかりそうだしナ、その練習見てても良いかナ?」


「別に良いですけど…トウガちゃんどうしたんですか?」


「ん?あぁ…トウガはカノンのお嬢ちゃんの真似をして、うちの分体を造って魔力が切れたんどす。」


「それは…悪いことしましたか?」


「いんや、魔法の可能性に幅が出来たんとちゃうかな?」


「そうナ、魔法はイメージだからナ、どんなに頑張っても知らないものはイメージできないしナ、それにああいった発想はわてらにはなかったからナ…カノちゃんが次何を仕出かすのかわては楽しみナ♪」


「それなら良いんですけど…。」


「ほして、練習ちゅうんは何しはるんどす?」


「空を飛ぼうと思いまして、その練習です。」


「「はぃ?」」


「へ?お師さんそ、空飛ぶんですか?」


「空を飛ぶっすか⁉」


「カノンは思考が斜め上過ぎるのじゃ…。」


「そうは言っても、風魔…風術か重力で飛べると思うんですけど…。」


「そら、風術なら飛べるかも知れまへんけど…。」


「シグレ…わてらの常識でカノちゃんを見たらダメナ。」


「そやけど…。」


「カノちゃんはやりたいようにやってみたらいいニャよ♪」


「シナちゃんの言う通りナ、魔術に慣れるには使うに限るナ♪」


シナ婆さんとハルサメは肯定しながらも花音から距離をとる。


「ん~なんか納得できないんですけど…何かあったら困りますから、シグレさん達もトウガちゃんを連れて離れててください。」


「了解っす。」「分かりました。」「分かったのじゃ。」

「仕方あらへんね。」

トウガをスダレが抱えて離れて行く。




さて…先ずは重力魔法で体を軽くして…あっ、これヨギリんの攻撃に応用できないかな?でもヨギリんが重力魔法使えなかったら意味無いか…

…っと、次は風魔法で…。


(花音様、空を飛ぶなら防壁も使ってください。)


え?防壁?何で?


(空を飛べる種族も居ますが、飛べない種族の者で花音様と同様に空を飛ぼうとした者は沢山居ます、その飛べない種族で唯一の成功例の者が空を飛んだときに頭痛・嘔吐・目眩を起こしたそうです。)


あ~高山病みたいなもんかな?その成功例ってどうやって飛んだの?


(上空までは吹っ飛ばされて、その後は風魔法ですね。)


上空まで吹っ飛ばされて?


(はい、普通に飛ぼうとすれば魔力が全然足りませんから、ある程度高さまで魔法で吹っ飛ばしてもらうという方法を取ったみたいです。)


地上から?


(はい。)


そっか…山頂からだったら頭痛とかなかったかもしれないのにね。


(山頂はこの世界では神の頂と言われて、神聖な場所とされてました。)


あ、そうなんだ…え?されてました?過去形なの?


(はい、かなり昔のことです。その成功例以降空を飛ぼうとするものは現れてません。)


何で?


(魔力切れで上空から落ちて死んだからです。)


……はぁ⁉何それ!


(飛ぶことだけを考えて、戻ることまでは考えてなかったみたいです。墜落してしばらくは生きてましたが、死因が先程の頭痛・目眩・嘔吐が原因なのか、墜落が原因なのかまでは分かってません。)


…………その飛んだ人は夢が叶って幸せだったのか、それとも飛んだあとのことを考えてなかった自分の愚かさを嘆いたのか…どっちだろうね?


(どちらもじゃないですか?)


たぶんそうだろうね…。




140で切り良く終わらせたかったのに…(´・ω・`)

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